【エンラボストーリー】休職をきっかけに気づいたこと。“感情コントロール”から始まった私の再出発

公開日:2025/11/11

社会人になってから人間関係に悩み、生きづらさを抱えてきたIさん。転職を繰り返しても状況は変わらず、体調を崩して休職する日々が続きました。

そんな休職期間中に出会ったのが、自立訓練(生活訓練)のエンラボです。ここで「正しさを感情的にぶつけるのではなく、相手に伝わるように話すこと」を学び、少しずつ“人の気持ちを理解できる自分”へと変わっていきました。今回は、その歩みについてIさんにお話を伺いました。

※写真はイメージイラストです

プロフィール

・Iさん
・年代:40代
・診断名:ADHD、双極性障害
・エンラボ歴:1年

ご自身の困りごと

  • 人間関係が苦手で仕事が続かなかった
  • 職場に馴染めず体調不良から休職した
  • 衝動性や感情コントロールが難しかった

見学と体験で感じた「ここなら通えるかも」という安心感

エンラボを知ったきっかけを教えてください

休職したことをきっかけに「このままでは戻れない」と感じ、紙に自分の課題を書き出しました。

 

コミュニケーションの苦手さ、衝動性、感情のコントロール……。働くうえで土台になる部分が弱いのではないかと気づき、ネットで“就労移行”や“自立訓練”を検索して情報を集める中で、凸凹のある人が練習できる場としてエンラボを知りました。

 

見学と体験の案内を見て、まずは外に出る小さな一歩として申し込みました。

 

見学に来たとき、どんな印象を持ちましたか?

最初に感じたのは「ここは落ち着ける場所だな」という安心感でした。

 

にぎやかすぎず、静かな空気が流れていて、年齢の高い自分でも無理なく通えるかもしれないと感じました。

 

スタッフの方々も真剣に話を聞いてくださって、“ここなら続けられるかもしれない”と思えました。

 

ー体験を通して印象に残っていることはありますか?

体験のときにコミュニケーションのワークを受け“人付き合いを円滑にするための7原則”を教わったのが一番印象的でした。

 

「正しいことは強く主張するのが普通」と思っていたのですが、エンラボでは「相手を否定しない」「安心できる場をみんなでつくる」といった人との関わり方が大切にされていて、自分の中で大きな気づきになりました。

通い始めて見つけた、自分に合ったペース

ー 通い始めたときのことを教えてください

エンラボに通い始めたときは、「まずは週5日通うこと」を自分の目標にしました。

ただ、落ち込む日や体調が不安定な日もありました。そんな時には「無理をせず休むこともリカバリーの一つ」とスタッフさんに教えていただきました。

「休む=怠けではない」という言葉に救われ、通所のペースを自分に合わせて調整できたことが、継続につながったのだと思います。

 

ー 印象に残ったプログラムはありますか?

感情学のプログラムが特に印象に残っています。そこで学んだのは「自分の気持ちを“言葉にする”」こと。これまで漠然と「なんだかつらい」としか思えなかった感情を、「悲しい」「悔しい」「恥ずかしい」と言葉に分けて表現できるようになったんです。

 

そのおかげで、気持ちに振り回される時間が少しずつ短くなっていきました。

 

また、「アクティビティ」では、過集中への対処法としてアラームを使う方法や、感覚の凸凹への理解について学びました。

 

自分だけでなく、周りにも聴覚に敏感な人や声の大きさが苦手な人がいるかもしれないと考えられるようになり、人との関わり方が以前よりも穏やかになったと感じています。

感情と向き合い、人との関わりが変わった

ー 感情との向き合い方にどんな変化がありましたか?

以前は、怒りが出たら“正しさを通すために強く言わなきゃ”と力が入っていました。

 

今は、怒りの手前にある悲しさや不安に目を向ける癖がつき、まず自分の感情を言葉にしてから伝えるようになりました。

 

結果として、相手とぶつからずに話し合える場面が増えています。

 

ー 他の学生やスタッフとの関わりで印象的だったことはありますか?

イベントの装飾を担当した際に、周りから頼られることが負担に感じた場面がありました。

 

そのときに「この部分はスタッフさんに相談してもらえると助かります」と自分の立場を意識して伝えることができ、境界線を引く練習になったと思います。

 

そこから、無理に背負い込まなくてもいいんだと気づけました。

 

ー ご自身の中で大きく変化したと感じることはありますか?

 

“自分ばかりが辛い”という思い込みが弱まりました。

エンラボには、悩みや特性を抱えながらも前に進もうとする人がたくさんいて、その姿に触れるうちに、人の痛みを想像できるようになりました。

 

いろんな人がいて当たり前で、「誰かを尊重することは自分を卑下することではない」と自然に考えられるようになったことが大きいです。

これからは、同じように悩む人を支えたい

ーエンラボでの学びを経て、これからどんな道を歩んでいきたいと考えていますか?

これからは、社内で働く障害のある方の職場定着を支えるピアサポーターとして関わっていきたいと考えています。

 

そのきっかけとなったのが、復職後に挑戦したハローワークの「精神・発達障害者しごとサポーター」講座です。異動を目指して受講しましたが結果は叶わず、それでも「挑戦できた」という経験が大きな自信になりました。

 

また、エンラボで学んだリフレーミングを活かすことで、会社の人たちの“良い面”にも目を向けられるようになり、復職への怖さが和らいだのも収穫でした。

こうした学びや経験を今後のキャリアにつなげていければと思っています。

読者へのメッセージ

ー同じように悩んでいる方や、記事を読んでくださっている方に向けて、メッセージをお願いします。

一人で抱え込んでいると、世界がとても狭く見えてしまいます。エンラボには、同じ悩みを抱える仲間や、自分にはない強みを持っている人たちがいます。

 

守られた安全な場で、自分の課題を練習できる。それだけでも、明日への不安は少し軽くなるはずです。

 

迷っているなら、まずは見学や体験で空気を感じてみてほしいです。

【スタッフの声】通所を重ねるごとに、表情も雰囲気も柔らかく

Iさんは社会での経験からたくさん傷ついた状態で来所されましたが、通所を重ねる中で雰囲気が柔らかくなり、場のルールを尊重しながら自分の学びを積み重ねていく姿が印象的でした。

 

プログラムでは目的以上の学びを取りにいき、日々の関わりの中でリフレーミングを実践。“ここで学びたい”という前向きな姿勢が、周囲にも良い影響を与えていました。

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