発達障害でコミュニケーションが苦手な理由|ASD/ADHD対処法

更新日:2026/05/31

言葉の裏が読めず気まずくなる、会議中に話が頭に入らない、悪気なく相手を怒らせてしまう――発達障害のある方やご家族から、こうした困りごとを伺う場面は少なくありません。

背景には、脳機能の発達のアンバランスさと、社会で求められる「言葉にされないコツ」とのミスマッチがあります。本人の努力不足ではなく、ASD・ADHD・LDそれぞれの特性に応じた工夫と、周囲の合理的配慮の組み合わせで、困りごとは大きく軽減します。

本記事では、ASD・ADHD・LDそれぞれの特性と、当事者・家族・職場の3者に向けた具体的な対処法について紹介します。

なぜ「コミュニケーションが苦手」と言われる?

最初に、なぜ「発達障害=コミュニケーションが苦手」というイメージが広がっているのか、その背景を見ていきましょう。

コミュニケーションの「コツ」は言語化されていない?

私たちが日常で交わしている会話には、言葉そのもの以外に、表情・声のトーン・間・暗黙の前提など、明文化されていない多くの情報が含まれています。

「ちょっと手伝って」と言われたときに、状況から「いまの作業を中断するほどの緊急性ではない」と判断したり、「大丈夫?」という質問が体調確認ではなく「困っていないか」を尋ねる意味だと察したりすることは、多くの方が無意識に行っている処理です。

こうした「言語化されないコツ」を、その場の文脈から汲み取ることが、発達障害のある方にとっては難易度の高い作業になりやすいとされています。

発達障害にはどんなタイプがある?

厚生労働省や日本発達障害学会の整理では、主な発達障害は「ASD(自閉スペクトラム症)」「ADHD(注意欠如多動症)」「LD・SLD(限局性学習症)」の3つに分類されています。

これらの特性は重なり合って表れることが多く、特性の出方や程度は人によって大きく異なります。

コミュニケーションへの影響も、3タイプそれぞれで異なる現れ方をします。

困りごとは環境次第で変わる?

「特性そのもの」と「困りごと」は区別して捉える必要があります。

たとえば、対面の会話が苦手な方でも、テキストチャット中心の職場であれば困りごとは大きくなりにくい一方、電話応対が中心の職場では強い負荷がかかります。

つまり、コミュニケーションの困りごとは「本人の特性」だけでなく、「環境のあり方」との掛け算で生じるものです。

この前提を踏まえると、対処の選択肢は「本人が頑張る」だけでなく、「環境を調整する」「周囲が関わり方を変える」も含めて広がります。

ASDの方はどんなことで困りやすい?

ここから、3タイプそれぞれのコミュニケーション特性を見ていきます。

ASD(自閉スペクトラム症)は、社会的コミュニケーション・対人相互作用の難しさと、限定された反復的な行動・興味・活動を主な特徴とする発達障害です。

なぜ言葉を字義通りに受け取りやすい?

ASDの方のコミュニケーション特性として最も知られているのは、言葉を字義通りに受け取りやすい傾向です。

たとえば「ちょっと待ってて」と言われて、何時間も同じ場所で待ち続けてしまう、「適当にやっておいて」と指示されて、どの程度の精度で進めれば良いか分からず固まってしまう、といった場面が挙げられます。

「言葉の裏を読む」「行間を察する」ことが苦手なため、曖昧な表現や比喩・皮肉が混じる会話で齟齬が生じやすくなります。

表情や声色を読み取るのが苦手?

会話の相手の表情・声のトーン・視線などから、感情や意図を読み取ることに難しさを感じる方もいます。

相手が不機嫌そうにしていても気づかずに話し続けてしまう、冗談を真に受けてしまう、自分の話したいことを一方的に話してしまう、といった行動につながることがあります。

本人としては悪気が一切なく、むしろ誠実に応えようとしているのに、結果として相手に「空気が読めない」と受け止められてしまう――この温度差が、ASDのある方の対人疲労の大きな要因になります。

会話のラリーが続きにくいのはなぜ?

特定のテーマに強い興味を持つことはASDの強みでもありますが、会話のなかでそのテーマになると、相手の反応を見ずに詳細を話し続けてしまうことがあります。

会話は「ボールのラリー」と例えられますが、ASDのある方にとっては、相手にボールを返すタイミング、ボールの強さ、相手が打ち返せる位置を考えることが、同時並行の処理となって負荷が高くなりやすい場面です。

急な予定変更はなぜ疲れる?

「これからミーティングの予定だったが急に予定が変わって別件の対応になった」「同僚の雑談に途中から加わるよう促された」――こうした予定外の場面切り替えで、強い疲労や混乱を覚える方もいます。

事前に予測できる範囲では問題なく対応できる方が、予測できない切り替えにだけ大きな負荷を抱えるパターンも見られます。

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ADHDの方はどんなことで困りやすい?

ADHD(注意欠如多動症)は、不注意・多動性・衝動性を主な特徴とする発達障害です。

ASDとは異なる現れ方で、コミュニケーションに影響が出ることがあります。

なぜ思ったことが先に口から出てしまう?

ADHDのある方の特性として知られるのが、「思ったことが先に口から出てしまう」衝動性です。

会議中に相手の話を最後まで聞かずに発言してしまう、雑談の流れで関係のない話題に切り替えてしまう、相手が落ち込んでいる場面で励まそうとして余計に傷つく言葉を選んでしまう、といったパターンが見られます。

本人としては「相手の役に立ちたい」「会話を活発にしたい」という前向きな気持ちから動いているのに、結果としてその場の空気を乱してしまう――ここに本人と周囲の認識のギャップが生まれます。

マルチタスク中に話を聞き逃すのはなぜ?

ADHDのある方は、刺激の多い環境で注意が分散しやすい傾向があります。

「PC作業をしながら同僚と話す」「電話で話しながらメモを取る」「会議中に資料を確認しながら議論に加わる」――こうしたマルチタスク場面で、会話の内容を取りこぼしてしまうことが起きやすいとされています。

本人は「聞いていた」つもりでも、後から重要な指示が抜け落ちていることに気づき、周囲から「集中していない」と誤解される、といったすれ違いが生じやすい場面です。

長い説明はなぜ疲れる?

短時間の集中は得意でも、長時間にわたる説明や、抽象度の高い議論を聞き続けることに疲労を感じる方もいます。

会議の途中で意識が別のことに飛んでしまう、相手の話の途中で「結論は何ですか?」と聞きたくなる、メモを取ろうとしても要点が絞れない――こうした困りごとが繰り返されると、本人も周囲も「コミュニケーションが噛み合わない」と感じやすくなります。

雑談を上手に終われない?

ADHDのある方は、会話を始めるよりも「適切に終わらせる」ことに難しさを感じるケースが目立ちます。

相手が会話を切り上げたい合図を出していても気づかずに話し続けてしまう、自分の関心ある話題で盛り上がりすぎてしまう、結果として相手から「話が長い」と思われる――こうした場面の積み重ねが、ADHDのある方の対人疲労につながります。

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LDの方はどんなことで困りやすい?

LD(限局性学習症)は、知的発達の遅れはないものの、「読む」「書く」「計算する」など特定の領域に困難がある発達障害です。

コミュニケーションそのものよりも、文字情報を介したやり取りで困りごとが目立ちやすい特徴があります。

メールやチャットで起きる困りごと

LDのなかでも読字に困難がある方(ディスレクシア)の場合、長文のメールやチャットを読むのに時間がかかったり、誤読をしてしまったりすることがあります。

職場ではメールでの指示が中心になることが多く、口頭であれば理解できる内容でも、文字で送られると処理に強い負荷がかかる、という困りごとが報告されています。

書字に困難がある方(ディスグラフィア)の場合、自分の考えを文字で表現することに時間がかかり、報告書やメールの返信が遅れがちになる、といった場面が見られます。

「読めば分かる」前提とのギャップ

職場の多くは「マニュアルを読めば理解できる」「メールで送れば伝わる」という前提で動いています。

しかしLDのある方にとっては、その「読めば分かるはず」が成立しないことがあり、結果として「指示を聞いていない」「マニュアルを読んでいない」と誤解されることが起こります。

LDの方の場合、文字情報を音声に変換するツールや、図解での説明を組み合わせるなど、入力の経路を変える工夫が有効とされています。

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場面別のよくある困りごとを見ていきましょう

ここまでは特性ごとに整理しましたが、実際の生活や仕事の場面ではどう現れるのかを、10シーンに分けて見ていきます。

シーン1|上司から「いい感じにやっておいて」と言われたとき

ASDのある方が最も困りやすい場面のひとつです。

「いい感じ」が指す具体的な精度・期限・形式が曖昧で、何をどこまで仕上げれば良いか判断できず、固まってしまうことがあります。

対処としては、「具体的には、どの形式で、いつまでに、どの程度の精度で必要ですか?」と質問するスクリプトを事前に用意しておく方法が有効です。

質問を躊躇する方は、「確認のため復唱させてください」と前置きしてから具体化していく、という形も取り入れやすい工夫です。

シーン2|会議中に他のメンバーが急に話を振ってきたとき

ADHD・ASDどちらの方も困りやすい場面です。

事前に予定されていなかった発言を求められると、頭の整理が追いつかず、的外れな答えを返してしまったり、長く考え込んでしまったりすることがあります。

「少し考えさせてください、後ほどお返事します」と即答せずに保留にする選択肢を、自分のなかで「使ってよいカード」として持っておくと、突発的な場面でも対応しやすくなります。

シーン3|雑談に途中から加わるとき

「みんなで雑談しているところに、後から加わるよう促された」場面は、ASD・ADHD両方の方にとって負荷の高い瞬間です。

ASDのある方は「今までの会話の文脈が分からない」状態で会話に入ることに強い負荷を覚え、ADHDのある方は「興味のない話題で集中が続かない」状態に疲れを感じやすいとされています。

対処としては、「途中から加わって申し訳ないのですが、いまどんな話題でしたか?」と最初に文脈を確認する一文を持っておくと、会話に入りやすくなります。

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シーン4|冗談や皮肉を真に受けてしまうとき

ASDのある方が経験しやすい場面です。

「もう知らないよ」「勝手にしなさい」といった言い回しを字義通りに受け取り、相手が本当に怒っていると感じて固まってしまう、というケースがあります。

対処としては、「いま言われたことを字義通りに受け取って良いですか?」と確認するスクリプトを持つこと、また家族や信頼できる同僚に「冗談だったか」を後から確認できる関係を作っておくことが有効です。

シーン5|マルチタスク中に話しかけられたとき

ADHDのある方は、PC作業に集中している最中に話しかけられると、注意が両方に分散して、どちらも中途半端になりやすい傾向があります。

「いま手が離せないので、5分後にお時間をいただけますか?」と区切りを明示する一言を持っておくと、相手にも自分にも優しい対応になります。

職場で「集中タイム」と「対話タイム」を時間帯で分ける運用を導入できれば、本人だけでなくチーム全体の生産性が上がる、というケースも報告されています。

シーン6|長い会議で集中が続かなくなったとき

ADHD・ASDどちらの方にも起こりうる場面です。

対処としては、会議の冒頭で「議題と所要時間」を確認する、メモを取りながら自分の役割を明確にする、適度に質問を挟んで思考をリセットする、といった工夫が有効とされています。

「集中が続かないこと」を弱みとして隠すのではなく、上司や同僚に事前に伝えておくと、休憩のタイミングや座席の配置を調整してもらえることがあります。

シーン7|電話応対で言葉が出てこなくなったとき

ASDのある方は、相手の声だけで状況を判断しながら適切な返答を即座に組み立てる電話応対に、強い負荷を感じることがあります。

対処としては、よくある問い合わせのスクリプトを手元に用意しておく、難しい内容は「折り返しご連絡します」と保留にする、メール対応への振り替えを職場と相談する、といった選択肢が考えられます。

シーン8|複数人の会話で誰の話を聞けば良いか分からないとき

ASD・ADHDどちらの方も、複数人が同時に話している場面で、どの声に注意を向ければ良いか分からず混乱することがあります。

対処としては、会話の中心人物の近くに座る、自分が発言する番が来たら「いまの〇〇さんの話に対してですが」と前置きする、といった工夫が有効です。

会議では事前に発言順を決めておく、ファシリテーター役を設ける、といった環境調整も効果を発揮します。

シーン9|断りたい場面でうまく断れないとき

ASDのある方は、相手の表情や雰囲気を読み取って柔らかく断ることに難しさを覚えることがあり、ADHDのある方は、衝動的に引き受けてしまった後で抱えきれなくなることが起きやすいとされています。

対処としては、断りスクリプトを事前に複数用意しておく方法が有効です。

「ありがとうございます。今は他の業務を抱えていて難しいので、来週以降であれば検討できます」のように、感謝+現状+代替案の3要素で組み立てると、相手にも誠実さが伝わりやすくなります。

シーン10|謝罪・お詫びの場面で気持ちを伝えられないとき

ASDのある方は、相手の感情に共感を示しながら謝罪することに、強い緊張を覚えることがあります。

対処としては、「事実→お詫び→今後の対策」の3要素で謝罪を組み立てるテンプレを持っておくこと、信頼できる第三者に立ち会ってもらうこと、メールでの謝罪文を併用すること、などの工夫が選択肢として挙げられます。

当事者にできる対処は?

ここまでの場面別の整理を踏まえて、当事者の方が取り組みやすい対処アプローチを3つ整理します。

アプローチ1|自己理解:自分の取扱説明書を作る

最初に取り組みたいのは、「自分の特性プロファイル」を言語化することです。

「どんな場面で困るか」「困ったときに何があると助かるか」「強みとして発揮できる場面はどこか」を、文字や図にまとめておくと、自分自身が混乱したときに立ち戻れる土台になります。

エンラボカレッジでは、My Lab.という独自プログラムで『自分/支え方マニュアル』という成果物を作成しており、卒業後も職場や家庭で継続活用できるツールとして機能しています。

自分一人で言語化が難しい場合は、自立訓練(生活訓練)や就労移行支援などの福祉サービス、または医療機関や相談支援機関のサポートを活用するのも選択肢のひとつです。

アプローチ2|スクリプト化:困った場面の対処を事前に準備する

「いざその場面が来てから考える」のではなく、事前にスクリプトを準備しておく方法が有効とされています。

「曖昧な指示を受けたときの質問の仕方」「断りたい場面の断り方」「会議で意見を求められたときの保留の仕方」――こうした場面ごとのスクリプトを、自分なりに10〜20パターン用意しておくと、突発的な場面でも落ち着いて対応できます。

スクリプトは一度作って終わりではなく、実際に使ってみて手応えのあったものを残し、上手くいかなかったものは改訂していく、という運用が現実的です。

アプローチ3|環境調整:合理的配慮を職場・家庭に依頼する

「本人が頑張る」だけでなく、「環境を整える」ことも重要な選択肢です。

職場であれば、口頭ではなくテキストで指示をもらう、会議の議題を事前共有してもらう、座席を静かな場所にしてもらう、といった配慮を依頼できます。

家庭であれば、「予定変更は前日までに伝えてもらう」「重要な話は文字に残してもらう」といった合意を作っておくと、日常のストレスが減ります。

合理的配慮の依頼は、障害者差別解消法に基づく権利として認められており、職場には2024年4月から民間事業者にも提供義務化されています。

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家族や職場はどう関わればいい?

次に、発達障害のあるご本人を支えるご家族・支援者・職場の方に向けて、関わり方のポイントを整理します。

ポイント1|「悪気」を前提にしない

発達障害のある方のコミュニケーションの困りごとは、意図的なものではなく、特性に由来するケースがほとんどです。

「空気を読まない」「言うことを聞かない」「わざと無視している」と受け止めてしまうと、本人も周囲も疲弊する関係性に陥りやすくなります。

「悪気はないけれど、特性で難しい部分がある」という前提で関わると、対応の選択肢が広がります。

ポイント2|指示は「具体的に・短く・文字で」が基本

「いい感じに」「適当に」「臨機応変に」といった曖昧な表現は、ASDのある方にとって最も困る指示の出し方です。

「いつまでに・何を・どこまでの精度で・どんな形式で」を具体的に伝えること、長い説明よりも短い指示を複数回に分けること、口頭だけでなくメモやチャットで文字に残すこと、この3点が基本になります。

ADHDのある方には、優先順位を明示すること、複数のタスクを同時に振らないこと、視覚的に整理されたタスクリストを共有することが有効とされています。

ポイント3|「察してほしい」を期待しない

「言わなくても分かってほしい」「これくらい察してほしい」という期待は、発達障害のある方との関わりでは成立しにくいケースが多いとされています。

不機嫌な様子を見せて気づいてもらうのではなく、「いま何が困っているか」「何をしてほしいか」を、率直に言葉にして伝えることが、結果として双方の関係性を健全に保ちます。

ポイント4|「強み」に注目する

特性は「弱み」だけでなく「強み」としても現れます。

ASDのある方の高い集中力・記憶力・一貫性、ADHDのある方の発想力・行動力・興味の幅広さ、LDのある方の独自の認知スタイルや視覚的思考の強さ――こうした強みを発揮できる役割や場面を意図的に作ると、本人の自己肯定感と周囲の信頼の両方が育ちます。

ポイント5|「環境調整」を一緒に考える

本人だけに「変わってほしい」と求めるのではなく、環境のほうを調整できる部分を一緒に考えることが、長期的に持続する関係性につながります。

職場であれば、座席の配置、指示の出し方、会議の進め方、休憩の取り方など、調整可能な要素は多くあります。

家庭であれば、予定の共有方法、声かけのタイミング、感情を伝えるルールなど、家族で合意できる工夫があります。

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コミュニケーションを整えていった実例|自立訓練(生活訓練)エンラボカレッジ利用者の事例

※以下は自立訓練(生活訓練)エンラボカレッジを利用された方の支援事例です(医学的な症例研究ではありません)

ここまで整理してきた特性と対処を、実際のケースを通じて見ていきます。

実例1|ASDのある10代がコミュニケーションの悩みと向き合ったケース

ASD(自閉スペクトラム症)のある10代の方が、「人との会話で誤解されやすい」「言葉の裏が読めない」という悩みを抱えてエンラボカレッジに来られたケースがあります。

自立訓練のプログラムを通じて、自分の特性を言語化し、場面ごとの対処スクリプトを少しずつ蓄積していくなかで、家族や友人とのやり取りで「以前より誤解が減った」という実感を得られるようになりました。

詳しくはASDによるコミュニケーションの悩みと向き合った10代【エンラボストーリー】をご覧ください。

実例2|「人との会話がポジティブに変化した」20代男性のケース

人との会話に対してネガティブな印象を持ち続けてきた20代男性が、エンラボカレッジで他者との関わりを段階的に積み重ねていったケースです。

「相手に何を伝えたいのか」「自分が何を聞きたいのか」を整理する練習を重ねるなかで、会話そのものに対する受け止め方が大きく変化していきました。

詳しくは人との会話がネガティブなものからポジティブなものに変化した【Enn-Lab. Story】をご覧ください。

実例3|「対人と生活に悩む20代が伝える力を育んだ」ケース

対人関係と生活面の両方に悩みを抱えていた20代の方が、自立訓練で「伝える力」を段階的に育てていったケースです。

最初は自分の気持ちを言葉にすることそのものに難しさを感じていた方が、プログラムでの繰り返しの実践を通じて、職場や家庭で「自分の状態を伝えられる」状態へと変化していきました。

詳しくは対人と生活に悩む20代が自立訓練で伝える力を育み次の進路へ【エンラボストーリー】をご覧ください。

実例4|業界最大手の事例:ADHDの方が「コミュニケーションの困りごと」を職場で整理したケース

就労支援の現場では、ADHDのある20代の方が、「仕事が3か月続かない」「コミュニケーションが上手くいかない」という困りごとを抱えて利用を開始し、自己理解と職場での伝え方の整理を通じて、安定した就労に至るケースが報告されています。

「相手の話を最後まで聞く」「思いついたことを口にする前に一呼吸置く」といった、特性に合わせた具体的な工夫を職場で実践した結果、人間関係のトラブルが大きく減ったとされています。

実例5|公的データから見る発達障害のある方の就業状況

厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査結果」では、雇用されている発達障害のある方は約9万1千人で、前回調査(平成30年度)の約3万9千人から大きく増加しています。

職場での困りごととしては「対人関係・コミュニケーション」が上位に挙げられており、企業側の合理的配慮の充実とともに、本人の自己理解とスクリプト化が、定着の鍵となっていることが示されています。

出典:厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査結果」(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000118359_00007.html)

どこに相談できる?

「自分一人では整理が難しい」「家族だけで抱え込みたくない」と感じる方には、相談できる窓口が複数あります。

医療機関(精神科・心療内科)

診断や治療、薬物療法のサポートが必要な場合、まずは精神科・心療内科を受診することが選択肢のひとつです。

成人後に発達障害の診断を受けたい方の場合、「大人の発達障害」を扱っている専門医療機関を探すと、より丁寧なアセスメントを受けやすくなります。

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発達障害者支援センター

各都道府県・指定都市に設置されている発達障害者支援センターは、本人・家族・支援者からの相談を無料で受け付けています。

医療・福祉・就労・教育など、多領域にわたる相談を受けられる窓口として、最初の入り口として活用しやすい機関です。

障害者就業・生活支援センター(ナカポツ)

働くことに関する相談と、日常生活の相談を一体的に受けられる支援機関です。

「就職活動の進め方が分からない」「職場での困りごとを誰に相談すれば良いか分からない」といった段階から、利用を始められます。

自立訓練(生活訓練)

「働く前に、まず自己理解と生活基盤を整えたい」「コミュニケーションを段階的に練習したい」という方には、自立訓練(生活訓練)が選択肢として浮上してきます。

自立訓練は障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスで、原則2年間の利用期間のなかで、生活面・対人面・自己理解の土台作りに集中的に取り組めます。

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自立訓練(生活訓練)とは?対象者・利用期間・プログラム内容

就労移行支援

「2年以内に一般就労を目指したい」「就職活動の準備を実践的に進めたい」という方には、就労移行支援が選択肢になります。

就労移行支援は同じく障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスで、訓練と就職活動が一体になったプログラムで進められます。

SST(ソーシャルスキルトレーニング)

発達障害のある方のコミュニケーション力を高める手法として、SSTが知られています。

医療機関・福祉事業所・地域活動支援センターなど、さまざまな場で受けることが可能です。

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SST(ソーシャルスキル・トレーニング)とは?プログラム内容や効果・受けられる場所

エンラボカレッジでの「コミュニケーションを整える」アプローチ

エンラボカレッジは、神奈川県・東京都・大阪府・宮崎県の11拠点で自立訓練(生活訓練)と就労移行支援を運営している事業者です。

「就職に向かう前に、まずは自己理解とコミュニケーションを整えたい」というニーズに応える設計で、独自の8つのプログラムを提供しています。

8つのプログラムで「対人」と「自己理解」を同時に育てる

エンラボカレッジでは、感情学/コミュニケーション/My Lab./アクティビティ/Life Lab./ソマティック Lab./Social Lab./スキルアップという8つのプログラムを組み合わせ、対人スキルと自己理解を並行して育てていきます。

なかでも「コミュニケーション」のプログラムでは、伝え方や聞き方をはじめとした、社会の中では言葉にされることが少ない、職場や生活の場面で「人と円滑に心地よく付き合う」ためのコツを学びます。

また「Social Lab.」のプログラムでは、イベントの企画・運営やゲーム・テーマトークなどを通し、自分にあった人付き合いの楽しみ方、集団の中での過ごし方など、座学で学んだことを実践していきます。

『自分/支え方マニュアル』で卒業後も使える成果物に

My Lab.プログラムで作成する『自分/支え方マニュアル』は、利用される方が卒業後の進路先(職場・家庭・支援機関)でも継続して活用できるツールです。

「自分はどんな場面で困りやすいか」「どう関わってもらえると安心できるか」を言語化したマニュアルを、職場の上司や家族に共有することで、関係性のすれ違いを減らす土台になります。

「青春時代を取り戻せる」場としての価値

エンラボカレッジは、就職を急ぐ場ではなく、「自分らしさを取り戻す」「仲間と過ごし悩み楽しむ」ことを大切にしている事業者です。

過去の対人疲労や自己肯定感の低下を抱えてきた方が、安心できる仲間と過ごす時間のなかで、少しずつコミュニケーションへの前向きさを取り戻していくケースが多く見られます。

よくある質問(FAQ)

発達障害があるとコミュニケーションが必ず苦手になりますか?

発達障害のある方すべてがコミュニケーションを苦手とするわけではありません。

特性の出方や程度には個人差があり、得意な分野で力を発揮されている方も多くいらっしゃいます。

「コミュニケーションが苦手」と一括りにせず、ご自身がどんな場面で困りやすいか/得意なのかを個別に整理することが第一歩となります。

発達障害のコミュニケーションの苦手さは「治る」のですか?

発達障害そのものは脳機能の発達のアンバランスさに由来するもので、「治る」という表現はあまり用いられません。

ただし、自己理解の深化、場面ごとのスクリプト化、環境調整、合理的配慮の活用などを通じて、困りごとが大きく軽減するケースは多く報告されています。

「治す」のではなく「特性と上手に付き合う」という捉え方が、現実的なアプローチです。

大人になってから発達障害と診断されました。今からでもコミュニケーションは変えられますか?

成人後に診断を受けてからでも、自己理解の整理と対処スキルの獲得は十分に可能です。

医療機関での治療、福祉サービスでの訓練、相談支援機関の活用などを組み合わせて、ご自身のペースで取り組まれている方が多くいます。

感情をコントロールできない。大人の発達障害の可能性とは?困ったときの対処法や相談先もあわせてご覧ください。

職場でコミュニケーションがうまくいかず仕事が続きません。どうすれば良いですか?

「本人の努力」だけでなく、「環境調整」と「合理的配慮」を組み合わせる視点が大切です。

職場での困りごとを言語化し、上司や産業医に相談する、支援機関のサポートを受ける、自立訓練や就労移行支援で土台を整え直す――こうした選択肢があります。

発達障害があり仕事がうまくできないと悩む方へ|発達障害の特徴からみる原因と対処法もあわせてご覧ください。

家族が発達障害でコミュニケーションに悩んでいます。家族としてどう関われば良いですか?

「悪気はない」という前提を持つこと、指示や依頼は具体的に・短く・文字でを基本にすること、「察してほしい」を期待しないこと、強みに注目すること、環境調整を一緒に考えること――この5点が出発点になります。

ご家族自身が疲弊してしまう場合は、カサンドラ症候群のような状態に陥っていないか確認することも大切です。

発達障害のグレーゾーンですが、コミュニケーションの困りごとへの支援は受けられますか?

診断が確定していないグレーゾーンの方でも、医療機関での相談、自治体の発達障害者支援センターでの相談、就労移行支援や自立訓練(生活訓練)の利用などが選択肢として挙げられます。

詳しくは発達障害の「グレーゾーン」大人の特徴・チェックの方法はある?仕事探しや手帳についてもあわせてご覧ください。

発達障害のコミュニケーションと「コミュニケーション障害」は同じものですか?

医学的には別の概念です。

「コミュニケーション障害」はDSM-5などの診断基準で定義される疾患群(言語症・語音症・小児期発症流暢症など)を指し、発達障害(神経発達症群)の下位カテゴリのひとつとして整理されています。

詳しくはコミュニケーション障害|診断・特徴・原因や対処法もあわせてご覧ください。

SSTを受けたいのですが、どこで受けられますか?

医療機関(精神科デイケア)、福祉事業所(就労移行支援・自立訓練)、地域活動支援センター、発達障害者支援センターなどで実施されているケースがあります。

詳しくはSST(ソーシャルスキル・トレーニング)とは?プログラム内容や効果・受けられる場所で整理しています。

転職を考えていますが、コミュニケーションの苦手さを伝えるべきですか?

「クローズ就労」と「オープン就労」のどちらを選ぶかによって、伝え方の方針が変わります。

オープン就労を選ぶ場合、自分の特性と必要な配慮を整理して伝えることが、長く働き続けられる職場との出会いにつながります。

詳しくは発達障害のある人が転職するには?進め方や大事なポイント、働きやすい環境の見つけ方もあわせてご覧ください。

まとめ

発達障害のコミュニケーションの困りごとは、本人の努力不足ではなくASD・ADHD・LDそれぞれの特性と環境のミスマッチから生じます。当事者の自己理解+場面別スクリプト化+合理的配慮の依頼、周囲の具体的・短い・文字での指示、この両輪で困りごとは大きく軽減します。

次の行動として、まず「どんな場面で困るか/何があれば助かるか」を文字に書き出し、職場や家族に共有できる形に整えていきましょう。

自分一人での整理が難しい場合は、エンラボカレッジの自立訓練(生活訓練)で『自分/支え方マニュアル』作成から始める選択肢もあります。まずは一度お問い合わせください。

ご見学・無料相談のご案内

エンラボカレッジでは、自立訓練(生活訓練)と就労移行支援の見学・無料相談を、神奈川・東京・大阪・宮崎の11拠点で随時お受けしています。

「発達障害のあるご本人のコミュニケーションを一緒に整理してほしい」「家族としての関わり方を相談したい」「自分の特性とプログラムが合うか確かめたい」――そうしたご相談も歓迎しています。

ご見学・無料相談のお申し込みは、エンラボカレッジ公式サイト、またはお電話(050-5538-0786/平日10:00-18:00)からお気軽にどうぞ。

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更新日:2026/05/31 公開日:2025/01/14

この記事について【作成・監修】

本記事は、自立訓練(生活訓練)事業所「エンラボカレッジ」を運営する株式会社エンラボの専門職スタッフが作成・監修しています。

【在籍資格】
精神保健福祉士・社会福祉士・臨床心理士・作業療法士・理学療法士

【現場での実践】
自立訓練(生活訓練)・就労移行支援などで、診断名・特性に合わせた個別支援を提供しています。

【運営会社】
株式会社エンラボ/設立2015年4月/神奈川県を中心に首都圏・関西・宮崎で11拠点運営

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