自閉スペクトラム症(ASD)|自立訓練で自己理解を深め、障害者雇用で安定して働くまで【エンラボストーリー】
公開日:2026/04/23
「働きたいけれど、自分に何ができるのか分からない」と、将来への漠然とした不安を抱え、一歩踏み出せずにいた日々。
コミュニケーションへの苦手意識から「自分にできる仕事はあるのだろうか」と悩み、就職への進め方も分からなかった中で、自分のペースを大切にできる場としてエンラボを選びました。
週3日の通所からスタートし、イベントや創作活動を通じて「ここにいても大丈夫なんだ」という安心感を少しずつ育んでいきました。
自分の特性や限界を理解し、無理をしない選択ができるようになったことで、現在は障害者雇用の事務職として穏やかに働き続けているプロセスを詳しく語っていただきました。
プロフィール
- Nさん
- 年代:30代
- 診断名:自閉スペクトラム症(ASD)
- エンラボ歴:1年3ヶ月
自身の困りごと
-
自分に合う働き方や環境が分からない
-
仕事に対する漠然とした不安がある
-
対人関係や会話への苦手意識が強い
-
「自分にできる仕事があるか」と疑ってしまう
-
何から始めればいいか手順が見えない
就労支援センターからの紹介でエンラボを知る
エンラボを知ったきっかけは、
就労支援センターの職員の方からの紹介でした。
「自分のことを知る時間をしっかり取れる場所がある」と聞き、エンラボに行けば、何かヒントが見つかるかもしれないと感じました。
見学で感じた、落ち着いて過ごせそうな雰囲気
見学したときの第一印象は、
「きれいで、落ち着いた場所だな」というものでした。
無理に話しかけられることもなく、
静かな雰囲気の中で、自分のペースを大切にできそうだと感じました。
ここなら、焦らずに自分と向き合えるかもしれないと思えたことを覚えています。
週3日から始めた通所と、最初の目標
通い始めた当初は、週3日の通所からスタートしました。
火・木・金と曜日を決めて、無理のないペースで通っていました。
最初の目標は、とてもシンプルで
「安定して通うこと」
「人との関わり方やコミュニケーションについて学ぶこと」
でした。
まずは生活のリズムをつくることを大切にしながら、少しずつエンラボでの時間に慣れていきました。
印象に残っているプログラムと出来事|安心できる感覚に気づいた時間
エンラボで印象に残っているのは、
無理をしなくても、その場に自然にいられた経験です。
8月に行われた夏祭りでは、
特別な役割を担ったわけではなく、
椅子に座ってコーヒーを飲みながら過ごしていました。
それでも居心地の良さを感じ、
気づけば長い時間その場にいられていました。
「ここにいても大丈夫なんだ」と、
自然に思えたことが自分にとって大きな気づきでした。
また、ゆるキャラ作りの企画では、
自分が考えた案が選ばれるという経験もありました。
それまで、自分の意見が評価されることはあまりなかったため、
素直にうれしかったのを覚えています。
エンラボで感じた変化|少しずつ前向きに
エンラボに通う中で、
生活態度や人との関わり方に、少しずつ変化を感じるようになりました。
以前よりも話す機会が増え、
自分の考えを言葉にすることへの抵抗も減ってきたと思います。
大きな変化ではありませんが、
「前よりは話せているかもしれない」
そう感じられることが増えていきました。
現在の暮らしと働き方|安心して「続けられている」毎日
現在は、人材紹介の会社で、障害者雇用として事務補助の仕事をしています。
働き始めた当初は、
「ちゃんとやれるだろうか」「続けられるだろうか」という不安もありました。
でも今は、毎日同じ時間に出勤し、
決まった作業を一つずつ進める生活が、少しずつ自分のものになっています。
仕事の進め方にはマニュアルがあり、
分からないことがあれば、すぐに相談できる環境があります。
「困っても大丈夫」と思えることが、気持ちを落ち着かせてくれています。
エンラボで自己理解を深めたことで、無理をして頑張るよりも、「自分が安心して働ける状態」を大切にするようになりました。
調子が良い日も、そうでない日もあります。
それでも、自分の特性や限界を理解したうえで働けている今は、以前よりも穏やかな気持ちで仕事に向き合えています。
「働くことが怖くない」
そう感じられていることが、何よりの変化かもしれません。
エンラボでの経験を、これからも活かしていきたい
エンラボで過ごした時間は、
「自分を知ること」
「無理をしない選択をすること」
の大切さを教えてくれました。
これからも、自分の状態を大切にしながら、
できることを一つずつ積み重ねていきたいと思っています。
読者へのメッセージ
「働きたいけれど、不安が大きい」
「自分に何ができるのか分からない」
そんな気持ちを抱えている方も多いと思います。
自分も、同じところからスタートしました。
すぐに答えが見つからなくても、
自分と向き合う時間を持つことで、
少しずつ見えてくるものがあると思います。
体験してみてから判断する、
それくらいの気持ちで、一歩踏み出してみてもいいのではないでしょうか。