発達障害グレーゾーンと障害者手帳|申請条件と取れない場合の支援
更新日:2026/05/30
「グレーゾーンと言われているけれど、障害者手帳はもらえるのだろうか」「取れなかった場合に活用できる支援は何があるのか」――そんな疑問でこのページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
発達障害のグレーゾーンは、ASD・ADHD・LDなどの特性が一定程度みられるものの、医師の診断基準を完全には満たさない状態を指す通称です。手帳の対象となるかは、診断書の内容と生活への影響度をもとに自治体が総合的に判断します。
本記事では、3種類の手帳とグレーゾーンの関係、申請条件、もらえないケースの理由、手帳がない場合の支援制度までを順に整理します。
結論:グレーゾーンの方の障害者手帳は「診断書の内容次第で取得可能」
第一に、障害者手帳には精神障害者保健福祉手帳・療育手帳・身体障害者手帳の3種類があり、発達障害のグレーゾーンの方が対象となり得るのは原則として精神障害者保健福祉手帳です。
第二に、手帳の取得可否は「グレーゾーンかどうか」ではなく、診断書に記載される発達障害の診断名と、日常生活・社会生活への影響度を踏まえて自治体が判定します。診断書で発達障害の診断名が明示される場合は、グレーゾーンと説明されていても申請対象となり得ます。
第三に、診断書で発達障害の診断名がつかない/生活への影響が軽度と評価される場合などは、手帳が交付されないケースもあります。その場合でも、自立支援医療(精神通院医療)や障害福祉サービス受給者証など、手帳がなくても利用できる支援制度が複数あります。
整理すると、グレーゾーンの方にとっての出発点は「主治医に手帳取得の希望を率直に伝え、診断書に何が記載されるかを確認する」ことです。そのうえで、手帳の有無に関わらず、自立支援医療・障害福祉サービス・公的相談窓口など、利用できる選択肢を並行して検討する流れが現実的です。
本記事では「グレーゾーンと手帳の関係」「3種類の手帳の仕組み」「申請条件と手続き」「もらえないケースの背景」「手帳がない場合の支援」までを、順を追って整理していきます。
発達障害グレーゾーンと障害者手帳の関係
最初に、グレーゾーンという言葉と手帳制度の関係を整理しておきます。
グレーゾーンは医学的な診断名ではない
発達障害は、ASD(自閉スペクトラム症)・ADHD(注意欠如・多動症)・LD(学習障害)などの総称で、米国精神医学会のDSM-5や世界保健機関のICD-11といった国際的な診断基準に基づいて医師が診断する仕組みです。
「グレーゾーン」は、これらの診断基準を完全には満たさないものの、特性が一定程度みられて日常生活に影響が出ている状態を指す通称として広まりました。正式な医学用語としては「閾値下」「準臨床的(subclinical)」などと表現される場合があります。
医師から「グレーゾーンですね」と説明された方の中には、診断書を発行してもらう際に「発達障害の傾向あり」「ASD疑い」といった表現が使われるケース、診断名そのものが付されるケース、診断名はつかず特性のみが記載されるケースなど、さまざまなパターンがあります。
グレーゾーンの基礎的な理解については、発達障害グレーゾーンの大人|特徴10例・仕事の悩み・相談先で詳しく整理しています。
手帳取得可否は診断書の内容と生活への影響で判定される
障害者手帳の交付可否は、「グレーゾーンか診断確定か」という言葉の違いではなく、診断書に記載された内容と、日常生活・社会生活への影響度を自治体が総合的に評価して決まる仕組みです。
精神障害者保健福祉手帳の場合、申請書類とともに提出する診断書には、医師が記入する「精神障害の状態・程度・日常生活能力の判定」の欄があります。この記載内容が手帳の等級判定の中心的な材料となります。
「グレーゾーンと言われている」状態でも、診断書で発達障害の診断名が付され、生活への影響が一定以上と評価される場合には、手帳の交付対象となり得ます。
逆に、診断書で発達障害の診断名が確定されていない/生活への影響が軽度と評価される場合は、手帳が交付されないケースもあります。
手帳取得の意義と任意性
障害者手帳の取得は本人の任意であり、必須ではありません。
取得することで得られる主な制度的メリットとしては、障害者雇用枠での就職活動の選択肢、医療費助成・税の控除、公共交通機関の割引、自治体独自の各種サービスなどがあります。
一方、手帳取得をためらう理由として、「家族や職場に知られたくない」「自分の状態を“障害”と位置づけることへの抵抗」といった心理的な要素が語られる場合もあります。
「取るか取らないか」を即断する必要はなく、主治医・家族・支援者と相談しながら、自分にとってのメリット・デメリットを整理する時間を取ることが、後悔の少ない選択につながりやすい領域です。
障害者手帳の3種類|精神・療育・身体
障害者手帳には精神障害者保健福祉手帳・療育手帳・身体障害者手帳の3種類があり、それぞれ対象と等級の仕組みが異なります。
精神障害者保健福祉手帳
精神障害者保健福祉手帳は、精神疾患や発達障害がある方を対象とする手帳で、根拠法は「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」(精神保健福祉法)です。
対象となる精神疾患には、統合失調症・気分障害(うつ病・双極性障害)・てんかん・薬物依存症・高次脳機能障害・発達障害(ASD・ADHD・LDなど)・その他の精神疾患が含まれます。
等級は1級から3級までの3段階で、日常生活への影響度に応じて判定されます。1級は「日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの」、2級は「日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」、3級は「日常生活もしくは社会生活が制限を受けるか、または日常生活もしくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの」と定義されています。
発達障害のグレーゾーンの方が手帳の対象となる場合、その多くは精神障害者保健福祉手帳に該当します。
有効期限は2年で、2年ごとに更新申請を行う仕組みです。
療育手帳
療育手帳は、知的障害のある方を対象とする手帳で、児童相談所または知的障害者更生相談所での判定をもとに交付されます。
根拠は厚生労働省の通知(療育手帳制度の実施について)で、自治体ごとの運用となっているため、名称(東京都は「愛の手帳」、横浜市・名古屋市は「愛護手帳」など)や等級区分が地域により異なります。
判定基準は知能検査(IQ)と日常生活能力を組み合わせて行われ、概ねIQ75以下を目安とする自治体が多いとされていますが、地域により基準が異なります。
発達障害のみで知的障害がない方は、原則として療育手帳の対象にはなりません。ただし、発達障害と知的障害を併存する方は、療育手帳と精神障害者保健福祉手帳の両方の対象になり得ます。
療育手帳の更新は、自治体・等級・年齢により異なります。
身体障害者手帳
身体障害者手帳は、身体に一定以上の障害がある方を対象とする手帳で、根拠法は身体障害者福祉法です。
対象となる身体障害は、視覚障害・聴覚障害・平衡機能障害・音声機能障害・言語機能障害・そしゃく機能障害・肢体不自由・心臓機能障害・じん臓機能障害・呼吸器機能障害・ぼうこうまたは直腸機能障害・小腸機能障害・ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害・肝臓機能障害の14区分です。
等級は1級から6級の6段階(一部の障害は7級まで)で、医師の診断書をもとに判定されます。
発達障害の特性そのものは身体障害者手帳の対象には含まれませんが、てんかんによる発作などの身体症状が併存する場合、別途の判定対象となる可能性があります。
3種類の手帳の比較表
| 項目 | 精神障害者保健福祉手帳 | 療育手帳 | 身体障害者手帳 |
|---|---|---|---|
| 対象 | 精神疾患・発達障害 | 知的障害 | 身体障害 |
| 等級 | 1〜3級 | 自治体により異なる | 1〜6級(一部7級) |
| 判定機関 | 都道府県知事・指定都市市長 | 児童相談所・知的障害者更生相談所 | 都道府県知事・指定都市市長 |
| 有効期限 | 2年(更新制) | 自治体により異なる | 原則なし(再認定あり) |
| 根拠 | 精神保健福祉法 | 厚生労働省通知 | 身体障害者福祉法 |
| 発達障害グレーゾーンの方 | 診断書の内容次第で対象 | 知的障害併存時のみ対象 | 身体合併症がある場合に対象 |
申請条件と手続きの流れ
発達障害グレーゾーンの方が主に対象となり得るのは精神障害者保健福祉手帳のため、その申請条件と手続きを整理します。
申請条件
精神障害者保健福祉手帳の申請にあたっては、次の条件を満たす必要があります。
条件1:精神疾患(発達障害を含む)と診断され、初診から6か月以上経過していること。
「初診から6か月」は、症状が一過性のものではなく一定期間継続していることを確認するための要件です。
条件2:日常生活・社会生活に一定以上の制限があること。
これは診断書の中で医師が判定する項目で、「適切な食事摂取」「身辺の清潔保持」「金銭管理と買い物」「通院と服薬」「他人との意思伝達と対人関係」「身辺の安全保持・危機対応」「社会的手続きや公共施設の利用」「趣味・娯楽への関心・文化的社会的活動への参加」の8項目について評価されます。
条件3:日本国内に居住していること。
外国籍の方も、日本国内に住所がある場合は申請対象となります。
必要書類
申請に必要な主な書類は次のとおりです。
- 申請書(市区町村の障害福祉課で入手)
- 診断書(精神保健指定医または精神科医療に従事する医師が作成、所定の様式)
- 本人の写真(縦4cm×横3cm程度、自治体により規定あり)
- マイナンバーが確認できる書類
- 申請者の本人確認書類
診断書は「初診日から6か月以上経過した時点での症状」をもとに作成されたものが必要で、医療機関での記入には数週間〜1か月程度の期間を要するケースが一般的です。
すでに障害年金を受給している方の場合、年金証書の写しで診断書に代えられる仕組みもあるため、市区町村窓口で確認することをおすすめします。
手続きの流れ(5ステップ)
精神障害者保健福祉手帳の取得までの流れを、5ステップで整理します。
ステップ1|主治医への相談
手帳取得を希望することを主治医に伝え、診断書の作成を依頼します。
「グレーゾーンと言われているが手帳を申請してよいか」「診断書には何が書かれるか」を率直に聞くと、その後の見通しが立てやすくなります。
診断書作成には費用がかかり、自治体によっては助成があるケースもあります。
ステップ2|書類の準備
市区町村の障害福祉課で申請書を入手し、診断書・写真・マイナンバー確認書類・本人確認書類などをそろえます。
ステップ3|申請
書類が揃ったら、市区町村の障害福祉課に申請します。本人が窓口に行けない場合は、家族や支援者が代理で申請できる自治体もあります。
ステップ4|判定・交付
申請後、都道府県・指定都市の精神保健福祉センター等で書類審査が行われ、等級が決定します。
申請から交付までは、自治体によりますが概ね1〜3か月程度を要するケースが多いとされています。
ステップ5|手帳の受け取り
判定が下りたら、市区町村の窓口で手帳を受け取ります。等級・有効期限が記載されており、有効期限の3か月前から更新申請が可能です。
申請にかかる費用と相談先
申請そのものの手数料はかかりませんが、診断書作成費用(数千円〜1万円程度、医療機関により異なる)が発生します。
自治体によっては診断書料の助成制度が用意されているケースもあり、申請前に窓口で確認することをおすすめします。
手続きの過程で不明点がある場合は、市区町村の障害福祉課のほか、発達障害者支援センター、保健所などの公的相談窓口も活用できます。
発達障害者支援センターの活用法は、発達障害者支援センター 完全ガイド|役割と相談方法で詳しく整理しています。
もらえないケースと理由
「グレーゾーンだと手帳は取れないのか」「申請しても通らなかったらどうなるのか」と気になる方も多いはずです。
申請しても交付されないケース、もしくは申請段階で対象外と判断されるケースの主な理由を整理します。
理由1|診断書に発達障害の診断名が記載されない
主治医が「グレーゾーン」「傾向あり」とは説明していても、診断書の正式な様式に発達障害の診断名が記載されない場合、手帳の対象から外れるケースがあります。
医師の判断としては、「DSM-5の項目数を完全には満たさない」「現時点では確定診断を控えたい」といった事情が背景にある場合があります。
このパターンでは、診断書の作成依頼をする前に、主治医と「手帳取得を希望しているが、診断書には何が書かれるか」「いま診断書を書くタイミングとして適切か」を率直に話し合うことが起点となります。
理由2|初診から6か月が経過していない
精神障害者保健福祉手帳の申請には「初診から6か月以上経過していること」という要件があります。
「最近受診を始めたばかり」という方は、まず6か月の通院期間を経たのちに申請する流れとなります。
待機期間中は、自立支援医療(精神通院医療)の申請や、医療機関での治療・特性整理に時間を使うことができます。
理由3|日常生活への影響が軽度と評価された
診断書の8項目の判定で、生活への影響が軽度と評価された場合、手帳の交付対象とならないか、3級判定にも届かないケースがあります。
「自分は困っているのに、医師から見ると軽度と判断された」という葛藤を感じる方もいらっしゃいます。
判定結果に納得がいかない場合、自治体によっては不服申立ての仕組みがあるほか、別の医療機関でセカンドオピニオンを取って再申請する選択肢もあります。
理由4|診断名が発達障害以外の領域に整理された
「発達障害グレーゾーン」と思っていた方の状態が、医師の評価では別の疾患(不安障害・うつ病・適応障害など)として整理されるケースもあります。
この場合でも、整理された診断名で手帳の申請対象となる可能性は残されており、診断書の内容により判定されます。
理由5|本人が「申請しない」を選んだ場合
手帳の取得は任意であるため、本人が申請を希望しない場合は、当然ながら交付されません。
「いまの段階では取得しない」「もう少し医療機関での治療と特性の整理を進めてから判断したい」という選択も、十分に現実的です。
手帳がなくても利用できる支援は複数あるため、必ずしも急いで申請する必要はないという整理になります。
「もらえなかった」ときの心の整理
「自分は手帳の対象にもならないほど軽い」と捉えて、二次的な落ち込みにつながるケースもあります。
しかし、手帳の交付可否は「困りごとの大きさそのもの」ではなく、診断書の様式に基づく形式的な判定の結果です。判定で交付されなかったからといって、本人の困りごとや配慮の必要性が否定されるわけではありません。
体調が不安定な時期は、まず主治医・公的相談窓口・自助グループなどに気持ちを話せる場を確保することが、次の選択肢を検討するうえでの土台になります。
手帳がない場合に活用できる支援
「手帳が取れなかった」「いま申請を保留している」状態の方でも、利用できる支援制度は複数あります。
自立支援医療(精神通院医療)
精神科・心療内科に継続的に通う方が利用できる医療費助成制度で、医療費の自己負担割合が原則1割に軽減されます(所得により月額の上限額あり)。
手帳の有無を問わず、主治医の意見書と申請書類を市区町村の障害福祉課に提出すれば申請できる仕組みです。
「医療費の負担を軽くしたい」「通院を継続したい」というニーズに対して、活用しやすい制度のひとつです。
障害福祉サービス受給者証
障害福祉サービス受給者証は、自立訓練(生活訓練)・就労移行支援・就労継続支援A型/B型などの利用に必要な行政文書で、手帳がなくても主治医の意見書をもとに自治体の判断で交付されるケースがあります。
「手帳がないと福祉サービスは利用できない」と思われがちですが、受給者証ベースで利用できる範囲は意外と広く、市区町村の障害福祉課への相談が出発点となります。
障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)
働くことと生活の両面を支援する公的窓口で、就職活動・職場定着・生活面の相談を継続的にサポートします。
障害者手帳の有無を問わず相談を受けつける運用となっており、グレーゾーンの方でも活用しやすい窓口です。
詳細は障害者就業・生活支援センターとは|役割・相談の流れで整理しています。
発達障害者支援センター
各都道府県・指定都市に設置されている公的窓口で、本人・家族・関係機関からの相談を無料で受けつけています。
医療機関の紹介、利用できる福祉サービスの案内、就労や生活に関する一般的な情報提供などを行っており、「どこに相談すればよいか分からないとき」の最初の窓口として活用しやすい場所です。
詳しくは発達障害者支援センター 完全ガイド|役割と相談方法で整理しています。
ハローワークの専門援助部門
ハローワークには発達障害や精神障害のある方を担当する専門援助部門があり、手帳の有無を問わず相談を受けつけているケースがあります。
「診断はついているが手帳は取らずに働きたい」「グレーゾーンとして就職活動を進めたい」という方が活用するケースもあります。
職場での合理的配慮の相談、職業準備支援、職業紹介などが主な役割です。
民間カウンセリング・自助グループ
医療機関や公的窓口に加えて、民間のカウンセリングや当事者・家族の自助グループも選択肢になります。
公的窓口は無料・低額で利用できる一方、待機期間が発生しやすい領域でもあります。並行して民間サービスを活用するケースもあります。
各種税制・社会保険上の制度
手帳がなくても、所得状況や治療状況によっては、傷病手当金(健康保険加入者で療養により就労できない期間)、障害年金(一定の要件を満たす場合)、医療費控除(年間の医療費が一定額を超える場合)など、活用できる制度が複数あります。
個別の適用可否は、社会保険労務士・税理士・市区町村の窓口に確認することをおすすめします。
自立支援医療・障害福祉サービス受給者証の活用詳細
手帳がない場合に特に活用度が高い「自立支援医療」と「障害福祉サービス受給者証」について、もう少し詳しく整理します。
自立支援医療(精神通院医療)の対象と申請
自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患の通院治療を継続的に受ける方を対象とした医療費助成制度です。
対象となる医療費は、指定の医療機関での通院・デイケア・訪問看護・処方薬代などです。入院費や指定外の医療機関での治療費は対象外となります。
自己負担は原則1割で、世帯所得に応じて月額の上限額が設定されます。低所得世帯の場合は月額2,500円〜5,000円程度が上限となるケースが多く、所得が一定額以上の方は対象外となる場合があります。
申請には、主治医の意見書・申請書・健康保険証の写し・所得状況の確認書類などが必要です。市区町村の障害福祉課への申請から1〜2か月程度で受給者証が交付され、有効期間は1年で更新制となります。
「精神科への通院費用が継続して発生する」状態の方にとって、活用度の高い制度のひとつです。
障害福祉サービス受給者証の対象と申請
障害福祉サービス受給者証は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス(自立訓練・就労移行支援・就労継続支援・居宅介護など)の利用に必要な行政文書です。
申請にあたっては、市区町村の障害福祉課で次のステップを経ます。
ステップ1:本人・家族からのサービス利用相談。
ステップ2:主治医の意見書の取得(手帳がない場合はこれが審査の主要材料)。
ステップ3:認定調査(生活状況・支援の必要性に関する面接調査)。
ステップ4:サービス等利用計画案の作成(指定特定相談支援事業所の相談支援専門員が作成するケースが一般的)。
ステップ5:審査・支給決定。
ステップ6:受給者証の交付。
申請から交付までは、概ね1〜2か月程度かかります。
受給者証を取得すれば、自立訓練(生活訓練)や就労移行支援などのサービスを、原則1割の利用者負担(世帯収入により0円となる方が多い)で利用できる仕組みです。
受給者証を使って利用できる主なサービス
受給者証で利用できる主な障害福祉サービスとしては、次のものがあります。
自立訓練(生活訓練):生活リズム・対人スキル・自己理解の土台作りを行う訓練の場。原則2年(最大3年)。
就労移行支援:原則2年以内に一般就労を目指す訓練の場。求職活動・職場実習・職場定着支援を含む。
就労継続支援A型:雇用契約を結びながら働く場。
就労継続支援B型:雇用契約を結ばず、自分のペースで生産活動に参加する場。
それぞれの位置づけや違いは、自立訓練(生活訓練)とは|対象者・利用期間・就労継続支援とは|A型・B型・就労移行との違いで整理しています。
エンラボカレッジでの「手帳のない方」へのアプローチ
エンラボカレッジは、神奈川県・東京都・大阪府・宮崎県で自立訓練(生活訓練)と就労移行支援を運営している事業者です。
「発達障害のグレーゾーンと言われていて、手帳はまだ取っていない」「申請したが交付されなかった」という方の利用相談を、これまで多く受けてきました。
その経験から、手帳のないグレーゾーンの方にエンラボがどのように関わっているかをお伝えします。
手帳の有無を問わず利用相談を受けている
エンラボカレッジでは、障害者手帳の有無を問わず、利用相談を受けつけています。
障害福祉サービス受給者証の取得には主治医の意見書が必要となるため、必要に応じて医療機関の受診と並行して、利用までの道筋を一緒に整理しています。
「手帳が取れないので福祉サービスはあきらめていた」という方も、見学・体験のなかで「自分の状況で利用が成り立つか」を一緒に確かめていただける流れになっています。
8つのプログラムで「自分の特性」を言語化する
エンラボカレッジの自立訓練では、8つのプログラム(感情学/コミュニケーション/My Lab./アクティビティ/Life Lab./ソマティック Lab./Social Lab./スキルアップ)を組み合わせています。
なかでもMy Lab.は、利用される方が『自分/支え方マニュアル』という独自成果物を作る時間で、グレーゾーンの方にとって特に活用度が高いプログラムだと利用者から伺っています。
「診断がつかないからこそ、自分の特性を自分の言葉で説明できるツールがほしかった」「家族や職場に配慮を求めるときの根拠が、自分の中で固まった」――そうした声が寄せられています。
「手帳が取れない/取らない」場合の選択肢を一緒に整理する
エンラボカレッジでは、ステージ1〜4の4段階で「自分を知る・学ぶ→学んだことができる→学びを応用できる→自信を持ち、次に進める」というカリキュラムを組んでいます。
手帳の取得を保留している方が自立訓練を活用される場合、初期ステージで自分の特性と現在の生活状況を整理し、中期で「手帳取得の希望を主治医に伝えるかどうか」「いまの状態で活用できる制度は何か」を支援員と一緒に検討する、という流れが一般的です。
「いま手帳を取るタイミングか」「取らずに進む場合の選択肢は何か」を、自分ひとりではなく支援者と一緒に整理できる時間が、エンラボカレッジを活用するメリットのひとつです。
40代から自立訓練で働き方と特性整理を進めた方のプロセスは、40代からの再スタート体験もあわせてご覧ください。
当てはまりにくい場面
逆に、「すぐに就職活動を始めたい」「特性の整理より、まず求職活動を進めたい」という方には、就労移行支援のほうが目的に合いやすい場合があります。
エンラボカレッジは「自立の土台作り」が中心となるため、目的との相性をご確認のうえで、ご検討いただけますと幸いです。
「いまの自分にどのサービスが合うか分からない」というご相談も歓迎しています。見学・体験のなかで、本人と家族・支援者で一緒に選択肢を整理していくことができます。
よくある質問(FAQ)
発達障害のグレーゾーンでも障害者手帳は取得できますか?
精神障害者保健福祉手帳は、ASD・ADHD等の発達障害も対象となります。診断書をもとに症状による日常生活・社会生活への影響を総合的に評価して等級が決まる仕組みです。
「グレーゾーン」と医師から伝えられていても、診断書で発達障害の診断名が付き、生活への影響が一定以上と評価される場合は、手帳の申請対象となり得ます。
希望する場合は主治医に率直にご相談ください。
グレーゾーンで手帳が取れないと言われた場合、他に何ができますか?
手帳が交付されない場合でも、自立支援医療(精神通院医療)による医療費負担軽減、障害福祉サービス受給者証による自立訓練・就労移行支援などの利用、発達障害者支援センターや障害者就業・生活支援センターへの相談、ハローワーク専門援助部門での就労相談など、活用できる選択肢が複数あります。
「手帳がない=支援を受けられない」ではなく、「手帳なしで利用できる支援を順に整理する」ことから始めるのが現実的です。
障害者手帳は何種類ありますか?
精神障害者保健福祉手帳・療育手帳・身体障害者手帳の3種類があります。
精神障害者保健福祉手帳は精神疾患・発達障害が対象、療育手帳は知的障害が対象、身体障害者手帳は視覚・聴覚・肢体不自由などの身体障害が対象です。
発達障害のグレーゾーンの方が対象となり得るのは、原則として精神障害者保健福祉手帳です。
申請から交付までどれくらいかかりますか?
精神障害者保健福祉手帳の場合、書類審査を経て交付までに概ね1〜3か月程度かかります。
加えて、診断書の作成にも数週間〜1か月程度の期間が必要なため、主治医への相談から手帳の受け取りまで、トータルで2〜4か月程度を見込んでおくと現実的です。
障害者手帳を取ると周囲に知られますか?
手帳の取得そのものが第三者に通知される仕組みはありません。職場・学校・家族などに伝えるかどうかは、本人の判断に委ねられています。
障害者雇用枠での就職活動・各種制度の利用にあたって手帳を提示する場面は出てきますが、それ以外で「自動的に知られる」ことはありません。
障害者手帳の有効期限はありますか?
精神障害者保健福祉手帳は2年ごとの更新制です。有効期限の3か月前から更新申請が可能で、再度診断書を提出して判定を受けます。
療育手帳は自治体・年齢・等級により異なります。身体障害者手帳には原則として有効期限はありませんが、再認定が必要となる場合があります。
手帳を取らずに自立支援医療だけ申請することはできますか?
可能です。
自立支援医療(精神通院医療)は手帳の有無を問わず申請できる制度で、精神科への通院費用の自己負担を軽減します。
「いまは手帳を取らない選択をしたが、通院費用は抑えたい」という方が活用するケースは多くあります。
「グレーゾーンで生きづらい」と感じたとき、最初にどこへ相談すればよいですか?
まずは心療内科や精神科で体調と特性の整理を進めることが多いケースです。並行して、発達障害者支援センター・障害者就業・生活支援センター・市区町村の障害福祉課などの公的窓口で、自分の状況に合った支援制度を一緒に整理する流れが現実的です。
困りごとの中心が「働くこと」にある場合は、ハローワークの専門援助部門も選択肢になります。
障害者手帳を返納することはできますか?
可能です。
「症状が改善した」「就職して手帳を持つ必要性が低くなった」など、本人の判断で返納の申請ができます。返納の手続きは、市区町村の障害福祉課で行います。
更新時に再判定で対象外となるケースも含めて、手帳の取得は「いったん取ったら一生」というものではなく、本人の状況に応じて見直しできる仕組みです。
家族がグレーゾーンで手帳取得を悩んでいます。家族はどう関わればよいですか?
「取るべき/取らないべき」を結論ありきで促すのではなく、「どんなメリット・デメリットがあるか」「いま取得することで何が変わるか/変わらないか」を本人と一緒に整理する関わりが、後悔の少ない選択につながりやすいとされています。
発達障害者支援センター・市区町村の障害福祉課では、本人だけでなく家族からの相談も受けつけています。
まとめ
発達障害のグレーゾーンは医学的な診断名ではなく、ASD・ADHD・LDなどの特性が一定程度みられるものの、診断基準を完全には満たさない状態を指す通称です。
障害者手帳には精神障害者保健福祉手帳・療育手帳・身体障害者手帳の3種類があり、発達障害のグレーゾーンの方が対象となり得るのは、原則として精神障害者保健福祉手帳です。
手帳の取得可否は「グレーゾーンか診断確定か」の言葉の違いではなく、診断書に記載された内容と日常生活・社会生活への影響度を自治体が総合的に評価して決まる仕組みです。診断書で発達障害の診断名が付され、生活への影響が一定以上と評価される場合は、手帳の交付対象となり得ます。
申請には、初診から6か月以上の経過、診断書、本人確認書類などが必要で、手続きから交付までは2〜4か月程度を見込みます。
手帳が交付されない場合でも、自立支援医療(精神通院医療)による医療費負担軽減、障害福祉サービス受給者証による自立訓練・就労移行支援などの利用、発達障害者支援センターや障害者就業・生活支援センターへの相談、ハローワーク専門援助部門での就労相談など、活用できる選択肢が複数あります。
「手帳が取れない=支援を受けられない」ではなく、「手帳の有無に関わらず、自分の状況に合った制度を順に整理していく」ことが現実的なアプローチとなります。
エンラボカレッジは自立訓練(生活訓練)と就労移行支援を運営する事業者として、「手帳はまだ取っていない」「申請を保留している」「取れないと言われた」というご相談を多く受けています。
エンラボカレッジ 横浜・エンラボカレッジ 相模大野・エンラボカレッジ 川崎など、神奈川・東京・大阪・宮崎の11拠点で見学・無料相談を受けつけています。
「手帳を取るかどうか含めて、自分の今後を一緒に整理したい」「家族と一緒に話を聞いてみたい」――そんな方も、まずは一度お問い合わせください。
ご見学・無料相談のご案内
エンラボカレッジでは、自立訓練(生活訓練)と就労移行支援の見学・無料相談を、神奈川・東京・大阪・宮崎の11拠点で随時お受けしています。
「障害者手帳の取得を迷っている」「手帳がなくても利用できる支援を整理したい」「家族と一緒に話を聞いてみたい」――そうしたご相談も歓迎しています。
ご見学・無料相談のお申し込みは、エンラボカレッジ公式サイト、またはお電話(050-5538-0786/平日10:00-18:00)からお気軽にどうぞ。
事業所の雰囲気・プログラムの実際・通っている方々の様子を、実際に見てから判断いただけます。
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この記事について【作成・監修】
本記事は、自立訓練(生活訓練)事業所「エンラボカレッジ」を運営する株式会社エンラボの専門職スタッフが作成・監修しています。
【在籍資格】
精神保健福祉士・社会福祉士・臨床心理士・作業療法士・理学療法士
【現場での実践】
自立訓練(生活訓練)・就労移行支援などで、診断名・特性に合わせた個別支援を提供しています。
【運営会社】
株式会社エンラボ/設立2015年4月/神奈川県を中心に首都圏・関西・宮崎で11拠点運営




