発達障害は遺伝する?原因と親や兄弟への影響をわかりやすく解説

更新日:2026/05/30

「発達障害は遺伝するのだろうか」「自分や配偶者の特性が、子どもや兄弟に影響しているのではないか」――そんな疑問を抱えて、このページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。

発達障害の原因については、遺伝的な要因が関与する可能性が高いことが複数の研究で示されています。一方で、「親の遺伝だけで決まる」と単純化できる現象ではなく、環境要因や脳の発達の過程など、複数の要素が重なり合って生じると考えられています。

この記事では、発達障害と遺伝に関する現在の研究知見を整理しながら、親・兄弟への影響、環境要因、相談先までを順を追って解説します。

結論:発達障害には遺伝的要因が関与するが、遺伝だけで決まるわけではない

第一に、発達障害(自閉スペクトラム症・ADHD・限局性学習症など)には、遺伝的な要因が関与する可能性が高いと、複数の研究で報告されています。

第二に、ただし「親が発達障害だから子も必ず発達障害になる」「兄弟のうち1人が発達障害だから他の兄弟も必ず該当する」と言えるほど単純な仕組みではありません。

第三に、遺伝的要因に加えて、胎児期や周産期の環境、出生後の脳の発達過程、養育環境などが複合的に作用していると考えられています。

ここから整理できるのは、発達障害は「親の育て方が悪かったから」「誰かの責任」と単純化できる現象ではないということです。

そのうえで、家族のなかに発達特性のある方が複数いるご家庭では、特性を理解し合いながら無理のない関わり方を一緒に組み立てていく姿勢が、生活の安定につながります。

発達障害と遺伝の関係|まず押さえておきたい基本

発達障害と遺伝の関係を考えるうえで、まず押さえておきたい基本的な前提を整理します。

発達障害とは何か

発達障害は、生まれつきの脳機能の発達の偏りによって、行動面や情緒面に特性が現れる障害の総称です。

発達障害者支援法では、「自閉スペクトラム症」「注意欠如・多動症(ADHD)」「限局性学習症(LD)」などが代表的な類型として整理されています。

「親の育て方」や「本人の努力不足」が原因で生じるものではなく、生まれつきの脳の発達特性によるものと考えられています。

発達障害の全体像については、発達障害とは|種類・特性・接し方もあわせてご覧ください。

「遺伝する」とはどういう意味か

「遺伝する」という言葉は、日常的には「親から子へ性質が受け継がれる」という意味で使われます。

医学・遺伝学の文脈では、もう少し丁寧に「遺伝的素因が関与する度合い(遺伝率)」「単一の遺伝子で説明できるか、複数の遺伝子が関わるか」「環境要因とどう相互作用するか」などに分けて議論されます。

発達障害の場合、「単一の遺伝子で発症が決まる病気」ではなく、「複数の遺伝的要因と環境要因が重なり合って特性が形作られる」と理解されています。

「親の責任」「育て方の問題」ではないという前提

歴史的には、自閉スペクトラム症が「親の関わり方の問題」とされた時代もありました。

しかし現在の研究では、自閉スペクトラム症やADHDの背景に「親の養育態度が原因」とする説は支持されておらず、生まれつきの脳機能の偏りが中心にあると整理されています。

「自分の関わり方が悪かったから子どもがこうなった」と自身を責めてしまうご家族もいらっしゃいますが、現在の知見では育て方が直接の原因とは考えられていません。

現在の研究で分かってきていること

発達障害と遺伝の関係について、現在の研究で報告されている主な内容を整理します。

双子研究で示される遺伝率の高さ

双子研究は、一卵性双生児(遺伝情報がほぼ同一)と二卵性双生児(遺伝情報の共有率はきょうだいと同等)を比較することで、特性のなかで遺伝的要因がどの程度関与しているかを推定する手法です。

自閉スペクトラム症やADHDを対象とした双子研究では、一卵性双生児で両方ともに該当する一致率が、二卵性双生児よりも明らかに高いことが繰り返し報告されています。

このことから、自閉スペクトラム症やADHDの背景には、強い遺伝的素因の関与があると推定されています。

ただし「一卵性双生児で必ず両方とも発達障害になる」わけではなく、遺伝情報がほぼ同じでも片方だけに特性が現れるケースもあるため、遺伝だけで決まる現象ではないと考えられています。

関連する遺伝子は1つではなく、多数の遺伝子が関与

近年のゲノム解析研究では、発達障害に関連する可能性のある遺伝子が多数報告されています。

ただし「この遺伝子があれば必ず発達障害」「この遺伝子だけが原因」と言えるような単一遺伝子は、現時点では見つかっていません。

数百〜数千の遺伝子の小さな影響が積み重なって、脳の発達に変化をもたらしていると考える「ポリジェニック(多因子)モデル」が、現在の研究の主流的な考え方です。

自閉スペクトラム症の遺伝的素因

自閉スペクトラム症は、双子研究をもとにした遺伝率の推定値が高い障害のひとつとして報告されています。

兄弟姉妹の研究では、自閉スペクトラム症のある子の兄弟姉妹に同じ診断がつく割合が、一般集団よりも高いことが示されています。

ただし「兄弟の何割が必ず発達障害になる」という数値を本記事で示すことは避けます。研究によって対象者や診断基準が異なり、推定値に幅があるためです。

自閉スペクトラム症そのものの整理は、自閉スペクトラム症(ASD)とは|特性・診断・支援もあわせてご覧ください。

ADHDの遺伝的素因

注意欠如・多動症(ADHD)も、双子研究をもとに遺伝率の高さが報告されている障害のひとつです。

家族内集積(同じ家族のなかに該当する方が複数いる)の傾向も報告されており、親がADHDの場合、子どもにも同様の特性が見られる頻度が一般集団より高いとされています。

一方で、「親がADHDなら子も必ずADHD」と言えるほど決定的ではなく、環境要因や本人の発達経過によって、特性の現れ方や生活上の困りごとは大きく変わってきます。

ADHDの整理は、ADHD(注意欠如・多動症)とは|特性・診断・対処法もあわせて参考にしてください。

限局性学習症(LD)と遺伝

限局性学習症(読み書き計算など、特定領域の学習の難しさが現れる障害)も、家族内集積の傾向が報告されています。

特に読み書きの困難(ディスレクシア)については、家族研究や双子研究で遺伝的素因の関与が示唆されています。

ただし、学習の困難は教育環境や読み書きを学ぶ時期の関わり方によっても影響を受けるため、遺伝的素因と環境要因の相互作用として理解することが大切です。

「遺伝率が高い」と「遺伝で決まる」は違う

ここまで紹介してきた研究結果は、いずれも「発達障害には遺伝的素因が関与する」ことを示すものです。

ただし「遺伝率が高い」ことと「遺伝で運命が決まる」ことは別の話です。

遺伝的素因があっても、環境要因や発達経過によって特性の現れ方は変わります。逆に、遺伝的素因が一般集団と変わらなくても、何らかの要因で発達特性が現れるケースもあります。

「家族に発達障害の方がいるから、自分や子どもも必ず該当する」と決めつけることはできず、個別の状態を専門医とともに丁寧に確認していく姿勢が必要です。

親に発達障害がある場合、子どもへの影響は

親に発達障害がある場合、子どもにどのような影響があるのかを気にされる方は多いです。

ご相談で多く聞かれるテーマを、3つの観点で整理します。

観点1|遺伝的素因が受け継がれる可能性

複数の研究で、親に発達障害がある場合、子どもにも同様の特性が現れる頻度が一般集団より高いと報告されています。

ただし「親が発達障害なら子も必ず発達障害」「親の特性がそのまま遺伝する」と言える単純な仕組みではありません。

複数の遺伝的要因と環境要因が重なって特性が形作られるため、親と子で特性の現れ方が異なるケースも多く見られます。

「親はADHDだったが、子は自閉スペクトラム症の特性が強い」「親に特性があっても、子には目立った特性が現れていない」など、家族のなかでの現れ方は多様です。

観点2|養育環境を通じた間接的な影響

親に発達障害がある場合、養育環境を通じた間接的な影響も考えられます。

たとえば、感覚過敏のある親が刺激の強い環境で疲れやすい状態が続くと、子どもとの関わりに余裕が持てない時期が生じることがあります。

また、ADHDの特性がある親が、家事や育児のスケジュール管理で困りやすい場合、家庭の生活リズムが安定しにくい時期が生じることもあります。

これらは「遺伝」ではなく「環境を通じた影響」であり、適切なサポート(家事支援・育児支援・福祉サービスの活用など)を組み合わせることで、緩和できる部分も少なくありません。

観点3|親自身が支援を受けることが、子どもへの最善の支援につながる

「自分の特性が子どもに影響しているのではないか」と感じる親御さんが、まず取り組めるのは、ご自身の特性理解と必要なサポートの受け取りです。

親自身が自分の特性を理解し、無理のない働き方・暮らし方を整えることで、結果的に子どもにとっても安定した関わりが可能になっていくケースが多く見られます。

エンラボカレッジの自立訓練(生活訓練)でも、お子さんがいる方が「自分の特性を整理して、子どもとの関わり方を見直したい」という目的で利用されるケースがあります。

「親自身が支援を受けること」は、子育てから手を離すことではなく、子どもとの関わりをより安定させていくためのステップとして位置づけられます。

兄弟姉妹への影響|「上の子が発達障害なら下の子も?」

「上の子が発達障害の診断を受けた。下の子も同じ可能性があるのか」というご相談も、よく聞かれます。

兄弟姉妹で特性が現れる頻度は一般集団より高い

複数の研究で、自閉スペクトラム症やADHDのある子の兄弟姉妹に、同様の特性が現れる頻度が一般集団より高いと報告されています。

これは、家族で共有する遺伝的素因や、家庭内の環境要因が関与していると考えられています。

ただし「兄弟の何割は必ず該当する」と決まった数値があるわけではなく、個別の状況によって大きく異なります。

「同じ特性」とは限らない

兄弟姉妹のなかで発達特性が現れる場合でも、その内容は一人ひとり異なります。

「兄が自閉スペクトラム症で、弟がADHD」「姉が学習面の困難、妹が対人面の困難」など、特性の現れ方は家庭のなかでも多様です。

「上の子と同じ対応をすれば下の子にも合う」とは限らず、それぞれの特性に合わせた関わり方を組み立てていくことが大切です。

兄弟姉妹それぞれの支援を分けて考える

兄弟姉妹のなかに発達障害のある方が複数いるご家庭では、それぞれの特性に合わせて支援を分けて考えることが重要です。

たとえば、感覚過敏が強い兄と、対人緊張が強い妹が一緒に暮らしている場合、刺激の量・人との関わり方・生活リズムなど、それぞれに必要な配慮が異なります。

家族全体で「みんなが無理なく過ごせる工夫」を見つけていく姿勢が、長期的な安定につながります。

兄弟姉妹のうち、診断を受けていない方への配慮

兄弟姉妹のうち1人が発達障害の診断を受けた場合、「他の子も同じ可能性がある」と感じて不安になるご家族もいらっしゃいます。

そのような場合は、まず主治医や地域の発達支援センター・児童相談所などに相談し、専門職とともに状況を整理することをおすすめします。

「すぐに診断を受けさせなければ」と急ぐ必要はなく、本人の発達経過を見ながら、必要に応じて専門機関とつながっていくのが現実的です。

環境要因の関与|遺伝だけでは説明できない部分

発達障害の背景には、遺伝的素因に加えて、環境要因の関与も指摘されています。

現在の研究で議論されている代表的な環境要因を整理します。

胎児期・周産期の要因

胎児期や周産期の環境要因として、低出生体重、早産、出生時の合併症などが、発達特性の現れやすさと関連すると報告されています。

ただし「これらの要因があれば必ず発達障害になる」「これらの要因がなければ発達障害にならない」と言えるものではありません。

複数の要因が重なって、結果として脳の発達に影響を及ぼすと考えられています。

養育環境と発達

養育環境(家庭の安定性・親子関係・教育環境など)は、発達障害の「原因」というより、「特性の現れ方」や「本人の困りごとの大きさ」に影響を及ぼす要因として整理されます。

つまり、遺伝的素因による特性そのものを養育環境で完全に変えることはできませんが、特性とどう付き合うか・どんな環境で過ごすかによって、本人の生活のしやすさは大きく変わります。

家庭・学校・地域が連携した安定した支援環境は、本人の自己肯定感や社会適応に大きく寄与すると考えられています。

「育て方」が原因ではない

繰り返しになりますが、自閉スペクトラム症やADHDの「原因」が親の育て方にあるという説は、現在の研究では支持されていません。

「自分の関わり方が悪かったから子どもがこうなった」と自分を責めてしまうご家族もいらっしゃいますが、現在の知見では育て方が直接の原因とは考えられていません。

そのうえで、「育て方が原因ではないが、関わり方を工夫することで本人の暮らしやすさは大きく変わる」という整理は、専門職の間でも共有されている見方です。

ワクチンと発達障害は関連しないとされる

「ワクチンが自閉スペクトラム症の原因」とする説が一時期広まりましたが、その後の大規模な疫学研究で関連は否定されており、現在の医学的なコンセンサスとして「ワクチンは自閉スペクトラム症の原因ではない」と整理されています。

世界保健機関(WHO)や日本の厚生労働省・小児科学会も、同様の見解を示しています。

「予防接種が原因ではないか」と心配される方もいらっしゃいますが、現在の科学的知見では関連は支持されていません。

遺伝検査・遺伝相談の現状

「発達障害の遺伝検査はあるのか」「妊娠前に検査で分かるのか」というご質問もよく寄せられます。

発達障害の発症を予測する遺伝検査は確立していない

現時点で、「将来発達障害になるかどうか」を予測できる遺伝検査は、医学的に確立されていません。

前述のとおり、発達障害には数百〜数千の遺伝子の小さな影響が積み重なって関与すると考えられており、単一の検査で「この子は発達障害になる」「ならない」と判別できる仕組みは存在しません。

民間サービスのなかには「発達障害の遺伝リスクが分かる」と謳う遺伝子検査キットも見られますが、現時点でこれらの結果は医学的に診断や予測の根拠となるものではないとされています。

一部の症候群では遺伝検査が行われるケースがある

ただし、知的障害や発達特性を伴う一部の症候群(脆弱X症候群・レット症候群など、特定の遺伝子変異が関わる疾患)では、遺伝学的検査が診断のために行われるケースがあります。

これらは、症状や家族歴をふまえて医師が必要と判断したときに、医療機関で実施される検査です。

「発達障害一般」を対象とした遺伝検査ではなく、「特定の遺伝性疾患の確定診断」のための検査として位置づけられています。

遺伝相談(遺伝カウンセリング)という選択肢

家族のなかに遺伝性疾患の方がいる場合や、次の子の妊娠・出産に向けて専門的な相談をしたい場合は、医療機関の「遺伝相談(遺伝カウンセリング)」を活用する選択肢があります。

遺伝カウンセリングでは、認定遺伝カウンセラーや臨床遺伝専門医が、家族歴や検査結果をもとに、現時点で分かっていること・分かっていないことを丁寧に説明します。

「決断を急かす」場ではなく、「情報を整理して、本人とご家族が納得して選べるようにする」場として機能しています。

民間の遺伝子検査キットの位置づけ

最近は、唾液などを送付するだけで利用できる民間の遺伝子検査キットが広く販売されています。

これらのキットで「発達障害のリスクが分かる」と表記される商品もありますが、現時点で医学的なコンセンサスとして発達障害の発症を予測できる検査は確立されていません。

「検査結果を見て不安になった」「結果をどう解釈すればよいか分からない」というご相談も増えており、結果の解釈には専門医や遺伝カウンセラーの関与が望ましいとされています。

不安や疑問を感じたときの相談先

「発達障害は遺伝するのか」「自分の特性が子どもに影響しているのではないか」と気になったときに、相談できる窓口を整理します。

相談先1|発達障害者支援センター

各都道府県・指定都市に設置されている、発達障害のある方とご家族の総合相談窓口です。

ご本人・ご家族からの相談を無料で受け付けており、医療・福祉・教育・就労にわたる情報提供と関係機関の紹介を行っています。

「どこに相談していいか分からない」「とにかく最初に話を聞いてほしい」というときに、最初の窓口として活用しやすい場所です。

相談先2|児童相談所・子育て世代包括支援センター

お子さんの発達に関する相談は、地域の児童相談所、子育て世代包括支援センター、保健センターなどでも受け付けています。

「乳幼児健診で発達面の指摘を受けた」「子どもの発達が気になる」というケースでは、これらの窓口が最初の入り口になることが多いです。

医療機関の紹介や、療育・保育所等訪問支援などの福祉サービスへの橋渡しも行っています。

相談先3|医療機関(小児科・児童精神科・精神科)

専門医による診察を希望される場合は、小児科・児童精神科・精神科などの医療機関に相談します。

発達障害の診断には、本人の発達経過、行動観察、心理検査、家族からの聞き取りなど、複数の情報を組み合わせて判断する必要があり、医師の専門的な判断が不可欠です。

「家族に発達障害の方がいるが、自分や子どもにも特性があるかもしれない」と感じる場合は、まず一度受診を検討してみることをおすすめします。

相談先4|地域の障害福祉サービス事業所

成人の発達障害のある方ご本人や、ご家族のサポートを求めるご家族には、地域の障害福祉サービス事業所(自立訓練・就労移行支援・相談支援事業所など)への相談という選択肢もあります。

特に「日中の活動の場が欲しい」「自分の特性を整理したい」「働き方を見直したい」というニーズには、自立訓練(生活訓練)や就労移行支援が役立つケースがあります。

エンラボカレッジの相談については、後ほどあらためてご案内します。

相談先5|家族会・自助グループ

同じような立場の家族同士が集まって情報共有や支え合いを行う「家族会」や「自助グループ」も、各地で活動しています。

「家族の体験を聞きたい」「同じ立場の方とつながりたい」という方に、心理的な支えとなる場所です。

地域の発達障害者支援センターや、社会福祉協議会、自治体の障害福祉課で、地域の家族会の情報を教えてもらえます。

エンラボカレッジでの「特性理解から始める」アプローチ

エンラボカレッジは、神奈川県・東京都・大阪府・宮崎県で自立訓練(生活訓練)と就労移行支援を運営している事業者です。

「発達障害は遺伝するのか」「自分の特性が家族に影響しているのか」と気になったときに、ご本人やご家族がどのような形で関わっていけるかを整理します。

自立訓練(生活訓練)でできること

エンラボカレッジの自立訓練(生活訓練)は、「働くこと」より前の段階として、「自分を理解し、生活する力・社会で生きる力を身につける」ことを目的とした障害福祉サービスです。

発達障害の診断のある方はもちろん、診断を受けていなくても「自分の特性を整理したい」「家族との関わりを見直したい」という方が利用されているケースもあります。

ステージ1〜4の4段階で、「自分を知る・学ぶ」→「学んだことができる」→「学びを応用できる」→「自信を持ち、次に進める」というカリキュラムを組み立てています。

8つのプログラムで「自分の取扱説明書」を作る

エンラボカレッジの自立訓練では、感情学/コミュニケーション/My Lab./アクティビティ/Life Lab./ソマティック Lab./Social Lab./スキルアップという8つのプログラムを組み合わせています。

なかでもMy Lab.は、利用される方が『自分/支え方マニュアル』という独自成果物を作る時間です。

「自分の特性は何か」「どんな配慮があれば過ごしやすいか」を言語化することで、家族・職場・支援者との関わりにも活かせるツールとなります。

家族と一緒に特性を整理したい方へ

「子どもに発達障害の診断がついたが、自分も似たような特性がある気がする」「家族のなかで同じような困りごとを抱えている」という方には、ご本人が自立訓練で自己理解を深めることが、家族全体のコミュニケーション改善につながるケースがあります。

利用者ご本人の整理が進むことで、ご家族との関わり方も自然と変化していき、家庭の空気が落ち着いてくる――そんな変化を、卒業生のご家族から聞かせていただくこともあります。

40代から自立訓練で働き方と暮らしを見直していった方のプロセスは、40代からの再スタート体験もあわせてご覧ください。

当てはまりにくい場面

エンラボカレッジは「生活する力・社会で生きる力を身につける」ことを中心とした事業所です。

そのため、「すぐに就職したい」「短期間で結果を出したい」というニーズには、就労移行支援のほうが目的に合うケースがあります。

また、お子さんに対する直接の療育や、医療的ケアが必要な方への対応は提供していません。お子さんの発達相談は、児童相談所・発達障害者支援センター・小児科などにご相談いただけますと幸いです。

よくある質問(FAQ)

発達障害は遺伝しますか?

発達障害には遺伝的要因が関与する可能性が高いと、複数の研究で報告されています。

ただし「親が発達障害なら子も必ず発達障害」と言えるほど単純ではなく、複数の遺伝的要因と環境要因が重なって特性が形作られると考えられています。

家族のなかに発達特性のある方がいる場合でも、お子さんに必ず同じ特性が現れるとは限りません。

親が発達障害だと、子どもにも遺伝する確率はどれくらいですか?

具体的な確率は、対象とする発達障害の種類・診断基準・研究対象によって推定値が大きく異なり、一律の数値を本記事で示すことは避けます。

家族歴をふまえた個別の見解が必要な場合は、児童精神科・小児科・遺伝相談などの専門医にご相談ください。

兄弟姉妹のうち、上の子が発達障害だと下の子もそうなりますか?

一般集団より高い頻度で兄弟姉妹に発達特性が現れる可能性が報告されています。

ただし「必ず該当する」とは言えず、現れ方も「上の子と同じ特性」とは限りません。

それぞれの発達経過を見ながら、必要に応じて専門機関に相談していくのが現実的です。

発達障害の原因は親の育て方ですか?

現在の研究では、自閉スペクトラム症やADHDの原因が「親の育て方」にあるという説は支持されていません。

生まれつきの脳機能の偏りが中心にあると考えられており、「育て方が悪かったから」と自身を責める必要はありません。

そのうえで、関わり方を工夫することで本人の暮らしやすさは大きく変わります。

発達障害を予測できる遺伝検査はありますか?

現時点で、発達障害の発症を予測できる遺伝検査は医学的に確立されていません。

民間の遺伝子検査キットで「発達障害のリスクが分かる」と表記される商品もありますが、結果は医学的に診断や予測の根拠となるものではないとされています。

家族歴をふまえた専門的な相談を希望される方は、医療機関の遺伝相談(遺伝カウンセリング)を検討してみてください。

ワクチンが発達障害の原因という話を聞いたことがありますが本当ですか?

「ワクチンが自閉スペクトラム症の原因」とする説は、その後の大規模な疫学研究で関連が否定されており、現在の医学的なコンセンサスとして関連はないと整理されています。

世界保健機関(WHO)や日本の厚生労働省・小児科学会も、同様の見解を示しています。

妊娠中の生活が発達障害の原因になることはありますか?

低出生体重・早産・出生時の合併症など、周産期の要因が発達特性の現れやすさと関連すると報告されています。

ただし「これらがあれば必ず発達障害になる」と言えるものではなく、複数の要因が重なって影響すると考えられています。

妊娠中の不安や疑問は、産科の主治医や保健センターに相談してみてください。

自分が発達障害かもしれないと感じたら、どこに相談すれば良いですか?

成人の発達障害に関する相談は、各都道府県・指定都市の発達障害者支援センター、精神科・心療内科、地域の障害福祉サービス事業所などで受け付けています。

「働き方や生活の悩みも含めて整理したい」という方には、自立訓練(生活訓練)や就労移行支援などのサービスも選択肢に入ってきます。

子どもの発達が気になります。どこに相談すれば良いですか?

お子さんの発達に関する相談は、地域の児童相談所、子育て世代包括支援センター、保健センター、小児科・児童精神科などで受け付けています。

乳幼児健診で発達面の話題が出た場合は、健診を担当する保健師さんに、その場で次の相談先を聞くのが一番スムーズです。

家族に発達障害の方がいることで、自分が結婚や出産をためらっています。

「家族に発達障害の方がいる」ことだけで、結婚や出産を諦めなければならない事情ではありません。

具体的な家族歴をふまえた相談は、医療機関の遺伝相談(遺伝カウンセリング)で、認定遺伝カウンセラーや臨床遺伝専門医が丁寧に状況を整理してくれます。

ご本人とご家族が納得して選択できるよう、専門職と一緒に情報を整理していくことをおすすめします。

まとめ

発達障害には遺伝的要因が関与する可能性が高いと、複数の研究で報告されています。

一方で、「親が発達障害なら子も必ず発達障害」「家族に発達障害の方がいるから自分も該当する」と単純化できる仕組みではなく、複数の遺伝的要因と環境要因が重なって特性が形作られると考えられています。

現時点で、発達障害の発症を予測できる遺伝検査は医学的に確立されておらず、家族歴をふまえた専門的な相談は医療機関の遺伝相談(遺伝カウンセリング)で受けることが推奨されます。

「発達障害は親の育て方が原因」とする説は現在の研究では支持されておらず、自分を責める必要はありません。

そのうえで、ご本人やご家族が特性を理解し合いながら、無理のない関わり方を一緒に組み立てていく姿勢が、長期的な安定につながります。

エンラボカレッジは自立訓練(生活訓練)と就労移行支援を運営する事業者として、「自分の特性を整理したい」「家族と一緒に関わり方を見直したい」というご相談を多く受けています。

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更新日:2026/05/30 公開日:2023/08/30

この記事について【作成・監修】

本記事は、自立訓練(生活訓練)事業所「エンラボカレッジ」を運営する株式会社エンラボの専門職スタッフが作成・監修しています。

【在籍資格】
精神保健福祉士・社会福祉士・臨床心理士・作業療法士・理学療法士

【現場での実践】
自立訓練(生活訓練)・就労移行支援などで、診断名・特性に合わせた個別支援を提供しています。

【運営会社】
株式会社エンラボ/設立2015年4月/神奈川県を中心に首都圏・関西・宮崎で11拠点運営

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