【Enn-Lab. Story】人との会話がネガティブなものからポジティブなものに変化した
公開日:2024/02/02
エンラボカレッジをご卒業されたHさん。一般就労されたものの、幼少期からの困りごとが原因で退職され、エンラボカレッジの利用をスタートされました。苦手だったコミュニケーション能力を高め、将来に向けてステップアップされているHさんにこれまでの経緯をお伺いしました。
プロフィール
- Hさん
- 年代 : 20代
- 診断名 :ASD、強迫神経症
- エンラボ歴:2年
- 好きなこと:LIVEに行くこと、ゲームをすること
ご自身の困りごと
- 相手の言葉をそのまま受け取ってしまう
- 悪気がなくとも、相手を不快にさせてしまう
- 暗黙の了解が苦手で、受け取れず苦労することがあった
幼少期からの困りごとが原因で退職し診断を受けた
—診断を受けたきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
物心ついた幼少期から、会話の中で他者との意識のズレが起こり人とぶつかってしまうことがありました。
ただ、新卒で一般就労するまではそういった診断を受けたことがなく、入社後1年半ほどが経ってから退社し、初めて診断を受けました。
—ご自身の困りごとはどのようなものがあったのでしょうか?
人と話していて「なんか噛み合ってない」と思うことがあり、人から言われる事もありました。
特に多かった事は自分の中で悪気はなくとも、相手を言葉で不快にさせてしまうことでした。
コミュニケーション部分でのトラブルが多かったように思います。
また言葉通りに受け取ってしまい、その裏にある内容を読み取れずにトラブルになった事もありました。
コミュニケーション部分でのトラブルになると、人と話すことに対してネガティブな感情が生まれてしまう。
そうすると人と話していても楽しくなくなり、一人でいることが多くなっていました。
心療内科の主治医の先生から勧められエンラボカレッジを見学
—なぜエンラボカレッジを見学しようと思ったのでしょうか?
心療内科の主治医の先生にいくつか福祉事業所を紹介をしてもらいました。
その中で困りごとへの対処の部分でエンラボカレッジが合っていると勧めてもらいました。
エンラボカレッジを実際に調べて、両親に相談したところ背中を押してくれたため見学をすることに決めました。
—初めて見学に行った時のことを教えてください。
まずはでっかい黒板。すごいなと思いました(笑)
見学の時は感情学というワークの「怒り」がテーマだったと思います。
黒板をぼーっと眺めながら「怒りの感情を知るってなんだろう?」と思い見ていました。
その中で利用者の皆さんが日常でイラっとするポイントを色々と挙げていて、意見交換をしているのをみて自分もこのワークを受けてみたいと思い、興味を持ちました。
「学校みたい」というのが第一印象です。
短期間で学びきれるかという不安がありつつ、エンラボカレッジの利用をスタート
—利用をスタートしたときのことを教えてください。
自立訓練(生活訓練)が最大2年間という有期限の中で、20年間困っていたコミュニケーションという大きな課題を学べるのかという不安があったことを覚えています。
また当時は夜型の生活だったこともあり週2,3日の通所からスタートしていました。
—最初はどのような目標を設定されていたのでしょうか?
大きく分けると「生活習慣の改善」と「コミュニケーション能力のアップ」になります。
「生活習慣の改善」は数ヶ月ほどかけて週5日の通所ができるようになりました。
そこから日々様々なワークを受けることができるようになりました。
エンラボカレッジを利用していくなかで、会話の楽しさを知ることができた
—エンラボカレッジに通うことで不安はどのように解消されていきましたか?
- 「人と話すことに対してネガティブな感情だったこと」に対して
ワーク中に挙手をして発言をしたりすることがあり、自分の発言に対して一緒に受けている利用者さんからの反応が返ってくることがあります。
いろいろな人の意見を聞き、考え方や捉え方は十人十色だと知ることができました。
人によって返ってくる反応が異なり、発言者が誰であるかによっても反応が変わることを、すごくよく学べたと思います。
そこを繰り返すことで徐々に会話をすることへの抵抗感がなくなっていきました。
エンラボカレッジでの日常生活を通して、会話をすることの楽しさを知ることができたと思います。
—利用前の困りごとはどのように解消されていきましたか?
- 「相手の言葉をそのまま受け取ってしまうこと」に対して
一度自分の中でひと呼吸おいてから、相手に確認をとれるようになりました。
「それってこういうことで合っていますか?」という認識の確認を取るようにしています。
- 「悪気がなくとも、相手を不快にさせてしまう」ことに対して
これは今も一番の課題です。
何故相手にとって不快なのかが分からず、いまでもポロっと言ってしまうことがあります。
ただ、言ってしまった後に何が不快だったのかを相手に聞き、今後は起きないように行動することができるようになりました。
- 「暗黙の了解が苦手で、受け取れず苦労することがあった」ことに対して
以前は「暗黙の了解」であることにも気付けていなかったように思います。
今は気づくことができ、本や他の利用者さんの意見を参考に学ぶことができたと思います。
それでもわからないことは、人に聞くという対処方法を取るようにしています。
エンラボカレッジに通うことで、大きな課題であったコミュニケーションに関する困りごとが解消され、同時に日常生活での対処方法も身についたと感じています。
—ワークを通して課題に対する対処方法を学ばれたのですね。好きだったワークはありますか?
Life Lab.(ライフラボ)、Socia Lab.(ソーシャルラボ)です。
Life Lab.(ライフラボ)は、将来のことを色々考えていくワークです。
エンラボカレッジを卒業したあとで、将来どんなことがしたいかを実際に自分で考える事ができたと思います。
Socia Lab.(ソーシャルラボ)は、ちょっと遊びの要素があるワークです。
個人的にはどのワークよりも、コミュニケーションの実践の場だと考えていました。
コミュニケーションのワークで事例を学び、Socia Lab.(ソーシャルラボ)で実践を行っていました。
何よりゲームなどの遊びを含めたものだったので、楽しみながらコミュニケーションを学ぶことができたと思います。
エンラボカレッジでの出会いが進路選択のきっかけに
—現在の卒業先はどのように選ばれたのでしょうか?
生活習慣が整い、コミュニケーション能力も身についてきた頃に就労継続支援A型事業所に行きたいことをスタッフさんに相談しました。
慣れてきた生活習慣や通勤時間などを考えた時に就労継続支援A型からスタートすることで、少しづつステップアップしていけるのではないかと考えていました。
また、エンラボカレッジでの友人が就労継続支援A型で仕事をしていた事も進路選択時のきっかけになりました。
—大切な出会いがあったのですね。これからの目標について教えてください。
現在の就労継続支援A型にて経験を積んで、次のステップへ準備を進めています。
デスクワークでのPC作業が自分に合っていると感じているため、事務全般の仕事を検討しています。
また、エンラボカレッジでの友人と付き合いが続いているため、たまにあって会話をしたりすることを今後も継続したいと考えています。
人付き合いはどこで繋がるかわからない、今後も人付き合いを大切にしていきたい
—エンラボカレッジの2年間はどのような時間でしたか?
第二の学校みたいでとても楽しかったです。主治医、両親の意見を振り切って、働くという選択肢もあったのですが、エンラボカレッジに通所したことで今があると考えています。
人と会話することの楽しさを知る事ができ、友人がきっかけで卒業先も決める事ができ、人付き合いはどこでつながるかわからないと感じています。今後も大切にしていきたいです。
—Hさんのインタビューを読まれる方に伝えたいことを教えてください。
自分と向き合うことはとても大変です。
ときにはすごく勇気がいることもあります。
でも、考え続けることに意味があると思います。
僕も未だに自分を探し続けているので、一緒に頑張っていきましょう。
スタッフからのコメント
エンラボカレッジでの生活の中で、自分と他人との意見の相違に気づいている部分があり、メインの課題として取り組んでいました。
相手の気持ちも大事にしながら、断り方、伝えたいことを練習をされていて、とても難しい課題に挑戦されていたと思います。
挑戦を続ける事でプログラム以外でも、他のご利用者に対して声をかけ、ご利用者同士の交流も促進され、集団全体に良い影響をもたらしてくれていたと思います。
他者とのコミュニケーションや生活の中で「引っかかり」があった時はスタッフに相談し、整理することで、ご自身の価値観・傾向、他者との違いについて理解を深めていくという姿勢がとても素敵でした。
これからも無理をせず進んでいってほしいと思います。引き続き応援しております。