発達障害で仕事がうまくいかない|原因と対処法10選・続けるコツ
更新日:2026/05/31
「指示を一度で覚えられない」「ミスが続いて自信がなくなる」「同僚との会話がうまくいかず孤立してしまう」――そんな悩みを抱えて、このページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
発達障害があり仕事がうまくできないと感じる背景には、特性そのものよりも、特性と職場環境のミスマッチ・タスクの伝え方・対人関係の負荷といった「外側の条件」が絡んでいるケースが少なくありません。
この記事では、発達障害のある方が職場で抱えやすい困りごとを特性別に整理したうえで、原因5つ・対処法10選・相談先・休職や転職の判断軸まで、現場で支援にあたる専門職の視点でお伝えします。
結論:発達障害で仕事がうまくいかない要因は「特性×環境」の組み合わせ。対処法は10方向で軽減できる
最初に結論をお伝えします。
発達障害のある方が「仕事がうまくいかない」と感じる要因は、特性単独で決まるものではなく、特性と職場環境の組み合わせで生まれるケースが多いと整理されています。
注意のコントロール・対人コミュニケーション・感覚過敏・指示理解のスタイルといった特性のどの面が、いまの職場のどの場面で負担を生んでいるか――この組み合わせを言語化することが、対処の第一歩になります。
そのうえで、対処の方向は大きく10方向に整理できます。
タスクの可視化・指示の文書化・環境刺激の調整・対人接触の総量管理・配慮事項の整理・休憩リズムの設計・体調管理・相談先の確保・働き方の見直し・自己理解の深化――どれかひとつだけで解決するものではなく、複数の方向を組み合わせて軽減していく性質の課題です。
「自分の努力が足りない」「甘えているのではないか」と自分を責める前に、まずは特性と環境の組み合わせを整理してみてください。
そのうえで、いまの職場で続ける道・休職して整える道・転職する道のいずれを選ぶ場合でも、判断材料が見えやすくなります。
発達障害があり仕事がうまくいかないと感じる背景
「発達障害 仕事 うまくできない」「仕事ができない 発達障害」といったキーワードで検索される方の多くは、いまの職場での困りごとに直面しているはずです。
まず背景にある4つの構造から整理します。
背景1|「定型的な働き方」と特性のズレ
日本の多くの職場は、決まった時間に出勤し・複数のタスクを並行処理し・同僚と適度な雑談を交わしながら・暗黙のルールに沿って動くことが前提となっています。
この「定型的な働き方」は、注意のコントロール・対人面・感覚処理に特性がある方にとって、知らず知らずのうちに大きな負荷を生んでいることがあります。
「みんなができていることが、自分だけできない」と感じやすいのは、本人の能力の問題というよりも、定型的な働き方と特性の間にあるズレが見えていない状態だと整理できます。
背景2|「見えにくい困難」が周囲に伝わりにくい
発達障害のある方の困りごとは、身体障害のように外側から見えるものではありません。
「指示を一度で覚えられない」「電話と来客が重なるとパニックになる」「蛍光灯の音が気になって集中できない」――こうした内側の困りごとは、本人が言葉にしない限り、周囲に伝わりません。
結果として、「やる気がないのではないか」「努力が足りないのではないか」と誤解されるケースも少なくなく、本人の自己肯定感を下げる要因のひとつになっています。
背景3|自己理解と環境調整がセットになっていない
「自分はADHDの特性がある」「ASDの傾向がある」と理解していても、それをどう職場で活かし・どう環境を調整してもらうかまでは、自分一人で組み立てるのが難しい領域です。
特性の名前を知ることと、職場での具体的な工夫を組み立てることはセットで進める必要があり、片方だけだと現場の困りごとは減らないケースが多いとされています。
背景4|相談先と支援制度がつながっていない
職場の困りごとを相談できる窓口は、上司・産業医・主治医・地域の相談機関・障害者就業・生活支援センター・障害福祉サービスなど複数あります。
ただし、これらの窓口がどう役割分担しているかは分かりにくく、「どこに何を相談すればいいのか分からないまま、ひとりで抱え込んでしまう」状況に陥りやすい構造もあります。
この記事の後半では、相談先の役割整理もお伝えします。
発達障害そのものの整理は、大人の発達障害の特徴・困りごと・支援もあわせてご覧ください。
特性別の困りごと|ASD・ADHD・LDで現れやすい場面
発達障害は、ASD(自閉スペクトラム症)・ADHD(注意欠如・多動症)・LD(学習障害/限局性学習症)の3つに大別されることが多く、職場での困りごとも特性によって現れ方が異なります。
ご自身の特性に近い項目を中心に読み進めてください。
ASD(自閉スペクトラム症)の方の職場での困りごと
ASDの特性として、対人コミュニケーションの独自性・興味の偏り・感覚過敏・変化への適応の難しさが挙げられます。
職場での困りごととしては、次のような場面が語られることが多いとされています。
雑談や暗黙のルールが読み取りにくい:休憩中の雑談に何を返せばよいか分からない、「空気を読んで動く」場面でフリーズしてしまう、上司の遠回しな指示の意図がつかめない。
急な予定変更への対応が難しい:朝決まったスケジュールが昼に変わると、頭の切り替えに時間がかかる、想定外の業務が入ると焦りやミスが増える。
感覚過敏で疲労が大きくなる:蛍光灯の光・空調の音・人の話し声・においが気になり、業務そのものより環境への対応にエネルギーを使い切ってしまう。
興味の対象には深く集中できるが、それ以外は手が動かない:好きな業務には強い集中力を発揮できる一方、関心の薄い業務は後回しになりやすい。
ASD特性そのものについては、ASD(自閉スペクトラム症)の特徴・大人の困りごともあわせてご覧ください。
ADHD(注意欠如・多動症)の方の職場での困りごと
ADHDの特性として、注意のコントロール・衝動性・多動性(思考の多動を含む)が挙げられます。
職場での困りごととしては、次のような場面が代表的です。
タスクの抜け漏れが続く:メールの返信を忘れる、会議の出席を忘れる、締切を過ぎてから気づく、複数案件の優先順位がつけられず動けなくなる。
集中の波が大きい:興味のある業務には過集中で短時間に大きな成果を出せるが、その後の疲労が大きく次の日に響く、淡々と回す業務が続かない。
衝動的な発言・行動が出る:会議中に思いついた発言をしてしまう、上司への確認前に動いてしまう、「もう少し待てばよかった」と後から後悔する場面が増える。
長時間の着席や静かな環境がつらい:身体は静止していても頭の中が動き続けて疲労が蓄積する、図書館のような静かな環境では集中が逆に切れる。
ADHD特性そのものについては、ADHDの大人の特徴・困りごと・工夫もあわせてご覧ください。
LD(学習障害/限局性学習症)の方の職場での困りごと
LDの特性として、読み・書き・計算の特定領域に学習上の困難が現れることが挙げられます。
職場での困りごととしては、次のような場面が語られています。
書類の読み込みに時間がかかる:会議資料や仕様書を読み込むのに人より時間がかかる、長文のメールが届くと処理に時間を取られる。
手書きの書類作成が負担:申請書・報告書の手書き作成に時間がかかる、字形のバランスが取りにくい、書き間違いが多い。
数字の処理にミスが出やすい:伝票の金額入力・桁の確認・計算結果のチェックでミスが出やすく、自分でも見直しに気づきにくい。
音声指示の聞き取りが難しい:口頭での指示が一度で入りにくく、メモを取っても要点をつかみそこねる、複数のことを言われると混乱する。
LDは、読字・書字・算数のどの領域に特性が強く出るかで困りごとが変わるため、自分の特性を整理することが対処の起点になります。
「特性が重なって出る」ケースも多い
ASD・ADHD・LDは「どれかひとつ」と明確に区分される場合もあれば、複数の特性が重なって現れる場合もあります。
たとえば「ASDとADHDの両方の特性がある」「ASDの傾向に加えてLDの特性も出ている」というケースは珍しくありません。
自分の困りごとを整理する際に、特定の診断名にこだわりすぎず、「どの場面でどんな困りごとが出ているか」を場面別に書き出すほうが、対処につながりやすいとされています。
発達障害で仕事がうまくいかない原因5つ
困りごとの背景には、特性そのものだけでなく、それを増幅させる要因があります。
背景にある5つの原因を整理します。
原因1|業務内容と特性のミスマッチ
そもそもの業務内容が特性と相性のよくない方向に偏っているケースです。
たとえば、注意のコントロールに特性があるのに「常時マルチタスク」が前提の業務に就いている、対人接触が負担に感じやすいのに「常時電話対応」が中心の業務に就いている――こうしたミスマッチが続くと、本人の努力で挽回できる範囲を超えてしまいます。
業務そのものを変えなくても、担当範囲を一部入れ替えるだけで負荷が大きく減ることがあるため、「どの業務がとくに負担か」を整理することから始めてみてください。
原因2|指示の受け取り方と職場の伝え方のズレ
口頭で一度に複数の指示を受けると要点を取りこぼしやすい方、抽象的な指示よりも具体的な手順を示されたほうが動きやすい方は少なくありません。
ところが、職場の側は「口頭で要点だけ伝える」「相手が察してくれる前提で伝える」スタイルになっていることが多く、ここに大きなギャップが生まれます。
「指示は文書で受けたい」「最終ゴールと最初の一歩を明示してほしい」と伝えることで、ズレが大きく減るケースは多いとされています。
原因3|対人関係の疲労が業務エネルギーを奪っている
業務そのものより、職場での人間関係の調整に大きなエネルギーを使ってしまい、本来の業務に向けるエネルギーが残らないケースです。
同僚との雑談・上司への報告・電話対応・来客応対が積み重なると、終業時には頭が疲れ切ってしまい、翌日もそのまま疲労を持ち越す悪循環が生まれます。
対人接触の総量を意識的に減らす設計(在宅勤務日の確保・集中ブースの活用・休憩時間のひとり時間)が、業務継続の土台になります。
原因4|環境刺激と感覚過敏の負荷
オフィスの蛍光灯・空調の音・人の話し声・においなど、環境からの刺激量が多すぎて、業務に向けるエネルギーを環境への対応で使い切ってしまうケースです。
感覚過敏は本人にしか分からない部分が大きく、周囲には伝わりにくい困難のひとつです。
耳栓・ノイズキャンセリングイヤホン・ブルーライトカット眼鏡・席の配置変更といった小さな工夫の積み重ねで、環境負荷を軽減できる部分は多いとされています。
原因5|自己肯定感の低下と過剰適応
転職を繰り返している・ミスが続いて怒られる経験が重なっている・「自分はダメだ」と感じる場面が積み重なっていると、新しい業務に向き合うエネルギーそのものが奪われていきます。
さらに「迷惑をかけないように」と過剰適応で振る舞い続けると、表面上はうまくやれているように見えても、内側では疲労が限界に達しやすくなります。
過剰適応については、発達障害の方の自己肯定感の整え方もあわせてご覧ください。
「自分の特性を客観的に整理する時間」を意識的に持つことが、自己肯定感を立て直す出発点になります。
対処法10選|今日から取り入れられる工夫
原因の整理を踏まえて、職場で取り入れられる対処法を10個整理します。
すべてを一度に試す必要はなく、いまの状態に合いそうなものから2〜3個に絞って始めてみてください。
対処1|タスクを「外に出す」ことで頭の総量を減らす
頭の中で同時に走っているタスクを、紙やアプリに書き出して外側に置き直す方法です。
「いま頭の中にあるもの」を順番に書くだけでもよく、整理しようとせず流れるままに書き出すのがコツです。
書き終えると、頭の中の総量が減り、目の前のタスクに向き合いやすくなるケースが多いとされています。
対処2|指示を「文書で受け取る」習慣を作る
口頭での指示を受けるときに、「あとで確認したいので、ポイントだけメールやチャットで送ってもらえますか」と一言添える方法です。
最初は気を使うかもしれませんが、ミスや確認漏れを防ぐ目的で文書を依頼するのは、職場全体にとってもメリットのある提案です。
文書で受け取ることで、自分のペースで読み返せること・後で見返せること・優先順位を自分で組み立てやすいことが、業務継続を助けます。
対処3|タスクを「1つずつカード」にして並べ替える
複数のタスクが並行して走っている状態を、付箋やタスク管理アプリで「1タスク1カード」に分解する方法です。
カードを並べ替えるだけで「いま手をつけるのはどれか」が見えやすくなり、思考の渋滞を解消しやすくなります。
「今日やる」「今週中」「来週以降」の3列で並べるだけでも、判断の負荷が大きく下がります。
対処4|タイマーで「集中の枠」を作る
25分集中・5分休憩を繰り返すような時間で区切る方法です。
集中を完全にコントロールしようとせず、「いまから25分はこれだけ」と外側で枠を作ることで、結果的に集中の波が整いやすくなります。
時間配分はご自身のリズムに合わせて、15分集中・5分休憩、45分集中・10分休憩など、調整してみてください。
対処5|環境刺激を減らす工夫を物理的に取り入れる
外からの音・人の動き・光が集中の妨げになっている場合、耳栓やノイズキャンセリングイヤホン・ブルーライトカット眼鏡で物理的に刺激を減らす方法も有効とされています。
完全な無音より、ホワイトノイズや一定のリズムの音楽のほうが集中しやすい方もいるため、ご自身に合うパターンを探してみてください。
席の配置を、入り口から遠い・通行人の動きが視界に入らない位置に変えてもらうことも、一案です。
対処6|対人接触の総量を意識的に減らす設計
業務時間中の対人接触の総量を、意識的に減らす設計を考えてみてください。
在宅勤務日の確保・集中ブースの活用・休憩時間のひとり時間の確保・昼食を一人で取る時間の確保――こうした工夫で、対人疲労を軽減できるケースがあります。
「同僚と仲が悪い」のではなく、「対人接触の総量がご自身のキャパを超えている」という整理で受け止めると、対策が立てやすくなります。
対処7|配慮事項を文書化して上司に共有する
ご自身が抱えやすい困りごとと、そのときに必要な配慮を、1枚の文書にまとめておく方法です。
「集中しづらい状況」「情報共有のお願い」「ミスを防ぐための工夫」を箇条書きで整理しておくと、口頭で説明するよりも上司に認識してもらいやすく、配慮の継続性も上がります。
合理的配慮の依頼の進め方については、障害のある方の合理的配慮の進め方もあわせてご覧ください。
対処8|「報・連・相」をテンプレ化する
報告・連絡・相談を、毎回ゼロから考えるのではなく、テンプレートに沿って整理する方法です。
「①結論/②背景/③相談したいこと」のような型を用意しておくと、「何をどう伝えるか」で迷う時間が減らせます。
メール・チャット・口頭の報告それぞれにテンプレを用意しておくと、対人面の負荷が大きく下がります。
対処9|「動く日」と「整える日」をリズムとして組む
毎日同じ強度で動こうとせず、「今日は整える日」「今日は動く日」とゆるくテーマを決める方法です。
過集中の翌日は無理に大きなタスクを入れず、整える日として過ごす――こうしたメリハリが、長い目で見て働き続けることにつながりやすいとされています。
1週間の中に、整える日を最低1日確保する設計を意識してみてください。
対処10|「自分の取扱説明書」を作って言語化する
ご自身の特性・得意・不得意・調子を崩しやすい場面・安心できる関わり方を、文書にまとめておく方法です。
「自分は何が得意で、何が苦手で、どんな環境だと力を発揮しやすいか」を言語化することで、「自分はダメだ」から「自分にはこの環境・この仕事が合いやすい」へと、視点が切り替わりやすくなります。
この自己理解の言語化は、自立訓練(生活訓練)や就労移行支援などの障害福祉サービスでも、時間をかけて取り組まれている領域です。
仕事面の困りごと全般については、発達障害のある方の仕事の困りごとと工夫もあわせてご覧ください。
相談先の整理|誰に何を相談すればよいか
困りごとを抱えたときに、相談先がいくつかある一方で、「どこに何を相談すればよいか」が分かりにくい構造があります。
代表的な相談先の役割を、4つに整理します。
相談先1|職場(上司・産業医・人事)
職場の中で最初に相談しやすい相手は、直属の上司です。
「業務量の調整」「指示の伝え方」「席の配置」など、職場内で完結する調整は、上司との話し合いが起点になります。
職場の規模によっては、産業医・産業保健師・人事担当者が配置されている場合があり、健康面・働き方の調整を一緒に整理してもらえます。
「上司には言いにくい」内容は、産業医や人事担当者を窓口として活用するのも一案です。
相談先2|医療機関(精神科・心療内科)
発達障害の診断や治療の判断は、医師が行うものです。
「仕事に大きな影響が出ている」「眠れない日が続いている」「自分を責める気持ちが強くなっている」――こうしたサインが続く場合、精神科・心療内科への相談を検討するタイミングだと考えられています。
医療機関では、症状の整理・診断の検討・薬物療法・心理療法など、複数のアプローチが用意されています。
相談先3|地域の就労支援機関
ハローワークには、障害のある方の専門窓口(専門援助部門)があり、職業相談・職業紹介・職業訓練の案内などを受けられます。
地域には、障害者就業・生活支援センター(通称:なかぽつ)が設置されており、就労面と生活面を一体的に支援する役割を担っています。
「いまの仕事の悩みを誰かに相談したい」「次の仕事の方向性を一緒に考えてほしい」というニーズには、これらの就労支援機関が一次窓口として機能します。
相談先4|障害福祉サービス(自立訓練・就労移行支援)
障害福祉サービスは、生活面・対人面・働き方の整理を中心に時間を使えるサービスです。
自立訓練(生活訓練)は、生活リズム・対人スキル・自己理解・体調コントロールに集中的に時間を使えるサービスで、「働く前にまず土台を整えたい」「自分の特性をもう少し理解してから次を考えたい」という方に活用されています。
就労移行支援は、原則2年以内に一般就労を目指す訓練のサービスで、職業訓練・職場見学・求職活動・職場定着支援などが含まれます。
どちらも障害者手帳がなくても、医師の意見書などをもとに自治体の判断で利用できるケースがあります。
相談先全般については、大人の発達障害の相談先・支援機関の紹介もあわせてご覧ください。
休職・転職の判断軸|「変える前」に確認すること
「仕事がうまくいかない」と感じたとき、休職や転職を選択肢として考える方も少なくありません。
ただし、衝動的に決めると後から「もう少し違う動き方ができたかも」と振り返ることが少なくないため、判断の前に整理しておきたい視点を3つお伝えします。
視点1|「いまの仕事の何が続かないのか」を分解する
「仕事がうまくいかない」とひとことで表現しても、その中身はさまざまです。
業務内容そのものが合わないのか・対人関係が負担なのか・労働時間や勤務形態が合わないのか・通勤負荷が大きいのか・体調の波と勤務が合っていないのか――どこに主因があるかで、打つ手は変わります。
ノートやメモアプリに、「うまくいかない要因」を箇条書きで書き出してみてください。
要因が見えてくると、休職・転職以外の選択肢(業務調整・部署異動・勤務形態変更・配慮事項の追加)が選びやすくなります。
視点2|「次の職場で繰り返さないため」の準備
転職を選ぶ場合も、いまの職場で続かなかった要因を整理しておかないと、次の職場でも同じ理由で繰り返されるリスクがあります。
「対人疲労が主因なら、次は対人接触の少ない仕事を選ぶ」「環境刺激が主因なら、次は静かな環境の仕事を選ぶ」「業務内容のミスマッチなら、次は興味と一致する仕事を選ぶ」――要因と打ち手をセットで言語化しておくことが、次の仕事の継続性を高める準備になります。
転職活動の進め方については、発達障害のある方の転職・進め方もあわせてご覧ください。
視点3|休職を選ぶ場合の整え方
体調が大きく崩れている場合は、まず休職を選択肢に入れて、整える時間を確保することが優先になります。
休職の手続きは、職場の人事担当者・産業医・主治医と相談しながら進めます。
休職中は、生活リズムを整えること・体調を回復させること・自己理解を深めることに時間を使えると、復職や転職の判断材料が見えやすくなります。
休職中に自立訓練(生活訓練)を利用して、復職や次のステップに向けた準備を進める方もいらっしゃいます。
復職の進め方については、発達障害のある方の復職・リワークもあわせて参考にしてください。
衝動的に退職してしまうと、次の仕事を探す段階で心身ともに余裕がなくなりやすいため、退職を考えるタイミングでこそ、主治医・家族・地域の相談機関に相談しておくことをおすすめします。
エンラボカレッジの「働き方の土台作り」アプローチ
エンラボカレッジは、神奈川県・東京都・大阪府・宮崎県で自立訓練(生活訓練)と就労移行支援を運営している事業者です。
発達障害のある方からは、「いまの仕事がうまくいかないので、一度立ち止まって自分の特性を整理したい」「次の仕事に進む前に、働き方の土台を整えたい」というご相談を多くいただきます。
その経験から、エンラボカレッジでどんなアプローチを行っているかをお伝えします。
My Lab.|『自分/支え方マニュアル』を作る
My Lab.(マイラボ)は、エンラボカレッジ独自の自己理解プログラムです。
ご自身の特性・得意・不得意・調子を崩しやすい場面・安心できる関わり方を整理し、『自分/支え方マニュアル』というかたちで言語化していきます。
「発達障害の自分は、どんな環境だと力を発揮しやすいか」「どんな配慮があれば、長く働き続けられるか」――こうした問いに、スタッフと一緒に丁寧に向き合っていく時間です。
マニュアルは卒業後も、職場での合理的配慮の依頼・転職活動・職場定着の場面で使える「自分の取扱説明書」になります。
感情学|頭の中の感情を言葉にする時間
感情学プログラムでは、頭の中で立ち上がっている感情を、ひとつずつ言葉にする練習を重ねていきます。
「いま焦りが出ている」「いま不安が出ている」「いま自分を責めている」――こうした言葉にする作業を、スタッフと一緒に積み上げていく時間です。
仕事の場面での感情の波を整える土台として、発達障害のある方からよく語られるプログラムのひとつです。
コミュニケーション・Social Lab.|対人面の工夫を実践する
コミュニケーションプログラムでは、伝え方や聞き方をはじめとした、職場や生活の場面で「人と円滑に心地よく付き合う」コツを学びます。
Social Lab.では、イベントの企画・運営やゲーム・テーマトークなどを通して、集団の中での過ごし方や人付き合いの楽しみ方を実践していきます。
「雑談が苦手」「報告のタイミングがつかめない」といった対人面の困りごとに、座学と実践の両面から取り組める設計です。
スキルアップ|働く目的と心構えを整える
スキルアッププログラムでは、働く目的や心構えのほか、スキルチェックを通して業種の向き・不向きを調べていきます。
就職活動や職場定着に必要なスキルを、自分のペースで身につける時間として活用していただいています。
「これまでなんとなく仕事を選んできた」「自分に何が向いているのか分からない」という方が、自己理解と並行して職業面の整理を進めるための時間です。
スタッフとの個別面談
プログラムと並行して、定期的にスタッフとの個別面談の時間を設けています。
仕事の悩み・生活の様子・困りごと・取り組みたいことを一緒に整理し、3ヶ月ごとに個別支援計画を更新していきます。
「働き方を一緒に考えてくれる相手がほしい」「自分一人で抱え込まずに整理したい」という方にとって、定期的な面談が安心材料になるケースは多いとされています。
中盤CTA|無料見学・相談のご案内
「いまの仕事がうまくいかないので、一度立ち止まって整理したい」と感じた方は、エンラボカレッジの無料見学・相談をご利用ください。
横浜・横浜関内・センター南・相模大野・藤沢・川崎・蒲田・府中・なんば・大阪梅田・宮崎の各事業所で、見学・相談を随時受け付けています。
いきなり利用を決める必要はなく、まず話を聞いてみる、雰囲気を見てみるところから始めていただけます。
40代から自立訓練で働き方を見直していった方のプロセスは、40代からの再スタート体験もあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
発達障害があると仕事はうまくできないのですか?
「うまくできない」と一律に断定されるものではありません。
特性のどの面が、いまの職場のどの場面で負担を生んでいるかで、現れ方は大きく変わります。
業務内容・指示の伝え方・対人接触の総量・環境刺激といった「外側の条件」を調整することで、いまの仕事を続けられているケースは少なくありません。
発達障害で仕事が続かないのは甘えですか?
甘えではありません。
発達障害のある方の「続かなさ」の多くは、注意のコントロール・対人コミュニケーション・感覚過敏といった特性に伴う状態の現れだと整理されています。
性格や努力の問題ではなく、特性と環境の組み合わせの問題として捉えることで、対策が見えやすくなります。
職場に発達障害を伝えるべきでしょうか?
これは個別の状況によって判断が分かれる問いです。
伝えることで合理的配慮を受けやすくなるメリットがある一方、職場の理解度や関係性によっては、伝え方の工夫が必要になる場面もあります。
主治医・支援者・産業医など、複数の相談先と整理しながら、伝える範囲とタイミングを判断していくのが現実的です。
障害者雇用枠で働くべきか、一般枠で働くべきか迷っています。
これも個別の状況によって判断が分かれる問いです。
障害者雇用枠は、配慮を受けながら働けるメリットがある一方、選べる職種や給与水準が限定されるケースもあります。
一般枠は、職種や給与の選択肢が広い一方、配慮を受けにくい場面もあります。
主治医・支援者・転職エージェントなど、複数の相談先と整理しながら、ご自身のいまの体力・希望・経済状況・配慮ニーズのバランスで判断していくのが現実的です。
障害者手帳がなくても発達障害で支援を受けられますか?
障害者手帳がなくても、医師の意見書や自立支援医療の受給者証をもとに、障害福祉サービス(自立訓練・就労移行支援等)を利用できるケースがあります。
詳しくは、お住まいの市区町村の障害福祉課にご相談ください。
発達障害で仕事を辞めたいときは、すぐ辞めても良いですか?
体調が大きく崩れているなど、緊急性の高い場合は別ですが、衝動的に辞めるのは可能な限り避けたい判断です。
まずは主治医・家族・地域の相談機関・障害者就業・生活支援センターなどに相談したうえで、休職・短時間勤務・部署異動・福祉サービスの活用など、退職以外の選択肢も視野に入れて整理してみてください。
自立訓練で仕事の困りごとは整えられますか?
自立訓練(生活訓練)は、生活・対人・自己理解を中心に時間を使える障害福祉サービスです。
「働く前に、まず自分の特性と働き方の土台を整えたい」というニーズに合った選択肢のひとつとして活用されています。
エンラボカレッジでは、My Lab.・感情学・コミュニケーション・スキルアップなどのプログラムを通じて、発達障害のある方の働き方の土台作りを一緒に進めています。
復職と転職、どちらを選ぶか迷っています。
復職と転職のどちらを選ぶかは、いまの体調・職場の状況・働き方の希望によって判断が分かれます。
復職を選ぶ場合は、休職中に体調を整え、復帰後の働き方の調整を職場と話し合うプロセスが必要になります。
転職を選ぶ場合は、いまの職場でうまくいかなかった要因を言語化し、次の職場で繰り返さないための準備が必要になります。
どちらの場合も、主治医・支援者・地域の相談機関と一緒に整理することをおすすめします。
まとめ
発達障害があり仕事がうまくいかないと感じる背景には、特性そのものよりも、特性と職場環境の組み合わせが絡んでいるケースが少なくありません。
ASD・ADHD・LDの特性によって、職場での困りごとの現れ方は異なりますが、共通するのは「外側からは見えにくい困難」が周囲に伝わりにくい構造です。
原因は、業務内容と特性のミスマッチ・指示の受け取り方と職場の伝え方のズレ・対人関係の疲労・環境刺激の負荷・自己肯定感の低下と過剰適応――この5方向で整理できます。
対処法は、タスクの可視化・指示の文書化・環境刺激の調整・対人接触の総量管理・配慮事項の整理・休憩リズムの設計・体調管理・相談先の確保・働き方の見直し・自己理解の深化の10方向で軽減していけます。
「仕事がうまくいかない」と感じたとき、すぐに休職や転職を判断するのではなく、要因を分解し、相談先を確保したうえで動くほうが、結果的に良い選択につながりやすいとされています。
エンラボカレッジでは、横浜・相模大野・川崎・蒲田・府中・大阪・宮崎の各事業所で、自立訓練(生活訓練)の無料見学・相談を随時受け付けています。
「いまの仕事がうまくいかないので、一度立ち止まって整理したい」「次の仕事に進む前に、働き方の土台を整えたい」と感じた方は、まずはお気軽にお問い合わせください。
焦って決める必要はありません。情報を整理して、ご自身のペースで動き出していきましょう。
ご相談・無料見学のご案内
エンラボカレッジでは、発達障害のある方の自立訓練(生活訓練)を提供しています。
「自分に合う働き方を、一緒に整理してほしい」「働き方の土台を整えたい」――そんな方は、まずは無料の見学・相談からご利用ください。
エンラボカレッジ 横浜/エンラボカレッジ 相模大野/エンラボカレッジ 川崎/エンラボカレッジ 蒲田/エンラボカレッジ 府中/エンラボカレッジ なんば/エンラボカレッジ 大阪梅田/エンラボカレッジ 宮崎
オンライン相談も対応していますので、お住まいの地域や状況に合わせてお選びいただけます。
ご相談・お問い合わせは、エンラボカレッジ公式サイト、またはお電話(050-5538-0786/平日10:00-18:00)からお気軽にどうぞ。
関連記事
この記事について【作成・監修】
本記事は、自立訓練(生活訓練)事業所「エンラボカレッジ」を運営する株式会社エンラボの専門職チームが作成・監修しています。
【在籍資格】
精神保健福祉士・社会福祉士・臨床心理士・作業療法士・理学療法士
【現場での実践】
自立訓練(生活訓練)・就労移行支援などで、ASD・ADHD・LDなど発達障害のある方の個別支援を提供しています。
【運営会社】
株式会社エンラボ/設立2015年4月/神奈川県を中心に首都圏・関西・宮崎で11拠点運営




