大人のASD(自閉スペクトラム症)|症状・特徴・セルフチェックの方法などを解説します。

公開日:2024/03/18

子どものころは気にならなかったのに、大人になってから仕事や人間関係で「仕事の指示の行き違いが多い」「コミュニケーションがうまく取れない」「感覚過敏があって仕事に集中ができない」など辛い思いをするようになった、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そういった辛さの背景にはASD(自閉スペクトラム症)である可能性があります。ASDは発達障害の一つで、対人関係やコミュニケーション、感覚の過敏さなどで困ることが多いといわれています。

この記事では大人のASDの症状や特徴、よくある困りごと、セルフチェック、頼れる医療機関、支援機関について紹介していきます。

大人のASD(自閉スペクトラム症)とは?

ASDは幼少期から特性や症状が現れるものですが、大きな困りごとにならなかった方が、大人になってから社会生活や人間関係における困難に気づき、ASDの診断を受ける方が近年増えてきています。

 

大人のASDのある方は、仕事や対人関係の場面で辛い思いを経験することが多いといわれており、そのことで二次障害としてうつ病などを発症するリスクもあります。そのため、辛さを軽減させるためにも病院を受診するなどして自身の特性の把握と対策を行っていくことが大切です。

ASDとは?

ASDとは自閉スペクトラム症という名称でも知られており、対人関係やコミュニケーションの困難や特定の物事に対する強いこだわりといった特性のある発達障害のことです。ASDのある方は人口の1%程度いるともいわれています。

 

ASDは以前、自閉症・広汎性発達障害・アスペルガー症候群などと呼ばれていたものの、2013年にアメリカ精神医学会の発行している診断基準『DSM-5』が発刊されたことを期に、統一された名称として誕生しました。

 

ASDは「Autism Spectrum Disorder」という英語表記の頭文字を取ってASDと呼ばれています。Spectrum(スペクトラム)とは日本語にすると「連続体」となり、一つの決まった特性があるわけではなく様々な特性が連続的に重なり合っていることを意味しています。

 

そのため、ASDと診断された方でも人によって特性の強弱や偏りがあり、具体的に困ることも人それぞれ異なっています。

 

対策にも違いがあるので、ASDのある方は自分自身の特性をしっかりと把握して、自分に合った対策を講じていくことが大切です。

 

特性を把握するための方法や対策を考える際に頼りになる支援機関は後半でお伝えします。

ASDの原因

ASDの原因は、現在のところまだはっきりとは解明されていません。ただ、様々な遺伝的な要因が複雑に絡み合って、脳の機能に何らかの偏りが起こることで生じるのではないかといわれています。

 

遺伝が関係しているといっても、親にASDがあると子どもにも必ずASDが生じるということではありません。あくまでも要因の一つとして考えられているという状況です。

 

また、子育ての方法や親の愛情不足が原因といわれていた時期もありましたが、ASDなどの発達障害は生まれつきの脳機能の障害のため、子育てや愛情不足が原因という説は現在では明確に否定されています。

ASD(自閉スペクトラム症)の症状

ASD(自閉スペクトラム症)のある方の主な症状としては、「対人関係やコミュニケーションの困難」「興味の偏りや特定の物事への強いこだわり」「感覚過敏」などがあります。

 

対人関係やコミュニケーションの困難では、「相手の立場に立って考えることが苦手」「あいまいな表現の理解が難しい」「視線など言語外のコミュニケーションが苦手」「言葉をそのまま受け取り、冗談や皮肉がわからない」などがあります。

 

興味の偏りや特定の物事への強いこだわりでは、「興味の幅が非常に狭い」「物事や順番などにこだわりが非常に強い」「同じ動作を繰り返すことを好む」「臨機応変な対応が苦手」などが挙げられます。

 

感覚過敏には、視覚過敏、聴覚過敏、触覚過敏などがあり、周りの動きや音、肌に触れる感覚などの刺激に過剰に反応する状態のことです。また、感覚過敏と逆に刺激を極端に感じ取りにくく、情報取得が遅れる、痛みに気づきにくいといった、感覚鈍麻(かんかくどんま)がある方もいます。

 

ASDは生まれつきの障害のため、こういった症状自体は幼少期から存在しています。しかし、特に生活に困るほどでなかった場合は周囲や本人も気づかずにそのまま大人になるということもあります。

大人のASD(自閉スペクトラム症)の特徴

ASD(自閉スペクトラム症)のある方には、コミュニケーションや仕事の場面で困ることが多いといわれています。

 

大人のASDのある方がコミュニケーションで困ることとして、

  • 悪気はなくても発言によって人を怒らせてしまうことがある
  • 自分の興味のある分野についてずっと話してしまい会話が成り立たない
  • 身振りやジェスチャーから相手の意図を察することが難しい
  • 冗談や皮肉の理解が難しく言葉通り受け取ってしまう

といったことがあります。

 

次は、大人のASDのある方が仕事で困る場面としては、

  • 面接で面接官の質問の意図がよくわからない
  • 「ある程度」「なるべく急ぎで」などあいまいな指示がよくわからない
  • 自分の決めた順番に強いこだわりがあり融通が利かない
  • 突然の変更があると混乱してしまう
  • 人の出入りが激しいなど刺激が多い場所だと集中が難しい

などがあります。

 

こういった困りごとは、ASDのある方全員に共通するわけではなく、人によって表れ方が異なっています。

 

よくある困りごとを参考にしながら、自分に当てはまるものがないかチェックし傾向を探っていくことが対策を取るためにも大切です。

ADHDとの併存

ASDのある方には同じ発達障害であるADHD(注意欠如・多動症)も一緒にあることも多く、これをASDとADHDが併存している状態と呼んでいます。

 

ADHDは集中することの困難や、衝動的な行動などを特徴とする発達障害の一つで、コミュニケーションや仕事で困ることが多いといわれています。

 

ADHDのある方のよくある困りごととして、

  • 相手の話をさえぎって話してしまう
  • 会議など静かにする場面でもじっとしていられない
  • 部屋やデスクの整理整頓ができずよく物をなくす
  • 会社や取引先に遅刻することが多い
  • すぐに気が散ってしまい仕事に集中できない
  • 見落としにより簡単な間違いが多くなる

などがあります。

 

ASDとADHDが併存している場合には、ASDに加えてADHDの困りごとが表れることもあります。同じような困りごとでも、どちらの障害特性から影響を受けているかによって対策にも違いがあります。

 

例えば、仕事に集中できない場合でも、それがASDの感覚過敏からきているのかADHDの不注意からきているのかによって、必要な対策も異なってきます。

 

そのため、ASDだけでなく他の特徴も表れている場合には、病院で検査をするなど自身の特徴を把握することが大切です。

 

ADHDについては以下の記事でも紹介しています。詳しく知りたい方はご覧ください。

 

関連ページ:ADHD(注意欠如・多動症)の特徴・特性とは?大人・子どもの特徴や症状や困りごとについて解説します。

ASDの二次障害

大人のASDのある方は、ここまで紹介してきたような困りごとがあることで、心身に負担がかかってきます。

 

その負担が続くと、睡眠の乱れやうつ病など様々な症状が発生してくることがあります。こういった状態をASD(または発達障害)の二次障害と呼んでいます。二次障害は医学的な診断名ではなく、一般的に使われる用語です。

 

うつ病などで病院を受診した結果、実は背景にASDがあると判明することも珍しくありません。

 

ASDに加えて二次障害がある場合は、どちらに対しても治療や対策などのアプローチをしていく必要があります。二次障害の症状自体も辛いと思いますが、複数の病院に通うことも負担となることが考えられます。そのため、二次障害を防ぐためにもASDの困りごとを解消していくことが大切といえるでしょう。

軽度のASD(自閉スペクトラム症)の特徴

ASD(自閉スペクトラム症)は、先ほど紹介したように様々な特性が重なり合っており、人によって強弱も異なっています。

 

ここでは特性が比較的表れにくい、いわゆる軽度のASDの方の特徴を紹介します。

 

コミュニケーションの部分でいうと、相手が冗談や皮肉を言っていることはなんとなくわかるが、その意味までは分からないといったことが挙げられます。

 

また、仕事で自分が決めた順番を他の人によって変更させられた際にも、パニックになるほどではなく、心の負担はありつつも対応することも可能です。

 

感覚過敏においても、周りで多くの人が話していても耳せんをすれば特に気にならないといったように、人によって程度に違いがあります。

 

軽度のASDのある方は、ここまで紹介したように日常生活や仕事において、困ることはあるがすぐに対策が取れる程度といった場合が多くあります。

 

そのため、子どものころは自分や周りの方もASDの特徴について気が付かずに、大人になってから仕事で複雑なコミュニケーションや業務を経験して困りごとが表面化してくるといったことも多いといわれています。

大人のASD(自閉スペクトラム症)セルフチェックの方法

ASD(自閉スペクトラム症)には紹介してきたように、様々な特徴があります。生活や仕事で困ることが多く、「ASDかもしれない」と感じるときは次にあげる特徴にどのくらい当てはまるかチェックしてみてください。

 

  • 言葉の裏を読むことが苦手
  • ジェスチャーの意図がよくわからない
  • 「もう少し」などと言われると困ってしまう
  • 複数人でいるときに場の空気を読むことが苦手
  • 対象によって興味のあるなしが激しい
  • 好きなことには何時間でも熱中することがある
  • 好きなことを一方的に話してしまう
  • 行き帰りの道順や仕事の手順に強くこだわる
  • 急に変更があると動揺してしまう
  • 初めて行うことに不安が強い
  • 目に映るものや聞こえる音に過剰に反応する
  • 特定の匂いや肌触りのものが苦手

 

このような特徴に多く当てはまっている場合は、ASDの傾向があるかもしれません。

 

インターネット上には、他にもASDのセルフチェックができるサイトがあります。以下のサイトも参考にしてみてください。

 

参考:銀座心療内科クリニック「ASDのセルフチェック」

 

ただ、セルフチェックでいくつ当てはまっても、それだけでASDだと確定するわけではありません。ASDの診断を行えるのは医師だけです。セルフチェックを通して傾向があると感じたときは、対策を立てるためにも医師による診断を受けることを検討してみてください。診断の流れについては次の章でお伝えします。

大人のASD(自閉スペクトラム症)の診断方法

ここでは、ASD(自閉スペクトラム症)の診断方法を紹介します。ASDの診断は、主に発達障害外来のある病院や、精神科、心療内科などで受けることができます。

 

ただ、すべての病院で診断を行っているわけではありません。また、大人と子どもでは対応している病院が異なりますのでご注意ください。大人のASDの診断を行っている病院は「大人 ASD 病院」などで検索することで探すことが可能です。

 

なかなか見つからない場合には、市役所などの障害福祉窓口や発達障害者支援センターに相談することで教えてもらえることもあります。

 

なお、診断は基本的に予約制となっています。受診する病院が決まったら、あらかじめ予約を取るようにしておきましょう。

ASDの診断方法

ASDの診断は、基本的に問診と心理検査を通して行われます。問診では、現在困っていることや幼少期の様子などが聞かれます。母子手帳や学校の通知表などの書類を求められることがありますので、受診する前に用意しておくといいでしょう。

 

心理検査では、知能や発達について様々な検査を用いて測っていきます。心理検査は受診する病院や、受ける方の年齢によって使用する種類がわかれていて、大人の場合は、WAIS-IV(ウェイスフォー)などの検査が実施されます。心理検査は1日だけでなく、数日にわたって行われる場合が多いようです。

 

こういった問診と心理検査の結果をASDの診断基準と照らしあわせて、最終的に医師が判断をします。また、問診と心理検査以外にも血液検査や脳波の測定などの検査を実施する場合もあります。

 

いずれにしても、受診から診断結果が出るまでに数週間かかることも珍しくありません。予約もすぐに取れないこともあるため、診断を受けたいと思っている方は日数に余裕をもって動くようにしましょう。

大人のASD(自閉スペクトラム症)の治療方法

ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けた後は、治療を行っていきます。ASDは生まれつきの脳機能の偏りによるものなので、ASDそのものを治療する薬などはありません。その代わりに、困りごとを減らしていく環境調整などの治療法が行われます。

 

また、ADHDが併発している場合や、うつ病や睡眠障害などの二次障害がある場合は、その症状に対して薬物療法を行うこともあります。

ASDのある方の環境調整

ここではASDのある方の環境調整の考え方や具体例を紹介します。

 

ASDのある方の困りごとは、ASDによる特性と周りの環境がかみ合わないことで生じると考えられています。

 

ASDの興味の偏りという特性も、好きなことに集中できる仕事をしている場合は特に問題ないといえるでしょう。むしろよい成果が出る可能性もあります。

 

しかし、特に興味のない分野の仕事や、業務内容が多岐にわたる仕事の場合は、こだわり以外の業務をする場面も多いため、集中力が続かないなどの困りごとが生じることがあります。

 

他にも、順番などのこだわりが強い特性がある方の場合も、毎日同じようなことをするルーティーン業務が多い仕事であれば力を発揮できると考えられます。しかし、接客など臨機応変に対応する場面が多い仕事では、多くの困りごとが発生することが予想されます。

 

このように、ASDの特性そのものが良い悪いというわけではなく、周りの環境との兼ね合いが重要となります。そして、現在困っていることがある方が置かれた環境に働きかけることを「環境調整」と呼んでいます。

 

ここでいう環境とは空間の広さや物の配置などの物理的な環境だけでなく、人とのかかわり方や業務の指示の仕方、困りごとを解消するためのツールの使用なども含みます。それでは、大人のASDのある方の仕事における環境調整の例をいくつか紹介します。

視覚過敏や聴覚過敏があり、周囲の動きや音が気になって集中できない

人の出入りが多い場所にデスクがある場合は、比較的静かな奥まった位置に変更してもらうという方法があります。他にも、デスクにパーテーションを設置したり、耳せんやイヤーマフなど目や耳から入る情報を減らすツールを使用させてもらう方法もあります。

あいまいな表現の理解が難しく、よく上司からの指示で行き違いが発生する

この場合は、上司に具体的に指示をしてもらうように頼む方法があります。他にも、口頭ではなくチャットやメールなど文章で指示をもらうようにすることで、あいまいさを減らして意味をつかみやすくする方法もあります。

 

自身でできる対策としては、メモ用紙にあらかじめ「いつまでに、いくつ、だれに」などの枠組みを作っておき、上司の指示を聞いただけでは埋められない項目があった場合は確認するようにするといった方法があります。

 

こういった環境調整を行うには、まずは自分自身の特性を把握することが大事です。同じような困りごとでも、背景にある特性が違う場合には、適切な環境調整も変わってくるためです。

 

そして、特性を把握したうえで、どのような環境調整が有効か考えて実行していきます。その際は、職場など周りの方の協力が不可欠なものも多くあると思います。そういったときは上司や人事、社内のメンタルヘルス窓口などに相談するといいでしょう。

 

特性の把握や環境調整を考えることが一人では難しいと感じる方は、次の章で紹介する支援制度や支援機関を頼ることも検討してみてください。

大人のASD(自閉スペクトラム症)の頼れる支援機関

ここでは、大人のASD(自閉スペクトラム症)のある方が活用することのできる支援制度や、相談することのできる支援機関を紹介します。

 

基本的に診断や障害者手帳がなくても相談することが可能なので、生活や仕事で悩みのある方は一度訪れてみると解決のためのヒントが得られるかもしれません。

障害者雇用

障害者雇用とは、障害のことを職場に伝えたうえで働く、障害のある方専用の働き方のことです。

 

障害者雇用で働くことで、障害の特性に応じた配慮などを受けることがしやすくなるというメリットがあります。

 

障害のある方への配慮を「合理的配慮」といい、障害のある方が希望したときに、職場は過度の負担とならない範囲で必要な措置を講じる義務があります。

 

先ほどの環境調整で挙げた例なども、障害者雇用で働くことで職場に相談しやすくなります。仕事で困っていることが多いという方は検討してみるといいでしょう。

 

ただ、障害者雇用で働くためには障害者手帳の取得が必要になります。障害者手帳にはいくつか種類があり、ASDなどの発達障害がある方は「精神障害者保健福祉手帳」が対象となります。また、知的障害を伴う場合には、「療育手帳」も対象となります。

 

障害者手帳を取得すると、障害者雇用求人に応募できるだけでなく、税金の控除や携帯電話の料金などの割引といったサービスを受けることも可能です。障害者手帳の取得を考えている方は、自治体の障害福祉窓口や主治医に相談してみるといいでしょう。

発達障害者支援センター

発達障害者支援センターとは、年齢を問わず発達障害のある方からの相談を受け付けている専門の機関です。本人だけでなく家族など周りの方からの相談も受け付けています。

 

発達障害者支援センターには発達障害による生活や仕事での困りごとを相談することができ、その方の状況に応じてアドバイスや適した支援機関の紹介などを行っています。

 

相談は診断や障害者手帳がなくてもできるため、「ASDかもしれない」と感じている段階の方も相談することができ、診断を行っている医療機関を教えてもらうこともできます。

ハローワーク

ハローワークは各地域に複数設置されており、求人の紹介や雇用保険の事務手続きなど仕事に関する様々な業務を担当している行政機関です。

 

ハローワークには障害のある方専用の相談窓口が設置されており、ASDなど発達障害のある方も相談することができます。

 

専用窓口に相談することで、障害について詳しい職員により、自己分析や各種セミナーの案内、求人の紹介、就職活動のサポートなどを受けることが可能です。また、仕事に関する他の支援機関の紹介を受けることもできます。

 

ハローワークによっては、発達障害のある方の専門的な知識を持った発達障害者雇用トータルサポーターと呼ばれる職員がいる場合もあります。ただ、すべてのハローワークにいるわけではないため、お近くのハローワークに問い合わせてみてください。

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、ASDなどの障害のある方の生活と仕事の両方のサポートをおこなっている支援機関です。NPO法人や社会福祉法人などが運営していて、地域に複数存在しています。

 

障害者就業・生活支援センターでは、障害のある方からの相談に対してアドバイスを行ったり、事業所内で仕事のスキル取得のための訓練を提供するなどのサポートを実施しています。

 

仕事だけでなく、生活においても困っていることがある場合に相談してみるといいでしょう。

自立訓練(生活訓練)

自立訓練(生活訓練)は、ASDなどの障害のある方を対象として、自立した生活が営めるように様々なサポートを提供している支援機関です。

 

自立訓練には生活訓練と機能訓練という種類があり、ASDなど発達障害のある方は基本的に生活訓練を利用しています。

 

サポート内容は自己分析、体調管理、金銭管理、コミュニケーションなど日常生活で必要なスキルを身につけるため、プログラムの提供や相談対応などを実施しています。

 

自立訓練(生活訓練)の利用には障害者手帳は必須ではなく、医師の意見書をもとに自治体に申請をすることで利用することも可能です。

 

自立訓練(生活訓練)事業所の「エンラボ カレッジ」では、ASDのある方への支援も数多く行ってきました。

 

エンラボ カレッジのプログラムは大きく8つに分かれていて、それぞれ知識などを学ぶ「座学」と、座学で学んだことをスタッフや他の利用者と一緒に試していく「実践」があります。この座学と実践を繰り返していくことで、日常生活で必要なスキルを身につけていきます。

 

プログラムは全員同じものに参加するのではなく、一人ひとりの話を伺い、困っていることや今後の希望に合わせて計画を立てたうえで取り組んでいきます。

 

また、生活に関する取り組みだけでなく、これから仕事をしていきたいという方には、職場でのコミュニケーションやスケジュール管理の方法など、働くためのネックとなっていることを解消するためのプログラムも提供しています。

 

エンラボ カレッジでは、いつでも無料の相談や体験を受け付けています。ASDのある方で「コミュニケーションにずれがある」「仕事でうまくいかないことが多い」「障害者手帳がないけど利用できる?」など、お悩みや疑問のある方は是非一度お問い合わせください。

大人のASD(自閉スペクトラム症)まとめ

ASD(自閉スペクトラム症)とは、対人関係やコミュニケーションの困難、興味の偏りや特定の物事への強いこだわり、感覚過敏などがあり、生活や仕事で困ることが多い発達障害のことです。

 

ASDは生まれつきの脳機能の偏りが関係し生じると考えられていますが、子どものころは他のことでカバーできていて本人も周りも気が付かず、大人になって仕事でつまずくことで初めて判明するということも珍しくありません。

 

大人のASDのある方は、生活や仕事で困ることが多いといわれていて、「あいまいな指示の理解が難しい」「対人関係をうまく築けない」「感覚過敏で集中できない」などがよく見られます。

 

こういった困りごとはASDの特性と周りの環境とのミスマッチにより生じるといわれています。そのため、まずは自身の特性を把握し、周りの環境を調整することで、困りごとを解消していくことが大切です

 

特性の把握や環境調整を実行するには一人では難しいと感じることも多いでしょう。そういったときは、病院を受診して検査を受けることや支援機関を活用することも検討してみるといいでしょう。

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