【エンラボストーリー】将来に悩んでいた私がエンラボで「人の役に立ちたい」という目標を見つけて新しい一歩を踏み出した
公開日:2026/02/05
広汎性発達障害のあるIさんは、将来への不安を抱えながら、自分の困りごとをうまく言葉にできずにいました。
一度は就労移行支援を利用したものの、就職にはつながらず、「この先どうしたらいいのか」と悩まれていました。
そんなIさんは、エンラボでの時間を通じて自分を理解し、安心して過ごせる環境の中で、少しずつ前へと進んでいきました。
「人の役に立ちたい」という思いが形になり、新しい夢を見つけたIさんに、これまでの歩みを伺いました。
※写真はイメージイラストです。
プロフィール
- Iさん
- 年代:40代
- 診断名:広汎性発達障害
- エンラボ歴:2年
ご自身の困りごと
- 小学生の頃から、対人関係や自身の感情のコントロールなどに課題を感じていた
- 一度就労移行支援事業所にも2年通ったものの、うまく就職までつなげられなかった
- 将来のことをちゃんと考えたい、自分の困りごとをきちんと捉えて解決の糸口を掴みたいと思っていた
「ここなら通えるかも」将来に不安を感じていた私が辿り着いた、エンラボという場所
ー エンラボに通う前は、どのような状況だったのでしょうか?
幼少期から、人付き合いがうまくいかなかったり、感情のコントロールができなかったりと、「周りとは何か違う」と感じていました。
ただ、私が子どもの頃は、発達障害や精神疾患に対する考え方が今とは違っていて…。
結局診断を受けたのは、大人になってからでした。
当時、生活保護を受けながら施設で暮らしていたのですが、施設移動による環境の変化などから眠れなくなった時期がありました。
精神科に通院して薬などをもらう中で、テストを受けて発達障害の診断を受けたんです。
施設で生活する中で、「将来のことをちゃんと考えないといけない」と感じて、就労移行支援にも通いました。
でも、うまく就職までつなげられないまま、利用期限の2年間が過ぎてしまいました。
「次はどうしよう?」と考えつつ、どこにも所属していない状態で就職活動も続けたのですが、自力だと難しく…。
区役所に相談したら、エンラボを含む「自立訓練」に関する事業所をいくつか紹介してくれたんです。
ー エンラボに通おうと思った決め手は何でしたか?
エンラボの雰囲気が決め手でした。
見学に行った時、ちょうどグループワークをやっていて、スタッフさんと利用者さんが和やかに会話している様子を見て、「ここなら自分も通えるかもしれない」と思いました。
最初の見学ですぐに、体験してそのまま通えるなら通いたい!と自分の心は決まりました。
ー エンラボで、どんな困りごとを解決したいと思っていましたか?
まずは、「自分が何に困っているのか」を明確にするために、自分のことを見つめ直したいと思っていました。
対人関係やコミュニケーションなど、困っていることはあるものの、「何に困っているのか」をうまく説明できなくて。
困っていることがうまく分からないので、解決もできないという状態だったんです。
だからこそ、エンラボに通って、いきなり解決するのは難しくても、解決の糸口を掴みたいと思っていました。
あとは単純に、平日の居場所がほしいという思いもありましたね。
否定されない安心感が、自分の考えを表現する一歩に
※エンラボで安心して過ごすIさんの様子
ー エンラボに通い始めて、どのように過ごしていましたか?
最初は週5日、終日通っていました。
「これから頑張ろう」と気を張っていたこともあり、最初の2〜3ヶ月はフルで通っていましたね。
ただ、体力的に無理をしていた部分もあって、だんだん疲れが出てきたので、午後だけ・週に4日ペースに調整しました。
その時の自分の状態に合った通い方をスタッフさんと一緒に考えられて、ありがたかったです。
ー エンラボのプログラムにはどのように参加していましたか?
見学の時から気になっていた「感情学」のプログラムは、午前の開催が多くてあまり参加できませんでした。
一方で、午後に参加できる「コミュニケーションワーク」はとても楽しかったです。
プログラムで取り上げられるサンプルが毎回個性的で、利用者さんみんなで「このAさんはどんな人か?」を考察するのですが、みんな意見が違っていました。
私自身、「他の人と違った答えを言いたい」という思いもあったので、さまざまな視点から考えるのは面白かったですし、どんな意見でも頭ごなしに否定されることはありませんでした。
もちろん「何を言っても許される」わけではありませんが、「そういう考え方もあるよね」と受け入れられる雰囲気の中で、これまでは言えなかった自分の意見も安心して話せるようになりました。
「人の役に立ちたい」という思いが、ピアサポーターという目標に
※スタッフと将来の目標について話すIさん
ー エンラボで過ごす中で、将来の目標はどのように見つかっていったのでしょうか?
エンラボに通う前は、具体的な目標はなく、ただ漠然と「誰かの役に立つことができたらいいな」と思っていました。
自分自身、就労の面などで困っても、何を調べたら良いのか分からず、調べても分からないことが多かったので、自分の経験が他の人の役に立つといいなって。
エンラボのスタッフさんにも将来のことを相談する中で、横浜市で開催されていた「ピアサポーター(※)」の養成講座に参加しました。
「自分の経験を活かして、同じように悩んでいる人をサポートする」というピアサポーターの活動を知り、これこそ自分がやりたいことなのかも、と思うようになったんです。
※ピアサポーターとは:自身も障害や病気の経験があり、その経験を活かして同じ境遇にある仲間(peer)をサポートする人のこと。資格等はないが、自治体やNPOがピアサポーター研修制度を主催している。
参考:ピアサポーターになりませんか?|厚生労働省
ー 目標が見つかったことで、どんな変化がありましたか?
それまで何となく「こんなことができたら良いな」と思っていたことが、仕事として成り立つんだとはっきりした目標になりました。
それまではエンラボにも「とりあえず通う」という感覚だったのですが、「目標に近づくために必要なステップ」という位置付けに変わって、前向きに取り組めるようになっていきました。
特に、エンラボを卒業する半年くらい前からは、スタッフさんの紹介で実際にピアサポーターとして働いている方に会うことができました。
実際に話を聞くことで、目標がより具体的になりましたし、ピアサポーターの求人が全くないという厳しい現実も知ることができました。
ピアサポーターになりたいからと言っていきなりなれるものではないということも分かったので、エンラボ卒業後まずは就労継続支援B型の利用を検討することにしました。
新しい目標に向けて、就労継続支援B型で働きながら経験を積む日々
ー エンラボを卒業してからは、どのように過ごしていますか?
今年の5月末にエンラボを卒業してから、現在は就労継続支援B型事業所で、ネット通販商品の梱包、ビルやエアコンの清掃といった仕事をしています。
最初の半月は午後だけ通っていましたが、徐々に慣れてきて、今では朝から1日中しっかり通えるようになりました。
仕事としてお金をもらっているという責任感があるので、遅刻や欠席もなく通えています。
ー 今後の目標を教えてください。
実は、今通っている事業所が新しく施設を増やす予定があって、事業所の職員さんとも「職員登用」の道があるかも、という話をしています。
職員になると、ただ作業をするだけではなく、他の利用者さんの心のケアやフォローも仕事の一部になってきます。
これは、エンラボで見つけた「ピアサポーター」の目標にもつながると思っています。
もちろん、職員になることは簡単ではありません。
信頼を積み重ねて、「この人なら任せられる」と思ってもらえることが必要ですし、年齢的に「もう失敗できない」というプレッシャーも感じています。
それでも、エンラボに通う前は漠然としていた「人の役に立ちたい」という気持ちが、今は具体的な目標になってきていて、少しずつ前に進めていると感じています。
エンラボは、新しい人生の一歩を踏み出す場所
ー これからエンラボを利用しようと考えている方に、伝えたいことはありますか?
私は、エンラボで新たなスタートの一歩を踏み出せたと思っています。
自分自身が変わるのに、年齢は関係ありません。
私も、エンラボに通い始める前は、「もう年齢的に遅いのでは」という気持ちもありましたが、実際に通ってみて、少しずつ前に進むことができました。
最初は「障害のせい」という考え方で、諦めたり自分を必要以上に責めたりしていた部分があったと思います。
でも、エンラボのスタッフさんや利用者さんと関わる中で、障害を言い訳にしなくてもいい、自分を卑下しなくてもいいと思えるようになりました。
エンラボは、困りごとをいきなり全部解決してくれるわけではありません。
でもここに通うことで、「自分の困りごとと向き合う方法」や「次に進むためのヒント」を見つけることができます。
本当にスタッフさんには、言葉では表すことができないくらい感謝しています。
エンラボに通った2年間は、間違いなく新しい人生のスタートになりました。
自分や今の状況を変えたいと感じている方がいたら、ぜひ一度エンラボを見学してみてほしいです。