「生きづらさ」を言語化し、自分を守る術を掴んだ1年半【エンラボストーリー】
公開日:2026/04/23
「どうして上手く生活ができないのか、自分の言葉で説明ができない」。そんな悩みを抱えていたSさんは、母親の知り合いからの紹介でエンラボに出会いました。
就職を急ぐ前に、まずは自分自身を深く知ることを選んだSさん。
プログラムを通じて自己理解と自己開示の術を身につけ、現在は自分の特性を職場に伝えながら、安定した生活を送っています。
「自己理解は他者への説得力になる」と語るSさんの、これまでの歩みをお伺いしました。
プロフィール
- Sさん 年代: 20代
- 診断名: ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)
- エンラボ歴: 1年半
ご自身の困りごと
- 自分の生きづらさや苦手なことがどこにあるのか、言語化して伝えること
- 自分にとって適切な配慮がどういうものなのか分からない
- 苦手なものや避けるべきものが分からず、生活が上手くいかない
視覚的な刺激が少ない、通いやすさを感じた環境
―エンラボを利用する前の状況を教えてください。
当時は、自分の特性をどう説明すればいいのか分からず悩んでいました。
何が苦手で何を避けるべきなのかが言語化できないため、周囲にどう配慮をお願いすればいいのかも分からず、上手く生活が送れない状態でした。
―見学に行ってみた印象はいかがでしたか?
内装が木目調で視覚的な刺激が少なく、「訓練施設」という感じがあまりしなかったのが印象的でした。
壁の一面が黒板だったことも覚えています。
また、学校の時間割のようにプログラムが決まっている点も、通所を決めるきっかけになりました。
週3日から週5日へ。安定の鍵は「不安定になる理由」を知ること
―通い始めた当初は、どのような様子でしたか?
最初は週3日程度から慣らしていき、最終的には週5日通うようになりました。
通い始めた当初は「安定した生活を送ること」を目標にしていましたが、通い続けるうちに、そのためには「自分がどういうものによって不安定になるのか」を知ることが必要なのだと感じ、自己理解をより重要な目標へと置くことになりました。
―印象に残っているプログラムはありますか?
特に「感情学」が印象的でした。自分が普段感じているものを言語化することで、自分はどういう感情で不安定になりやすいのか、あるいは回復するためにどの感情に対処しなければならないのかを知るきっかけがたくさんありました。
グループワークで他の方の意見を聞くことで、主観的なものだからこそ自分だけの視点になりやすい「感情」を、客観的に見直すことにも繋がりました。
変化の実感。特性を理解し、事前に対策を立てられる自分へ
―エンラボに通って「変化した」と感じることはありますか?
自己理解の大切さを知ったことが、私にとって最大の経験です。自分の特性をきちんと理解したうえで他者に説明することは、とても説得力のあるものになり得ます。
職場での面談でも、自分の特性をきちんとまとめて提示できるようになったため、必要な配慮をより受けやすくなったと感じています。
―具体的にどのような対策ができるようになりましたか?
ダメージを受けそうな状況を事前に回避したり、回避できなくても準備をすることで不安定になる可能性を減らしたりといった「事前対策」ができるようになりました。
いざ不安定になった時にどう対処するべきかという「手当て」的なものの重要性を知れたことも心強いです。
苦手な「環境の変化」に備えながら、穏やかな生活を続ける
―現在の目標や取り組んでいることを教えてください。
夏に勤務地が大きく変わる予定があります。
環境の変化は私が一番苦手とする状況なので、適応できるように今から事前にできる準備を進めています。
―将来的に目指したい働き方や暮らしはありますか?
今のまま、大きな変化が少ない生活を続けられるといいなと思っています。
エンラボでの経験を活かし、他者に自分のことを伝えながら、穏やかなペースで歩んでいきたいです。
自己理解と分析を深めたエンラボでの時間
―Sさんにとってエンラボでの1年半はどのようなものでしたか?
就職を目指す前に、まずは自分への理解と分析を深めるべきだと思って選んだ場所でしたが、結果的に自分を説明する言葉を持てたことが、今の安定に繋がっています。
―これから利用を検討している方へメッセージをお願いします。
自分の特性や困りごとを言葉にするのは難しいことですが、それができると生活は少しずつ楽になります。
一歩踏み出して、自分自身を見つめ直す勇気を持ってみてください。