就労継続支援とは|A型B型・就労移行との違いをわかりやすく解説

更新日:2026/05/31

就労継続支援はA型とB型で何が違うのか、就労移行支援とはどう使い分けるのか――名前は似ていても、目的や働き方の前提が異なる障害福祉サービスです。

就労継続支援は、一般企業での雇用が難しい方が、福祉的な支援を受けながら働く場として用意された制度です。雇用契約を結んで最低賃金が保障されるA型と、雇用契約を結ばずに自分のペースで生産活動に参加するB型の2類型があり、就労移行支援や自立訓練とも目的や利用期間が異なります。

本記事では、就労継続支援A型・B型の違いと共通点・就労移行や自立訓練との位置づけ・利用までの流れについて紹介します。

就労継続支援とは?制度の概要と2類型

ここから、就労継続支援の制度概要とA型・B型の位置づけを順に整理します。

制度上の位置づけ

就労継続支援は、障害者総合支援法第5条第14項に規定されている「就労継続支援」を根拠とする障害福祉サービスです。

「日中活動系サービス」のひとつとして整理されており、市区町村が支給決定を行う「障害福祉サービス受給者証」によって利用できる仕組みになっています。

制度の趣旨は、「通常の事業所に雇用されることが困難な障害者につき、就労の機会の提供および生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識および能力の向上のために必要な訓練その他の便宜を供与する」こととされています。

「一般企業に就職することが現時点では難しい状況にある方が、福祉的な支援を受けながら働く場」として位置づけられている、と理解しておくと制度の骨格が見えやすくなります。

A型とB型の2類型

就労継続支援は、雇用契約の有無によって「A型」と「B型」の2類型に分かれています。

就労継続支援A型:事業所と雇用契約を結び、最低賃金以上の賃金を受け取りながら働く形。労働基準法・最低賃金法・労働者災害補償保険法などの労働関係法令が適用されます。

就労継続支援B型:雇用契約を結ばず、生産活動の成果に応じて「工賃」を受け取る形。労働関係法令の対象外で、自分のペースで関われる柔軟さが特徴です。

A型は「雇用契約のある働き方に近い形」、B型は「雇用契約のない柔軟な形」として整理されており、対象者像・賃金水準・通所頻度なども異なる設計になっています。

似たサービスとの違い(就労移行・自立訓練)

就労継続支援と似た名称のサービスに、「就労移行支援」と「自立訓練(生活訓練)」があります。それぞれ目的と支援の中心が異なります。

  • 就労継続支援:「働くこと」を中心に据えるサービス(A型・B型)
  • 就労移行支援:一般企業への「就職準備」を中心に据えるサービス(原則2年)
  • 自立訓練(生活訓練):「生活と自己理解」を中心に据えるサービス(原則2年、最大3年)

就労移行支援の対象者・利用期間2年の使い方・費用・受けられる支援内容については、就労移行支援にしぼってまとめた以下の記事をご覧ください。

関連ページ
就労移行支援とは|対象者・利用期間・費用・受けられる支援を解説

サービス間の比較は、後ほど一覧表で整理します。

A型の対象者・対象年齢・利用条件

ここから、就労継続支援A型の対象者要件を整理します。

対象者の3区分

就労継続支援A型の対象者は、厚生労働省の通知で次の3区分に整理されています。

区分1:就労移行支援事業を利用したが、企業等の雇用に結びつかなかった方。

就労移行支援に通ったものの、2年の利用期間内に一般就労へ移行できなかった方が、雇用契約のある形での就労を継続的に行う場として、A型を選ばれるパターンです。

区分2:特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが、企業等の雇用に結びつかなかった方。

学校卒業時に就職活動を経験し、結果として一般就労には至らなかった方が、雇用契約のある働き方を継続的に維持するためにA型を利用されるパターンです。

区分3:就労経験があり、現に雇用関係の状態にない方。

過去に就労経験を持っているものの、現時点では雇用関係にない方が、雇用契約のある働き方への再スタートとしてA型を活用されるパターンです。

対象年齢の考え方

A型の対象年齢は、原則として18歳以上65歳未満です。

ただし、令和2年4月の制度改正により、65歳に達する前の5年間(つまり60歳から65歳の間)にA型を利用していた方は、65歳以降も継続して利用できる経過措置が設けられています。

「これからA型を新規で利用したい」とお考えの方は、原則として65歳未満であることが要件となる、と整理しておくと分かりやすいです。

障害種別と手帳の扱い

A型の利用対象となる障害種別には、原則として制限がありません。

精神障害・発達障害・知的障害・身体障害のある方が、それぞれの特性や体調に応じてA型を利用しています。令和6年4月からは難病369疾病も対象に含まれています。

障害者手帳がなくても、「障害福祉サービス受給者証」を取得できれば利用は可能です。自立支援医療(精神通院医療)の受給者証や、主治医の意見書をもとに自治体の判断で受給者証が交付されるケースがあります。

「手帳がないから利用できない」と決めつけずに、まずは市区町村の障害福祉課に相談してみることをおすすめします。

B型の対象者・対象年齢・利用条件

続いて、就労継続支援B型の対象者要件を整理します。

対象者の3区分

就労継続支援B型の対象者も、厚生労働省の通知で次の3区分に整理されています。

区分1:就労経験があり、年齢や体力面の問題により企業に雇用されることが困難となった方。

一度就労経験があるものの、加齢や体調の変化を受けて、雇用契約のある働き方から福祉的就労に切り替えるパターンです。

区分2:50歳に達している方、または障害基礎年金1級を受給している方。

年齢や障害の程度に基づいて、就労アセスメントを経ずに直接利用が認められるパターンです。

区分3:就労移行支援事業所などのアセスメントにより、就労面に係る課題等の把握が行われている方。

初めて福祉サービスを利用される方の多くが、この区分に該当します。

対象年齢と特別支援学校卒業後の扱い

B型の対象年齢は、原則として18歳以上です。

A型と異なり、対象者区分の「50歳に達している方」「障害基礎年金1級を受給している方」については、就労経験の有無を問わず対象として位置づけられているため、年齢上限(65歳)に関する運用はA型より柔軟に扱われる傾向があります。

特別支援学校を卒業して直接B型を利用する方は、原則として就労移行支援事業所等によるアセスメントを経ることが要件とされています。

「学校を出てそのままB型へ」ではなく、いったんアセスメントを通すことで、本人の意思と特性に合った選択を担保する仕組みが組み込まれています。

障害種別と手帳の扱い

B型の利用対象となる障害種別にも、原則として制限はありません。

A型と同様に、精神障害・発達障害・知的障害・身体障害のある方、令和6年4月以降は難病369疾病のある方が利用されています。

障害者手帳がなくても、自立支援医療受給者証や主治医の意見書をもとに、自治体の判断で「障害福祉サービス受給者証」が交付されるケースがある点もA型と共通です。

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就労継続支援B型とは|どんな人が通う?仕事・工賃・利用方法

A型とB型の違い|雇用契約・賃金/工賃・通所頻度

A型とB型の最大の違いは「雇用契約の有無」ですが、そこから派生して、賃金水準・通所頻度・対象者像なども異なります。

雇用契約の有無と適用される法令

A型では、事業所と雇用契約を結びます。

そのため、最低賃金法・労働基準法・労働者災害補償保険法・健康保険法・厚生年金保険法・雇用保険法などの労働関係法令が適用され、社会保険への加入も原則として行われます。

決まった時間に通うこと、就業規則を守ることが前提となり、「雇用契約のある働き方」に近い形での就労が想定されています。

一方B型では、雇用契約は結びません。

事業所と「利用契約」を結び、生産活動に参加して、その成果に応じて工賃を受け取ります。労働関係法令の対象外で、社会保険への加入もありません。

決まった時間に通うことや就業規則の遵守は前提とされておらず、「自分のペースで関われる」点が特徴です。

賃金(A型)と工賃(B型)の水準

厚生労働省が公表している直近の調査では、A型の平均賃金は月額83,551円、B型の平均工賃は月額17,031円とされています(令和4年度実績)。

A型では最低賃金法が適用されるため、地域別最低賃金以上の時給で支払われます。

B型では「工賃」として支払われ、最低賃金法は原則として適用されません。事業所の運営基準で「平均工賃が月額3,000円を下回らないこと」という最低水準は定められていますが、最低限の水準であって、目指すべき水準ではないとされています。

「働いて収入を得る」ことを軸に置く場合、A型のほうがB型よりまとまった金額を受け取りやすい設計になっている、と整理できます。

通所頻度と1日の作業時間

A型は、雇用契約に基づいて勤務するため、週4〜5日・1日4〜8時間程度の通所が一般的です。

事業所によっては短時間勤務(1日4時間程度)から始められるケースもありますが、勤怠管理は雇用契約のもとで行われます。

B型は、本人の体調や希望に応じて、週2〜5日・1日数時間から終日まで、柔軟に通所形態を選べるケースが多くなっています。

「今日は1時間しか集中が続かない」「今週は通えるのが2日だけ」といった状況でも、その範囲で参加できる設計です。

利用者像の違い

A型は「雇用契約のある働き方を維持・継続できる方」、B型は「雇用契約のある働き方が現時点で難しい方」が対象、という大まかな整理ができます。

A型を利用される方には、就労移行支援や特別支援学校を経て一般就労に結びつかなかった方、過去の就労経験を活かして雇用契約のある働き方を続けたい方が多く見られます。

B型を利用される方には、体調の波が大きく決まった時間に毎日通うことが難しい方、加齢や体力面の理由で雇用契約のある働き方を続けにくくなった方、まずは生産活動への参加から始めたい方が多く見られます。

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就労継続支援A型とは|仕事内容・利用料
就労継続支援B型とは|どんな人が通う?仕事・工賃・利用方法

A型・B型・就労移行・自立訓練の比較表

ここで、4つのサービスを一覧表で整理します。

項目 就労継続支援A型 就労継続支援B型 就労移行支援 自立訓練(生活訓練)
雇用契約 あり なし なし(訓練の場) なし(訓練の場)
最低賃金 適用あり 適用なし
報酬 賃金(平均月83,551円) 工賃(平均月17,031円) 原則なし 原則なし
利用期間 上限なし 上限なし 原則2年 原則2年(最大3年)
主な目的 雇用契約のもとで働く 自分のペースで働きながら社会との接点を保つ 一般就労を目指す訓練 生活・対人・自己理解の土台作り
対象年齢 18歳以上65歳未満 18歳以上(原則) 18歳以上65歳未満 18歳以上65歳未満
通所頻度 週4〜5日が多い 週2〜5日(柔軟) 週4〜5日が多い 週3〜5日(柔軟)
社会保険 加入あり 加入なし 原則なし 原則なし

「働く比重」で並べて選ぶ

4つのサービスをひとつの軸で並べると、「働くことの比重」がどれくらいかで段階的に位置づけられます。

自立訓練(生活訓練):まず生活面・自己理解を整える段階。働くことは「視野に入れる」レベル。

就労移行支援:一般就労を2年以内に目指す訓練段階。働く準備が中心。

就労継続支援B型:自分のペースで働きながら社会との接点を保つ段階。「働く」と「福祉的支援」のバランス型。

就労継続支援A型:雇用契約のもとで働く段階。「働く」が中心、福祉的支援は補完。

「いまの自分はどの段階にいるか」「次にどこを目指すか」を、主治医・相談支援専門員・支援者と一緒に整理することが、サービス選びの起点になります。

A型・B型から一般就労へのステップアップ

就労継続支援は「働き続ける場」として利用できる一方、A型・B型を経て一般就労(障害者雇用または一般雇用)に進む方もいらっしゃいます。

B型でリズムを整えてからA型に移る、A型で雇用契約のある働き方に慣れてから一般就労に進む、といった段階的なステップアップが現実的な選択肢として用意されています。

将来一般就労を目指したい方は、事業所選びの際に「過去に一般就労へ移行した方の人数や傾向」を尋ねてみると、その事業所の支援姿勢を把握する手がかりになります。

仕事内容の具体例|A型/B型でどんな作業をしているか

「就労継続支援で実際にどんな作業をするのか」を、A型・B型それぞれの代表的な仕事内容で整理します。

A型の主な仕事内容

A型では、雇用契約のもとで一定の責任を持って業務を行うため、企業からの請負作業に加えて、事業所独自の事業を運営しているケースが多く見られます。

主な仕事内容の例
– データ入力・名刺作成・チラシ制作などの事務系業務
– ホームページ運用・ECサイト運営・動画編集などのデジタル系業務
– パンや弁当の製造販売・カフェ運営などの飲食系業務
– 部品組み立て・梱包・検品などの軽作業系業務
– 清掃・農作業・配送などのサービス系業務

最低賃金以上の賃金が支払われる前提のため、事業所側も収益性を意識した業務を組み立てており、B型より単価の高い業務が中心となる傾向があります。

B型の主な仕事内容

B型では、雇用契約を結ばないため、より柔軟な作業内容が用意されているケースが一般的です。

主な仕事内容の例
– 箱詰め・袋詰め・シール貼り・ピッキングなどの請負作業(軽作業)
– データ入力・名刺作成・チラシデザイン・動画編集などのPC作業
– パン・お菓子・雑貨・アクセサリーなどの自主生産品の制作と販売
– 併設カフェ・店舗での接客・調理補助・販売
– 公園や商業施設の清掃・農作業などの施設外就労

「決まった手順を反復するほうが落ち着く」方には軽作業系、「次のステップでもスキルを身につけたい」方にはPC作業系、「ものづくりが好き」な方には自主生産系、「人と関わる仕事に挑戦したい」方には販売・接客系、といった選び方ができます。

仕事内容を選ぶときの視点

A型・B型のどちらを選ぶにせよ、事業所によって扱う仕事は大きく異なるため、見学・体験で確かめるのが確実です。

選ぶ際の視点としては、以下のようなものがあります。

  • 立ち作業と座り作業のどちらが楽か
  • 単純反復が落ち着くか、変化があるほうが集中できるか
  • 対人接触はどれくらい大丈夫か
  • 工程の途中で休憩を取れるか
  • 賃金・工賃と作業内容のバランスをどう考えるか

これらの視点を持って2〜3か所を比較すると、自分の体力・興味・通いやすさとのフィットを判断しやすくなります。

賃金と工賃の実態|A型は月8万円台、B型は月1万7千円台

就労継続支援を検討するうえで、多くの方が気にされるのが収入面です。

A型は「賃金」、B型は「工賃」と呼ばれ、それぞれ法的な位置づけと金額水準が異なります。

A型の平均賃金は月額83,551円

厚生労働省が公表している直近の調査では、就労継続支援A型の平均賃金は月額83,551円とされています(令和4年度実績)。

A型では最低賃金法が適用されるため、勤務時間と地域別最低賃金から賃金が算定されます。

たとえば1日4時間・週20時間勤務で、地域別最低賃金が1,000円程度の地域であれば、月額8万円前後の賃金水準となる計算です。フルタイムに近い勤務時間を確保できる事業所では、月額10万円を超えるケースも見られます。

社会保険への加入もあるため、健康保険・厚生年金などの保障が得られる点もA型の特徴です。

B型の平均工賃は月額17,031円

同じ調査でB型の平均工賃は、月額17,031円・時給換算で243円程度とされています(令和4年度実績)。

B型は「工賃で生活費を全額まかなう」ことを前提とした制度ではなく、「障害基礎年金や生活保護などの所得保障と組み合わせて利用するサービス」と理解しておくと、制度の趣旨が見えやすくなります。

事業所別では、月額1,000円台にとどまるところから、月額5万円を超えるところまで幅があるとされています。

地域差・事業所差

A型・B型のいずれにも、地域差・事業所差があります。

A型は地域別最低賃金が異なるため、東京都・神奈川県・大阪府などの都市部ほど時給は高くなる傾向があります。

B型は受注できる作業の単価や事業所の取り組み(自主生産品の販路開拓・地域企業との連携・新規事業の立ち上げなど)によって工賃水準が大きく変動します。

事業所を選ぶ際には、見学時に「直近の平均賃金(A型)」または「直近の平均工賃(B型)」を確認することをおすすめします。

公的データから見る就労継続支援の利用実態

厚生労働省「障害福祉サービス等の利用状況について」によると、就労継続支援A型の利用者は全国で約8万人、B型の利用者は約34万人とされています(直近の公表値)。

B型の利用者数はA型の4倍以上に達しており、「雇用契約のない柔軟な働き方」を求めるニーズが大きいことが読み取れます。

出典:厚生労働省「令和4年度工賃(賃金)の実績について」

利用までの流れ(5ステップ)

就労継続支援A型・B型のいずれを利用する場合でも、市区町村が交付する「障害福祉サービス受給者証」が必要です。

利用開始までの流れを、5ステップで整理します。

ステップ1|情報収集と相談

最初に行うのは、自分の住む地域にどんな就労継続支援事業所があるかを調べ、A型・B型のどちらが自分に合いそうかを大まかに整理することです。

地域の障害福祉課・基幹相談支援センター・障害者就業・生活支援センター・ハローワークなどに相談すると、地域の事業所一覧と特徴を教えてもらえます。

ご家族や主治医、特別支援学校の進路担当の先生、就労移行支援の支援員など、いま関わっている支援者がいる方は、その方を経由して相談に行く道筋もあります。

ステップ2|見学・体験

候補となる事業所が絞れたら、見学と体験に行きます。

多くの事業所では見学を無料で受け付けており、実際の作業の様子・利用者層・スタッフの関わり方を見ることができます。

体験は1日〜数日にわたり、実際に作業に参加して「自分が無理なく続けられそうか」を確かめる時間です。

1か所だけでなく2〜3か所を比較したほうが、自分の体力・興味・通いやすさとのフィットを判断しやすいとされています。

ステップ3|就労アセスメント(必要な場合)

特別支援学校を卒業して直接B型を利用する方、過去に就労経験がなく50歳未満で障害基礎年金1級を受給していない方は、就労移行支援事業所等によるアセスメントを受けることが原則必要です。

令和7年10月からは新たに「就労選択支援」というサービスも本格運用が始まっており、本人の希望と特性に合わせて適切なサービスを選ぶ仕組みが整えられています。

アセスメントは数日〜数週間にわたって行われ、本人の作業能力・対人面・生活面の状況を整理し、A型・B型・就労移行のいずれが適切かを判断する材料となります。

ステップ4|受給者証の申請

利用したい事業所が決まったら、住んでいる市区町村の障害福祉課で「障害福祉サービス受給者証」を申請します。

申請にあたっては、認定調査(面接調査)と、サービス等利用計画案の提出が求められます。

サービス等利用計画案は、指定特定相談支援事業所の相談支援専門員に作成を依頼するのが一般的です。

本人や家族が「セルフプラン」として作成することも可能ですが、初回は相談支援専門員に依頼するほうがスムーズに進むことが多いとされています。

申請から受給者証の交付までは、自治体によりますが概ね1〜2か月程度かかります。

ステップ5|契約・利用開始

受給者証が交付されたら、事業所と利用契約(A型の場合は雇用契約も含む)を結びます。

契約時には、利用日数・送迎の有無・賃金/工賃の支払い方法・通所できない場合の連絡方法など、運営に関する説明を受けます。

契約後、個別支援計画が作成され、本利用がスタートします。

最初の数週間は「慣らし期間」として、通所日数や作業時間を段階的に増やしていく事業所が多いです。

利用料(自己負担額)

「利用料はかかるの?」と気になる方も多いはずです。

就労継続支援A型・B型は障害福祉サービスのひとつで、世帯の所得に応じた利用者負担が発生する仕組みです。

負担上限月額は、4つの区分に分かれています。

生活保護:負担上限月額 0円

低所得(市町村民税非課税世帯):負担上限月額 0円

一般1(市町村民税課税世帯のうち所得割16万円未満):負担上限月額 9,300円

一般2(上記以外):負担上限月額 37,200円

実態として、多くの方が生活保護または低所得区分に該当するため、自己負担0円で利用される方も少なくありません。

A型については、賃金収入が一定額を超えると一般1または一般2の区分に該当する可能性もあるため、世帯収入を踏まえてお住まいの市区町村の障害福祉課で確認することをおすすめします。

A型のメリット・デメリット

A型を検討する際に、メリットだけでなくデメリットも把握しておくことが、長く続けられる選択につながります。

A型のメリット

最低賃金以上の賃金が保障される:労働基準法・最低賃金法が適用されるため、地域別最低賃金以上の時給で賃金を受け取れます。月額にして8万円台以上の収入が見込めるケースが多くなっています。

社会保険に加入できる:健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の対象となり、医療費・将来の年金・失業時の給付などの保障が得られます。

雇用契約のある働き方を継続できる:「働く」という社会的役割と所得保障を両立できる設計で、一般就労へのステップアップを目指す際の足場としても機能します。

利用期間に上限がない:就労移行支援と異なり、利用期間の上限はありません。長期的に働き続けることが可能です。

A型のデメリット

勤怠管理が前提となる:雇用契約に基づく勤務のため、決まった時間に通うこと・就業規則を守ることが求められます。体調の波が大きい方には負担が大きいケースがあります。

事業所数が限られる:A型はB型に比べて事業所数が少なく、希望地域に事業所がない場合や、希望する仕事内容と合わない場合もあります。

事業所ごとの差が大きい:賃金水準・労働時間・仕事内容・支援姿勢などが事業所によって大きく異なります。見学・体験は2〜3か所を比較するのが基本です。

B型のメリット・デメリット

B型についても、メリットとデメリットの両面を整理しておきます。

B型のメリット

自分のペースで通える:雇用契約を結ばないため、決まった時間に毎日通うことが前提とされていません。体調の波がある方、対人疲労が強い方、まず生活リズムから整えたい方にとって続けやすい設計です。

利用期間に上限がない:就労移行支援や自立訓練と異なり、期間の上限がありません。長期的に通い続けられます。

作業の種類が多様:軽作業・PC作業・創作・販売・施設外就労など、事業所によって扱う仕事は多様です。「自分が無理なく続けられそうな仕事」を選びやすくなっています。

自己負担0円で利用できるケースが多い:世帯収入によっては自己負担0円で利用できる方も多く、経済的な負担が小さい点もメリットのひとつです。

B型のデメリット

工賃だけでは生活費が賄えない:全国平均月額17,031円という工賃水準は、これだけで生活費を全額まかなえる金額ではありません。障害基礎年金や生活保護などの所得保障と組み合わせて利用することが前提となります。

社会保険の対象にならない:雇用契約を結ばないため、健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の対象にはなりません。国民健康保険・国民年金は別途加入する必要があります。

事業所ごとの差が大きい:工賃水準・作業内容・スタッフの関わり方・利用者層など、事業所によって差が大きいのがB型の特徴のひとつです。事業所選びが満足度を大きく左右します。

「いずれ一般就労」に進むときの計画性が必要:利用期間に上限がないぶん、「いつまでも今のままでよい」状態になりやすい側面もあります。次のステップを意識した支援計画の見直しが大切です。

自分に合っているか判断する5つのポイント

「就労継続支援A型・B型のどちらが自分に合っているか」「他のサービスのほうが合うのか」を判断するための5つのポイントを整理します。

ポイント1|雇用契約のある働き方が現時点で続けられるか

「決まった時間に毎日通えるか自信がある」「就業規則を守りながら一定の責任を持って働ける」状態であれば、A型または一般就労が選択肢の中心になります。

「決まった時間に毎日通うのが難しい」「体調の波が大きく、休まずに通うことが難しい」状態であれば、B型のほうが続けやすいケースが多いと考えられます。

ポイント2|「収入の安定」を最優先したいか

最低賃金以上の賃金が保障され、社会保険にも加入できる点でA型は収入面の安定性が高い設計です。

B型は工賃水準が低めで、所得保障との組み合わせが前提となるため、「収入の安定」を最優先するならA型のほうが目的に合います。

ただし、「収入は限定的でもよいので、無理のないペースで生産活動に関わりたい」場合は、B型が選択肢として浮上してきます。

ポイント3|年齢・年金受給状況が対象要件に合うか

A型は原則18歳〜65歳未満が対象となります。

B型は原則18歳以上で、特に50歳に達している方や障害基礎年金1級を受給している方は、就労経験を問わず対象として位置づけられています。

年齢や年金受給状況を踏まえて、対象要件に合致するサービスを優先的に検討すると、選択がスムーズに進みます。

ポイント4|「いま」と「将来」のバランスをどう設計したいか

A型・B型は長く通い続けられる場である一方、「いずれ一般就労にステップアップしたい」という方も少なくありません。

短期間でB型を経由してA型に移る、A型で雇用契約のある働き方に慣れてから一般就労に進む、といった段階的なステップアップも可能です。

将来一般就労を目指したい場合は、事業所選びの際に「過去に一般就労へ移行した方の人数」「次のステップへの送り出しに慣れているか」を確認しておくと安心です。

ポイント5|「働く前に整える時間」が必要かどうか

「いきなりA型・B型に進むのは不安」「働く前にもう少し生活と気持ちを整えたい」と感じる方は、自立訓練(生活訓練)から始める道筋もあります。

自立訓練では、生活リズム・対人スキル・自己理解・体調コントロールなど、「働くうえで/生きていくうえで土台になる部分」に集中的に時間を使えます。

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自立訓練(生活訓練)とは|対象者・利用期間
自立訓練はなにをする場所?プログラムの内容や他のサービスとの違い

エンラボカレッジでの「働き方の選択肢を広げる」アプローチ

エンラボカレッジは、神奈川県・東京都・大阪府・宮崎県で自立訓練(生活訓練)と就労移行支援を運営している事業者です。

就労継続支援A型・B型そのものは提供していませんが、自立訓練・就労移行を経てA型・B型に進まれる方、A型・B型から戻ってきて就労移行に進まれる方を支援してきました。

その経験から、「働き方の選択肢を広げる」という観点で、エンラボがどのように関わっているかをお伝えします。

自立訓練を経て就労継続支援に進むケース

自立訓練(生活訓練)を利用される方の卒業後の進路は多様で、その選択肢のひとつに就労継続支援A型・B型が含まれます。

自立訓練からA型・B型に進むケースとして多いのは、次のような状況です。

「生活リズムは整ってきたが、フルタイム就労や就労移行支援のペースはまだ重い」と感じている方。

「働きたい気持ちはあるが、最初から雇用契約のプレッシャーは避けたい」と考える方(B型を選ぶケースが多い)。

「就労移行を視野に入れていたが、まずは雇用契約のある働き方に慣れることを優先したい」と考える方(A型を選ぶケースが多い)。

エンラボカレッジの自立訓練では、ステージ1〜4の4段階で「自分を知る・学ぶ→学んだことができる→学びを応用できる→自信を持ち、次に進める」というカリキュラムを組み立てています。

このプロセスのなかで「自分が無理なく続けられる働き方」が見えてくる方もいれば、「いまの段階ではB型でゆるやかに働き始めるのが合いそう」「A型で雇用契約のある働き方を続けてみたい」という判断に至る方もいらっしゃいます。

8つのプログラムで「自分の取扱説明書」を作る

エンラボカレッジの自立訓練では、8つのプログラム(感情学/コミュニケーション/My Lab./アクティビティ/Life Lab./ソマティック Lab./Social Lab./スキルアップ)を組み合わせています。

なかでもMy Lab.は、利用される方が『自分/支え方マニュアル』という独自成果物を作る時間で、卒業後の進路先(A型・B型事業所を含む)でも継続して活用できるツールです。

A型・B型に進まれた方からは、「マニュアルを事業所に共有したことで、自分のペースを尊重してもらえた」「調子の悪い日の対処を事前に伝えられた」といった声を伺うこともあります。

自立訓練からの進路設計を一緒に整理

自立訓練の利用中に「次は就労継続支援A型・B型・就労移行支援・一般就労のどれを目指すか」を一緒に整理していくのが、エンラボカレッジの関わり方の特徴です。

「就職」だけをゴールにせず、本人の状態と希望に応じて多様な選択肢を保つ姿勢を大切にしています。

「就労継続支援の前に整える時間」が必要な方へ

「いきなりA型・B型に進むのは不安」「働く前にもう少し生活と気持ちを整えたい」と感じる方は、自立訓練(生活訓練)から始める道筋もあります。

エンラボカレッジでは、神奈川・東京・大阪・宮崎の11拠点で自立訓練(生活訓練)と就労移行支援の見学・無料相談を随時お受けしています。

「就労継続支援A型・B型を視野に入れているが、まずは土台を整えたい」「A型・B型・就労移行のいずれが合うか一緒に整理してほしい」というご相談も歓迎しています。

就労継続支援に関連する実例|自立訓練(生活訓練)エンラボカレッジ利用者の事例

※以下は自立訓練(生活訓練)エンラボカレッジを利用された方の支援事例です(医学的な症例研究ではありません)。

事例1|40代で自立訓練を経て、自分に合う働き方を見直したケース

40代で体調の波を抱えながら働き続けていた方が、自立訓練(生活訓練)を経て生活と働き方を見直したケースです。

「これまでの働き方では続かない」という気づきから、生活リズムの立て直し・自己理解・体調コントロールに時間を使い、卒業後はご自身に合った働き方を選び直しました。

このように、A型・B型を含めた就労継続支援を視野に入れる前に、自立訓練で土台を整える道筋もあります。

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40代からの再スタート|自立訓練で生活と働き方が変わった理由【エンラボストーリー】

事例2|ADHDの20代が自立訓練を経て安定就職に至ったケース

就労移行支援に通ったものの仕事が続かなかった20代の方が、自立訓練(生活訓練)に切り替えて感情コントロールを身につけ、その後安定した就労に至ったケースです。

A型・B型・就労移行・自立訓練のいずれも、「いまの自分の状態に合うか」が最大のポイントになる、ということを示す例といえます。

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業界全体の支援傾向|公的データと業界事例の参考

就労支援の現場れながらも長時間の集中が難しく、支援員と一緒に視点を変え、適性のある業務に出会えたケースが紹介されています。

このように、本人が希望する業務と適性のある業務にギャップがある場合でも、支援員と一緒に視点を整理することで、就労継続支援A型・B型あるいは一般就労での新たな選択肢を見つけられるケースがあります。

業界全体の傾向として、知的障害のある方が安定して働くためには、職場からの適切なサポート・指導、集中しやすい環境整備が重要とされています。

よくある質問(FAQ)

就労継続支援A型とB型の最大の違いは何ですか?

最大の違いは「雇用契約の有無」です。

A型は事業所と雇用契約を結び、最低賃金以上の賃金を受け取りながら働きます。B型は雇用契約を結ばず、生産活動の成果に応じて工賃を受け取ります。

A型のほうが収入面・社会保険の保障で手厚い設計、B型のほうが通所頻度や作業時間の柔軟さで自分のペースを保ちやすい設計、と整理できます。

就労継続支援は何歳から利用できますか?

A型・B型ともに原則18歳以上が対象です。

A型は原則65歳未満が対象(経過措置で65歳以降も利用できるケースあり)、B型は50歳に達している方や障害基礎年金1級を受給している方も含めて柔軟に運用されている、と整理されています。

障害者手帳がなくても就労継続支援は利用できますか?

A型・B型のいずれも、障害者手帳がなくても自立支援医療の受給者証や主治医の意見書をもとに、自治体の判断で利用できるケースがあります。

必要なのは「障害福祉サービス受給者証」で、手帳とは別の制度です。

詳しくは市区町村の障害福祉課にご相談ください。

就労継続支援と就労移行支援はどう違いますか?

就労継続支援は「働き続ける場」、就労移行支援は「2年以内に一般就労を目指す訓練の場」という違いがあります。

就労継続支援は利用期間に上限がなく、雇用契約(A型)または生産活動への参加(B型)を通じて働き続ける設計です。

就労移行支援は原則2年以内に一般就労を目指す訓練が中心で、生産活動による賃金/工賃の支給は前提とされていません。

就労移行支援の概要は就労移行支援(就労支援)ってどんなところ?で詳しく解説しています。

就労継続支援と自立訓練はどう違いますか?

就労継続支援は「働く場」、自立訓練(生活訓練)は「生活と自己理解を整える訓練の場」という違いがあります。

就労継続支援では生産活動を通じて賃金または工賃を受け取りますが、自立訓練は訓練の場であり、賃金・工賃の支給は前提とされていません。

「働く前に、生活と気持ちをいったん整えたい」「自分の特性をもう少し理解してから次を考えたい」という方は、自立訓練が選択肢として浮上してきます。

就労継続支援の利用期間に制限はありますか?

A型・B型ともに、利用期間の上限はありません。

年に1回程度、サービス等利用計画と受給者証の更新を行いながら、長期的に通い続けることができます。

「期間内に何かを達成しないといけない」というプレッシャーがない点が、就労継続支援のひとつの特徴です。

A型・B型から一般就労にステップアップできますか?

可能です。

A型・B型での経験を経て一般就労(障害者雇用または一般雇用)に進む方もいらっしゃいます。

事業所によっては、一般就労を目指す方向けに求職活動や職場見学のサポートを行うところもあります。

ステップアップを視野に入れたい方は、見学時に「過去に一般就労に移行した方がどれくらいいるか」を尋ねてみると、その事業所の支援姿勢が分かります。

A型とB型を併用できますか?

A型とB型を同時に並行利用することは原則できません。

ただし、相談支援事業所と連携しながら、サービス等利用計画の見直しを通じて、B型からA型へ、あるいはA型からB型へと利用先を切り替えることは可能です。

A型・B型と医療機関のデイケアを併用できますか?

A型・B型に通いながら、地域活動支援センターや医療機関のデイケアを併用するケースはあります。

主治医や相談支援専門員と相談しながら、本人にとって無理のない組み合わせを検討していくのが一般的です。

「A型・B型では物足りない」と感じたら、どうすれば良いですか?

利用者ご本人や事業所のスタッフと相談しながら、就労移行支援や一般就労への進路変更を検討できます。

定期的に行われる支援計画の見直しの際に、率直に希望を伝えていただくのが第一歩です。

「次のステップに進みたい気持ちが芽生えた」こと自体が、ひとつの前向きな変化として受け止められることが多いとされています。

まとめ

就労継続支援は、雇用契約のあるA型(平均月8.4万円)と雇用契約のないB型(平均月1.7万円)の2類型から成り、利用期間に上限がない点で「2年以内に一般就労を目指す」就労移行支援とは設計思想が異なります。

次の一歩としては、雇用契約の有無・収入の安定・通所頻度の柔軟さ・対象要件を踏まえ、自立訓練や就労移行支援も含めて自分の段階に合うサービスを2〜3か所の見学・体験で確かめてみてください。

エンラボカレッジでは、A型・B型・就労移行・自立訓練の選択整理のご相談を受け付けています。まずは見学・無料相談からお気軽にお問い合わせください。

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更新日:2026/05/31 公開日:2023/07/04

この記事について【作成・監修】

本記事は、自立訓練(生活訓練)事業所「エンラボカレッジ」を運営する株式会社エンラボの専門職スタッフが作成・監修しています。

【在籍資格】
精神保健福祉士・社会福祉士・臨床心理士・作業療法士・理学療法士

【現場での実践】
自立訓練(生活訓練)・就労移行支援などで、診断名・特性に合わせた個別支援を提供しています。

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