復職後にまた休みがち・仕事ができない|再休職を防ぐ働き方と相談先
更新日:2026/07/13
復職したはずなのに、朝になると体が動かない、出社前になると決まって胸のあたりがざわつく――。職場に戻ってから数週間、あるいは数か月が経ち、また休みがちになったり、仕事に集中できなくなったりして、「もう辞めてしまいたい」と思い悩む方は少なくありません。
復職後に再び不調が生じたり、欠勤が増えたりすることは、回復の過程において生じ得る事象の一つです。本人の努力不足や甘えによるものではなく、ご家族としても「せっかく復職したのに」とどう接すればよいか戸惑われる場面も多いのが実情です。
本記事では、復職後にうまくいかなくなりやすい要因を整理し、再び休みがちになったときの具体的な対処法や再休職を防ぐ働き方の工夫、辞めたいと感じたときの考え方、そして状況を立て直すための適切な相談先までを解説します。
復職後にうまくいかないのはなぜか──背景にある要因を整理する
「復職したのに、なぜまた休みがちになるのか」
その背景には、いくつかの要因が重なっていることがあります。
漠然とした「うまくいかない」という状態について、どのような背景があるのかを具体的に整理していくことで、ご自身の状況を客観的に捉えやすくなります。
復職後につまずくのは、珍しいことではない
職場に戻った直後から、すべてが順調に進む方ばかりではありません。
最初は気を張って乗り切れていたものの、数週間が経つころから疲れが抜けなくなり、再び休みがちになっていく――そうした立ち上がりの段階で壁にぶつかる方は少なくありません。
これは、本人の弱さや甘えによるものではなく、回復の途上でしばしば生じる経過の一つです。
「せっかく戻れたのに、また同じ状態になるなんて」と自分を責めてしまう方もいらっしゃいますが、まずは「回復の過程でつまずくこともある」という前提に立ち、いま何が起きているのかを落ち着いて確認していくことが大切です。
うまくいかなくなりやすい4つの要因
復職後に体調を崩しやすくなるとき、その背景には次のような要因が重なっている場合があります。
- 体力や集中力が回復しきる前の復帰
休養前の状態にまだ戻りきっておらず、一日働くだけで過度に消耗してしまう場合 - 業務量や負荷が以前のまま戻った
段階的ではなく、いきなり休職前と同じ量や質の仕事を求められることで、心身に無理が生じやすくなる - 環境の変化
異動やメンバーの交代、テレワーク化など、戻った先の職場環境が休職前と変わっており、新しい環境に適応するために多くのエネルギーを要する場合 - 二次的な不調の再燃
気分の落ち込みや不眠、強い不安といった症状が、再び現れてくる場合
その不調は、努力不足のせいではない
「もっと頑張れば乗り切れるはず」と、思うようにいかない自分を責めてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、真面目で責任感が強い方ほど、「周囲に迷惑をかけられない」「期待に応えなければ」と無理を重ねてしまい、結果として再び不調を招きやすい側面があります。
これは努力不足ではなく、回復の途上で起きやすい反応の一つです。
「また休みがち」になったときの対処
欠勤が増えてきたとき、「気合いで乗り切ろう」とするほど、かえって悪循環になる場面があります。
ここでは、また休みがちになってきたと感じたときに、いまできることを整理します。
早めに相談する──抱え込む前に
「もう少し頑張ってから相談しよう」と先延ばしにしてしまう方もいらっしゃいますが、不調のサインが出始めた段階で相談したほうが、職場側も調整できる選択肢が多く残されている傾向があります。
欠勤や遅刻が増えてきた、朝起きられない日がある、集中力が続かない――こうしたサインに気づいたら、状態が深刻化する前に、信頼できる相手へ早めに状況を伝えておくことが助けになります。
早期に対応を始めるほど、無理のない範囲での調整が行いやすくなる場合があります。
主治医・産業医に状態を伝える
自己判断で「まだ働ける」と無理を続けるのではなく、主治医や産業医にいまの状態を正直に伝えることが大切です。
主治医や産業医は、職場復帰後の働き方の見直しや調整において、専門的な見地から意見を述べる役割を担っています。
主治医による診断書や、産業医による意見書などを通じて、就業上の配慮を会社側に検討してもらうための具体的な判断材料を示せる場合があります。
「我慢して通い続ける」ことだけを選択肢とせず、専門家を交えて状況を共有することが重要です。
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勤務調整を相談する
「いまの条件で通い続けるしかない」と思い込まず、働き方の柔軟な変更について相談してみるという道もあります。
会社や産業医と協議しながら、次のような調整を検討できる場合があります。
- 短時間勤務への切り替え
- 当面の業務量の軽減やタスクの見直し
- 在宅勤務(テレワーク)の一部導入
ただし、どのような調整や制度が利用できるかは、勤務先の就業規則や業務の性質によって異なります。
まずは一人で抱え込まずに相談窓口や上司にアプローチしてみることが、状況を立て直すための第一歩となります。
休む選択も含めて考える
勤務調整などの対策を講じても負荷が重すぎると感じるときは、医師の判断のもとで、もう一度療養(再休職)を選択することが必要になる場合もあります。
再び休むことを「後退」や「失敗」と捉える必要はありません。
心身の回復を最優先にするために必要な選択となる場合があり、その判断は主治医としっかり相談しながら決めていくものです。
復職後につまずいた状況別の手がかり
同じ「うまくいかない」という状態であっても、その要因や直面している状況によって適したアプローチは異なります。
前述した4つの要因について、それぞれの場面に応じた具体的な対応の選択肢を整理します。
体力・集中力が続かないとき
一日働くだけで過度に消耗してしまう、午後になると業務への集中が難しくなる――そのようなときは、最初から休職前と同等のパフォーマンスを求めないことが前提となります。
一日の業務負荷を細かく区切る、適切なタイミングで休憩を挟むなど、「まだ回復の途中である」という認識のもとで予定を組む方法があります。
最初の数か月間は業務に心身を慣らしていく「助走期間」と捉え、段階的にペースを上げていくことが疲れを翌日に持ち越さないための工夫となります。
業務量が多すぎるとき
複数の依頼が重なり、対応が追いつかずに焦りが生じてしまう――そのようなときは、状況を一人で抱え込まず、業務量や分担の見直しを上司に相談することが選択肢となります。
現在抱えているタスクを書き出して視覚的に整理し、優先順位を上司と改めて確認する、「現時点で無理なく対応できる範囲」を共有し直す、といったやり取りが有効です。
業務の分担や調整を周囲に相談することは、持続可能な働き方を維持するための適切なリスク管理の一環と言えます。
環境が変わってなじめないとき
復職後に部署異動があった、あるいは職場のメンバーや業務システムが変わっていた――そのようなときは、新しい環境に適応すること自体にエネルギーを要することを想定し、少しずつ順ならしていくアプローチが求められます。
いきなり以前と同じように立ち回ろうとせず、まずは周囲との基本的なコミュニケーションや情報の確認から始める、不明な点は早めに確認する、といった行動が挙げられます。
環境の慣れ直しには一定の時間を要するのが一般的であることを認識しておくことで、過度な焦りを防ぎやすくなります。
気分・体調がまた落ちてきたとき
気分の落ち込みが続く、眠れない日が増えてきた、業務に手がつかない――そのようなときは、自身の変化(サイン)に早期に気づくための工夫を取り入れることが助けになります。
睡眠時間や日々の気分の変化を簡単に記録しておき、あらかじめ「このようなサインが続いたら相談する」という基準を設けておく方法があります。これらの記録は、主治医に状態を正確に伝える際にも役立ちます。
なお、その不調がどのような状態に該当するかの医学的な判断は、自己判断せず、必ず主治医の診断を仰いでください。
エンラボカレッジでは、無料見学・相談を受け付けています
「復職後に再び体調を崩してしまい、まずは生活リズムや自己理解を立て直したい」
「再休職を防ぐために、自身の特性や働き方をもう一度見直したい」
――そのような場合は、障害福祉の専門スタッフに無料で相談することができます。
再休職を防止するための状況整理や、今後の立て直しに関する相談にも対応しています。
「まずは見学してみたい」「詳しい話を聞いてみたい」という段階での利用も可能です。
再休職を防ぐ働き方
直近の不調を乗り越えたあとも、持続可能に働き続けるためには、いくつかの生活・就業面の土台を整えておくことが有効なアプローチとなります。
ここでは、再休職の防止に向けて意識したい働き方のポイントを整理します。
負荷を管理する──段階的なペース配分
「職場に復帰できた段階」は、必ずしも心身の機能が完全に回復しきった状態(全快)とは限りません。
復帰直後から休職前と同等の業務量や成果を維持しようとすると、過度な負荷となり状況が悪化しやすくなります。
日々の調子には波があることを前提に、段階的に業務のペースを戻していく視点が重要です。
過度な無理を重ねるよりも、回復の途中であることを意識して業務負荷をコントロールするほうが、結果として就業の安定につながりやすい傾向があります。
生活リズムを保つ
起床、睡眠、食事の規則正しいリズムは、心身の健康を維持するための基盤となります。
生活リズムが乱れ始めることは、体調悪化の初期サインとして現れる場合もあります。
就寝時間が遅くなる、食事の時間が不規則になるなどの変化に気づいた場合は、無理のない範囲で少しずつ元のリズムへ整え直していくことが、調子を安定させることにつながります。
通院・服薬を継続する
状態が安定してきたからといって、自己判断で通院や服薬を中断してしまう例が見られますが、自覚症状が落ち着いていても、体内や精神面では回復の途上にある場合があります。
通院の頻度や服薬の量、いつまで治療を継続するかといった判断は、自己判断ではなく、必ず主治医と協議の上で決定してください。
医師の指示通りに通院・服薬を続けることは、体調を安定させるだけでなく、万が一の再燃を早期に発見することにもつながります。
複数の相談先を確保しておく
不調や不安を一人で抱え込まず、速やかに相談できる環境を整えておくことも、再休職を防ぐ重要な備えとなります。
相談先は一つに限定せず、主治医、産業医、社内の人事労務担当者、外部の支援機関、家族など、役割に応じて複数持っておくことが推奨されます。
自身がどのような場面で疲労を蓄積しやすいか、どのような配慮を受けると業務を継続しやすいかを事前に整理しておくと、必要なときに周囲へ状況を伝えやすくなります。
これらの特性や希望する配慮の形を一冊にまとめる方法については、記事の後半で詳しく解説します。
復職後に「辞めたい」と感じたときの考え方
復職後に体調が安定しない状態が続くと、「これ以上続けるのは難しく、退職したほうがよいのではないか」と思いつめてしまう場合があります。
今後の就労継続や退職の是非は人生における大きな選択であるからこそ、焦って極端な結論を出さず、いくつかの視点を持って状況を整理することが推奨されます。
「辞めたい」という思いが不調のサインである場合も
心身のつらさが強い時期は、冷静な状況分析が難しくなり、「すべてを投げ出したい」「辞める以外の選択肢がない」といった二者択一の思考に陥りやすい側面があります。
これは個人の意思や考え方の問題だけではなく、心身の不調によって一時的に判断の幅が狭まっているというサインである可能性も考慮する必要があります。
そのようなときは、まず医療機関等の協力を得て体調の安定を最優先にし、状態が少し落ち着いた段階で改めて「退職か継続か」を検討するという順序を取ることも有効です。
現在の退職願望が客観的な状況判断に基づくものなのか、あるいは一時的な体調悪化に起因するものなのかを一人で区別することは容易ではないため、意思決定の期限を一旦保留にするという選択も大切です。
判断を一人で抱え込まず、専門家や職場と協議する
退職に関する最終的な判断を、自分一人だけで背負い込む必要はありません。
主治医、産業医、勤務先の人事労務担当者など、それぞれの立場からの意見を聞きながら共同で検討していくことができます。
実際に退職を届け出る前に、勤務先の就業規則や現在の体調をふまえた上で、さらなる勤務条件の調整や、もう一度療養期間(再休職)を設けるといった選択肢が適用できる場合があります。
衝動的に決断を下してしまう前に、まずは活用可能な社内制度や配慮の選択肢が残されているかを確認し、複数の専門家と相談を重ねることで、可能性を広げる選択に繋がりやすくなります。
別の選択肢を視野に入れた「働き方の再構築」
状況を精査し、専門家とも相談した上で、現在の職場環境を維持することが心身の健康にとって困難であると判断される場合もあります。
その際には、退職を選択肢に入れつつ、転職活動、障害者雇用枠での就労、あるいは就労移行支援などの福祉サービスの活用といった、多様な進路へシフトしていく道が挙げられます。
環境や就労形態を切り替えることは後退ではなく、自身に合った持続可能な働き方を組み立て直す「再構築」の選択肢の一つです。
どの道を選ぶとしても、ひとりで抱え込んで決める必要はありません。
信頼できる人や専門家に相談しながら、あなたが「これでよかった」と思える選択を一緒に見つけていきましょう。
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もう一度立て直すための選択肢
いったん立ち止まって自身の状態や働き方を見直すことは、結果として長期的な就業を支える土台となる場合があります。
ここでは、再療養(再休職)を含めた状況立て直しの方向性と選択肢について解説します。
再び療養(再休職)が必要になる場合も
勤務調整などの対策を講じても業務負荷が重く、体調の維持が困難な場合は、再度療養期間を設ける(再休職する)ことが適切な選択肢となる場合があります。
再び休むことを「失敗」と捉える必要はありません。
健康の回復に専念することが必要な局面もあり、その判断は主治医の医学的見解や産業医の意見をもとに決定していくものです。
なお、再休職の際には、勤務先の就業規則において「休職期間の通算規定(前回の休職期間と合算されるルールなど)」がどのように定められているか、人事労務担当窓口へあらかじめ確認しておくことが重要です。
療養期間を自身の特性整理に充てる
再び療養に充てることになった期間は、単に就業を中断するだけでなく、今後の働き方を組み立て直すための重要な準備期間として活用することができます。
過去の就業において何が主な負荷要因であったのか、どのような配慮や環境があれば安定して働き続けられるのかを、客観的に整理する機会となります。
このような生活リズムの立て直しや、自身の特性・傾向の整理を専門的に支える場の一つに、障害者総合支援法に基づく福祉サービスである「自立訓練(生活訓練)」があります。
自立訓練では、通所などを通じて生活基盤を整えながら、持続可能な働き方に向けた自己理解を深めるプログラムが提供されています。
また、在職中・休職中の方が利用される場合は、お住まいの自治体(市区町村の障害福祉窓口)による支給決定手続きが必要となるため、事前の確認が必要です。
多様な選択肢から次の進路を検討する
復職後につまずいたあとの立て直し先は、必ずしも元の職場や元の働き方に限定されるわけではありません。
次のような複数の選択肢を視野に入れ、現在の調子や状況に合わせて段階的に検討していくことができます。
- 現在の職場へ、就業制限や配慮を再調整した上で復帰する
- 社内での配置転換(異動)や、別の環境(転職)での復職を目指す
- 障害者雇用枠での就労を選択肢に含める
- 福祉サービス等を一定期間活用し、就労に必要な土台を整えてから次の進路を選ぶ
どの選択肢が最適であるかは、個人の体調や勤務先の制度、周囲のサポート環境によって異なります。
一人で進路を決定しようとせず、主治医や産業医、公的な支援機関と協議を重ねながら、客観的な状況に基づいて選んでいくことが推奨されます。
家族・周囲ができるサポート
ご家族やパートナーの中には、
「せっかく復職したのに、また休みがちになってしまい、どのように接すればよいか分からない」
と戸惑われる方も少なくありません。
本人を前にして、励ますべきか、あるいは見守るべきか迷うのは、ごく自然なことです。
焦りや負担を和らげる関わり方
「また休むのか」「せっかく職場に戻れたのに」
といった焦りや落胆の言葉は、本人にとって強い心理的プレッシャーとなる場合があります。
本人はすでに現状に対して危機感や負担を感じ、精一杯向き合っていることが多いためです。
先回りしてアドバイスをしたり、決断を急かしたりするよりも、本人の話や現状をそのまま傾聴することが、精神的な安定につながりやすくなります。
家族自身が負担を抱え込まないために
本人を支える立場のご家族も、不安や慢性的な疲労を抱え込みやすい傾向にあります。
「自分がしっかり支えなければならない」と過度に気負いすぎると、支える側の心身が先に消耗してしまうリスクがあります。
復職後の関わり方や今後の見通しについて、まずはご家族だけで専門機関に相談することも可能です。
本人がまだ外出や相談ができない段階であっても、ご家族が事前に情報を集めておくことは、将来的な対応の選択肢を広げることにつながります。
一人で抱え込まず、地域の精神保健福祉センターや保健所、福祉サービスの相談窓口など、家族向けの相談を受け付けている公的な機関を活用してください。
一人で抱えないための相談先・支援
「具体的にどこへ相談すればよいか分からない」と迷われる場合もあるかと思います。
復職後の不調に関わる相談先は、それぞれの役割ごとに分かれています。適切な窓口を把握しておくことで、状況に応じた支援を受けやすくなります。
役割ごとの相談先
復職後の不調や働き方の見直しに関わる主な相談先と、それぞれの役割は以下の通りです。
- 医療(主治医・精神科・心療内科)
病状の確認や、医学的な見地に基づく就業可否の判断などを担います。職場へ配慮を求める際の根拠となる診断書の作成などもここで行われます。 - 職場(産業医・人事労務担当者・上司)
勤務調整や就業上の配慮、社内制度の適用について相談・調整を行う窓口です。産業医は、主治医の診断書をもとに、職場環境に合わせた就業上の意見書を会社に提出する役割を担う場合があります。 - 行政・公的機関(地域障害者職業センター・ハローワークなど)
職場復帰に向けた専門的なリハビリテーション支援や、就労に関する全般的な相談に対応します。 - 福祉サービス(自立訓練・就労移行支援など)
通所などのプログラムを通じて、生活リズムの構築、自己理解の深め、働くための準備などを段階的に整えていく機関です。
公的な復職支援(リワーク支援)の例
公的な支援機関である地域障害者職業センターでは、うつ病などで休職している方を対象に、主治医とも連携しながら、円滑な職場復帰に向けた「リワーク支援」を提供しています。
プログラムの期間は4〜6か月程度が目安となり、休職中の社員、企業の担当者、主治医の三者が協働して復帰に向けた準備を進めるのが特徴です。
対象となるのは主として雇用保険適用事業所に雇用されている休職中の方であり、国、地方公共団体、行政執行法人、特定地方独立行政法人に在職している方は原則として対象外となります。
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症状のつらさが強い場合は速やかに医療機関へ
最適な相談先を検討している間であっても、状態が急激に悪化したり、強い苦痛を感じたりする場合があります。
気分の落ち込みが続く、睡眠が十分にとれない、業務に全く手につかないといった状態が長引くときは、相談窓口の絞り込みを急ぐ前に、まずは主治医や医療機関に現在の状態を正確に伝えてください。
早期に適切な医学的ケアを受けることが、回復に向けた最優先の対応となります。
自己理解に時間を使い、状況に合わせた「次」を選択する
復職後につまずいた際、「速やかに元の就業状態に戻さなければならない」と焦りを感じるケースは少なくありません。
しかし、いったん就業を止め、自身の状態を客観的に見つめ直す期間を設けることは、長期的な安定就労に向けた重要な土台となります。
自立訓練(生活訓練)を提供するエンラボカレッジは、そのための環境を整える選択肢の一つです。
自己理解を深める4つのステージ
エンラボカレッジでは、自立訓練(生活訓練)の枠組みにおいて、段階的にステップを進める4つのステージ構成を採用しています。
自己の特性を把握する段階から始まり、学んだ対処法を日常生活や模擬環境で実践し、それを応用しながら自信を持って次のステップ(復職や進路決定)へ進む流れです。
制度上の利用期間は原則2年間と定められていますが、数か月間の利用で復職へ至るケースなど、実際の過ごし方は個人の状況によって異なります。
再休職を機に、自身の特性や疲労蓄積の傾向を見直す期間として活用することも可能です。
「早期の就職・復職のみをゴールとしない」という特性を活かし、自己理解や体調コントロールといった、就業および日常生活の基盤となる部分に対して段階的に取り組むことができます。
なお、利用にあたっては、お住まいの自治体による支給決定(受給者証の交付)手続きが必要となります。
自身の特徴と必要な配慮を可視化できる
エンラボカレッジでは、自身の特性、得意・不得意なプロセス、周囲に希望するサポート内容などを整理して一冊にまとめる『自分/支え方マニュアル』を、自己理解プログラム(My Lab.)を通じて作成することができます。
これは、先ほど解説した「相談先へ自身の状態を適切に伝えるための材料」を具体化したものです。
将来的な復職時や、就業を継続していく過程において、
「どのような場面で負荷がかかりやすいか」
「どのような配慮があると業務を遂行しやすいか」
を職場(上司や人事担当者など)へ客観的に説明する際の有効なツールとして活用できます。
「就職ありき」に限定しない多様な進路選択
エンラボカレッジでは、卒業後の進路を特定の形態のみに限定していません。
休職中の職場への復職をはじめ、障害者雇用枠での新規就労、就労継続支援(A型・B型)の活用、あるいは大学や専門学校への復学など、本人の状態や希望する方向性に合わせて個別に検討を重ねていきます。
状況の立て直しに合わせて、周囲からの過度なプレッシャーを受けることなく、自身の適性に合致した選択肢を考えていくことができます。
復職後の不調と向き合った、エンラボカレッジ利用者の事例
※以下は自立訓練(生活訓練)エンラボカレッジを利用された方の支援事例です(医学的な症例研究や治療効果を示すものではありません)。
事例1:休職をきっかけに、自身の思考や傾向の整理に取り組んだケース
利用前の状況
Aさんは、職場での業務負荷が重なるうちに体調を崩し、休職に至りました。一度は復職を試みたものの、再び休みがちになってしまい、「今後の就労をどのように継続していけばよいか」という強い不安を抱えていました。
エンラボでの取り組み
プログラムを通じて、自身の心理的な動きや考え方の傾向を少しずつ言語化していきました。生活リズムの安定を図りながら、どのような場面で疲労やストレスを蓄積しやすいかを記録し、自身の状態を客観的に把握する習慣を身につけていきました。
その後の一歩
自身の特性や状況を整理できたことで、職場環境に対して希望する配慮を具体的に言葉にできるようになり、客観的な視点から次の一歩を検討できるようになりました。
事例2:不調の波を考慮しながら、生活基盤を整え直したケース
利用前の状況
Bさんは、復職後に業務への集中を維持することが難しくなり、業務量への対応からも心身を消耗し、再度の療養(再休職)を選択することになりました。
「また同じ状況を繰り返してしまうのではないか」という懸念から、次のステップへ進むことに慎重になっていました。
エンラボでの取り組み
まずは規則正しい生活リズムを構築することから開始し、自己理解を深めるプログラム(My Lab.)を活用して、自身の得意・不得意なプロセスと必要なサポート環境を整理していきました。
また、身体や心のリズムに意識を向けるプログラム(ソマティック Lab.)を通じて、不調の初期サインに早期に気づく練習を重ねました。
その後の一歩
自身にとって負荷となりやすい要因や傾向が明確になったことで、無理のない働き方の条件を周囲と相談しながら、安定した生活・就業の土台を整えていきました。
事例3:就労への不安をふまえ、段階的に生活習慣を立て直したケース
利用前の状況
Cさんは、過去に復職後につまずいた経験から、再び働くことに対して強い不安や心理的抵抗を感じていました。
外出すること自体のハードルも高くなっており、早期の職場復帰を考えることが難しい時期が続いていました。
エンラボでの取り組み
まずは定期的に通所すること自体をスモールステップ(小さな目標)とし、生活リズムの改善から取り組みました。
各種アクティビティやグループワーク(Social Lab.)への参加を通じて、他者と関わる環境に少しずつ心身を慣らし、段階的に行動範囲を広げていきました。
その後の一歩
生活習慣の基盤が安定したことで、過度に自身を責める傾向が和らぎ、自身の状態に見合った持続可能な働き方や進路について、落ち着いて選択肢を精査できるようになりました。
まとめ
復職後に再び休みがちになったり、集中が難しくなったりすることは、回復の過程において十分に起こり得る経過の一つです。決してご自身を責める必要はありません。
漠然とした不安やうまくいかない状態も、体力面、業務量、職場環境などの具体的な要因に分けて捉えることで、適切な対応の手がかりが見えてくる場合があります。「退職」や「再休職」という選択肢が頭をよぎった際にも、一人で結論を急がず、まずは主治医や産業医、勤務先の人事労務担当者、専門の福祉機関などへ相談してみることをおすすめします。なお、活用できる制度や適用条件は、勤務先の就業規則や個人の状況により異なるため、各窓口への確認が必要です。
これからの働き方や生活リズムの選択肢は一つではありません。自分一人で背負い込まず、客観的なアドバイスを受けられる窓口を頼ることから、状況を少しずつ立て直していきませんか。まずは専門スタッフへの相談や、施設の見学など、できる一歩からはじめてみましょう。
監修
株式会社エンラボ 専門職チーム
精神保健福祉士・社会福祉士・臨床心理士・作業療法士・理学療法士が在籍し、福祉・医療・心理の専門的な視点から記事内容を確認しています。